ロシア将来航空母艦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/06 14:21 UTC 版)
主機
当初、動力に関しては各排水量ごとに通常推進(ガスタービン等)と原子力推進の2つのタイプが検討されていたが、ロシア海軍の要求により、2015年には原子力推進を採用することで確定した[5][6]。
搭載原子炉は2016年に進水した原子力砕氷船「二代目アルクティカ」(プロジェクト22220)搭載の小型モジュール炉(SMR)RITM-200(熱出力175MW、電気出力60MW)ないし原子力砕氷船「LK-110Ya級原子力砕氷船」(プロジェクト10510)に搭載予定のRITM-200系列の改良発展型原子炉RITM-400(熱出力315MW、電気出力110MW)が有力視されている[7]。
ただし、V/STOLの新規開発により空母への要求が下がっていることや流体動力学の発展から、研究センターでは輸出用空母や軽空母であれば、フリゲート艦に採用されているガスタービンエンジンM90FR(27500馬力)などを複数積むことで必要出力を達成できると提案している。
建造
ソビエト連邦崩壊により、それまで空母を建造してきた黒海造船工場は独立したウクライナに接収されてしまった。このため、ロシアは空母の建造能力も失っており、唯一保有する空母「アドミラル・クズネツォフ」のメンテナンスもムルマンスクの大型浮きドックPD-50で行っている状態である。
現在、ロシアでは国内造船所の近代化・拡張工事を進めており、フランスからミストラル級強襲揚陸艦購入の対価として大型艦のブロック工法技術の再修得や、インドへ売却する退役したSTOVL空母キエフ級「バクー」をSTOBAR空母「ヴィクラマーディティヤ」へ大改装するなど造船技術の向上に努めている。将来、空母を建造できる造船所の候補として、セヴェロドヴィンスクのセヴマシュやサンクトペテルブルクのバルチック造船所とセヴェルナヤ造船所が上がっている[8]。また、2014年クリミア危機でウクライナからロシアへクリミア半島が編入したことで、世界最大クラスの乾ドックを保有するケルチのザリフ造船工場もロシア所有となっており、有力候補となった。
脚注
- ^ RITM Reactor Plants for Nuclear-Powered Icebreakers and Optimized Floating Power Units (PDF) - on OKBM Afrikantov official pdf(英語)
- ^ “Военно-морской флот России к 2030 году получит атомный авианосец” (ロシア語). РИА Новости. (2016年1月16日)
- ^ “ОДК готова разработать новый двигатель для палубной авиации” (ロシア語). flotprom.ru. (2018年4月5日)
- ^ “Интерфакс-Агентство Военных Новостей” (ロシア語). militarynews.ru. (2018年8月24日)
- ^ “ОСК перспективный российский авианосец будет атомным - Армия и ОПК” (ロシア語). tass.ru. (2015年8月10日)
- ^ “В России может появиться атомный авианосец - Армия и ОПК” (ロシア語). tass.ru. (2018年8月24日)
- ^ “Новый авианосец ВМФ России оснастят атомными реакторами РИТМ-200” (ロシア語). interfax.ru. (2016年6月22日)
- ^ “Гендиректор Севмаш готов строить перспективный авианосец - Армия и ОПК” (ロシア語). tass.ru. (2015年6月16日)
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