ロビー活動 各国の事例

ロビー活動

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/22 04:28 UTC 版)

各国の事例

日本

日本において、ロビー活動は利権団体と政治家との癒着・買収の一形態というイメージが強く、有権者からは快く見られないことから、表立って行われることはない。このため他国と比べてどの程度影響力があるか定かでない。

日本ではこれまでロビー活動に対する認知はきわめて低かったが、2007年の参議院議員選挙の結果生じた与野党のねじれ現象を契機に、ロビー活動に対する関心が次第に高まるにつれ、GR Japan[1]、APCO[2]、Weber Shandwick[3]、Burson-Marstellar[4]、永田町フォーラム、ユーロリンク・ジャパン、アジア・ストラテジー、新日本パブリック・アフェアーズ、VOX Globalなどのロビー活動を専門としている会社が現れる。断片的には、2008年の韓国通貨危機の際に、李明博韓国大統領から直接指示を受け権哲賢元駐日大使が、日本の政治家や政府高官などにロビー活動を展開し、スワップ協定韓国に有利な形で締結させることに成功した旨が報道されたことがある[5]

民間企業においてはメルカリが経済産業省で通商交渉などを担当していた人物をロビイストとして雇用しており、政府に対して自社に有利な政策の提言を行っている[6]

アメリカ合衆国

アメリカ合衆国のロビイストはアメリカ合衆国上院下院、行政府を対象として行動し、政府、州政府、地方政府、裁判所に影響を与えることを目的としている。ロビイストの中には法案の起草を行う者も存在する。およそ3万人のロビイストが存在すると言われ、法律でロビイストとしての登録を行うことが義務付けられている。

2005年7月に市民団体パブリック・シチズンは『議会からK街への旅路』("The Journey from Congress to K Street")と題するレポートを発表した(K街はワシントンD.C. にある、シンクタンクやロビイストのオフィスが集まる通り)。ロビー活動公開法、外国代理人登録法の規制の下で提出されたロビイスト登録文書を分析したこの報告書は、1998年以後に退職した議員198名のうち 43% がロビイストに登録していることを明らかにした。ワシントン・ポスト紙はこのレポートに関して、ロビー活動に対する議員たちの態度が変化している事実を反映していると述べている。同紙によると、議員がロビイストになることは多くの議員自身にとって20年前には考えられなかったことであり、またそうした情勢の中でもロビイストに転化した元議員は怠惰であることが多く敬遠されていたと述べている。

レポートではロビイストの代表例として、1999年に下院議長の有力候補となりながら、セックス・スキャンダルに見舞われ議員を辞任したボブ・リヴィングストンをあげている。辞任後に彼が設立したロビー会社は創業から6年間で年間4000万ドルもの売り上げを上げる企業に成長した。彼が妻とともに政治活動委員会(PAC; Political Action Committee)を通じて行った献金は50万ドルにも上るとされる。

2005年には共和党系のロビイストであるジャック・エイブラモフを巡るスキャンダルが発生し、ジョージ・W・ブッシュ大統領の弾劾まで口にされるほどの騒ぎに発展している。エイブラモフはネイティブ・アメリカン補助金横領アフリカの複数の国家元首とブッシュ大統領の会談をセットした謝礼として、数百万ドルを要求したことなど複数の疑惑が取りざたされている。

議員とロビイストの関係に批判が集まる事態を受けて民主党ラス・ファインゴールド議員は上院、下院のフロア、ジムなどへの立ち入りを認めていた前議員の特権を廃止することを提案している。 1998年から2014年にかけて製薬/健康製品産業は2位の保険業界の50%弱多くロビイングに使った[7]

イスラエル・ロビー

イスラエルは、政界・財界を始めとしたアメリカ合衆国社会にユダヤ系アメリカ人が多い事もあって、イスラエル・ロビーがアメリカ合衆国の政策決定に多大な影響力を有する。特に、国際連合安全保障理事会におけるイスラエルに不利な決議案を、アメリカ合衆国に拒否権を発動させ葬る例が多い。

なお、“ユダヤ・ロビー”との表現は陰謀論を指す。

ロビー団体・企業

ロビー団体は、主に業界団体、主義・主張を同じくする団体などが中心であったが、21世紀においてはロビー活動と企業経営コンサルティングの境界が不明瞭になりつつあり複雑化。いわゆる大手企業においても複数のロビー団体やコンサルティング企業と契約する状況が生まれている[8]

  • ポール・ブラスウェイト・オブ・フェデラル・ストラテジーズ
  • ジョシュ・ホーリー・オブ・ホーリー・ストラテジーズ
  • エイキン・ガンプ・ストラウス・ハウアー・アンド・フェルド
  • スクワイヤ・パットン・ボグズ

欧州連合

1999年の時点で欧州委員会は次のような数字をあげている。

  • 約3000の利益団体がブリュッセルに存在し、そこで雇用されている人数は10,000名ほどになる。それに対しアメリカ合衆国においては2005年時点で議会へのロビー活動に限ると 35000 名のロビイストが登録されている。
  • 50の団体は国または地域を代表したロビー活動を行っている。







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