レバノン レバノンの概要

レバノン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/29 09:58 UTC 版)

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レバノン共和国
الجمهوريّة اللبنانيّة
国旗 国章
国の標語:不明
国歌كلنـا للوطـن للعـلى للعـلم(アラビア語)
我等全ては我が国のため、我が栄光と国旗のため
公用語 アラビア語
首都 ベイルート
最大の都市 ベイルート
政府
大統領 ミシェル・アウン
閣僚評議会議長 ハッサン・ディアブ
国民議会議長ナビーフ・ベッリ
面積
総計 10,400km2161位
水面積率 1.6%
人口
総計(2018年 6,859,408人(112位
人口密度 560人/km2
GDP(自国通貨表示)
合計(2013年 67兆8,663億[1]レバノン・ポンド
GDP(MER
合計(2013年 450億[1]ドル(86位
GDP(PPP
合計(2013年774億[1]ドル(84位
1人あたり 17,326[1]ドル
独立
 - 日付
フランスより
1943年11月22日
通貨 レバノン・ポンドLBP
時間帯 UTC +2(DST:+3)
ISO 3166-1 LB / LBN
ccTLD .lb
国際電話番号 961

北と東ではシリアと、南ではイスラエルと国境を接し、西には地中海を挟んでキプロスがある。レバノンは地中海盆地アラビア内陸部の交差点に位置することから、豊かな歴史を持ち、宗教的・民族的な多様性を持つ文化的アイデンティティを形成してきた[6]。レバノンの面積はわずか10,452 ㎢ で、アジア大陸で最も小さな主権国家として認められている[2][3]

レバノンの文明の最も初期の証拠は、記録された歴史によれば7000年以上前にさかのぼる[7]。レバノンはフェニキア人にとって、ほぼ3,000年(紀元前3200年から539年)の間栄えた海洋文化の拠点だった。紀元前64年には、同地域はローマ帝国の支配下に入り、最終的にはキリスト教のその主要な中心地の一つとなった。レバノン山脈では、マロン派として知られている修道院の伝統が生まれた。アラブのイスラム教徒がこの地域を征服しても、マロン人は自分たちの宗教とアイデンティティを維持した。しかし、新しい宗教グループであるドゥルーズ派がレバノン山にも定着し、何世紀にもわたって宗教的な分裂が続いている。十字軍の間に、マロン人はローマ・カトリック教会との接触を再確立し、ローマとの交わりを主張した。これらの結びつきは、この地域の近代化にも影響を与えている。

レバノンは16世紀にオスマン帝国に征服され、その後400年間支配下に置かれた。第一次世界大戦後のオスマン帝国の崩壊後、現在のレバノンを構成する5つの州はフランスの委任統治下に置かれた。フランスは、マロン人とドゥルーズ人が多かったレバノン山総督府の国境を拡大し、より多くのイスラム教徒を含むようにした。1943年に独立したレバノンでは、主要な宗派に特定の政治的権限が割り当てられた独自の宗派主義的な政府形態が確立された。ベチャラ・エル・クーリー大統領、リアド・エル・ソル首相、国防大臣のマジド・アルスラーン2世は、現代レバノンの創始者であり、独立に貢献した国民的英雄である。レバノンは当初、政治的にも経済的にも安定していたが、様々な政治的・宗派的派閥による血なまぐさいレバノン内戦(1975年~1990年)によって崩壊した。この戦争は部分的にシリア(1975年~2005年)とイスラエル(1985年~2000年)による軍事占領につながった。

レバノンは小さな国であるが、その大規模で影響力のあるディアスポラによって、アラブ世界のみならず世界的にもレバノンの文化は知られている[4]。内戦前のレバノンは、観光、農業、商業、銀行業を含む多様な経済を享受していた[8]。また、ベイルートは「中東のパリ」と呼ばれるほど多くの観光客を魅了した[9]。終戦後は、経済復興と国家インフラの再構築に力を注いできた[10]。紛争の政治的・経済的影響からの回復途上にありながらも、人間開発指数と一人当たりのGDPはペルシャ湾の石油国を除くアラブ世界で最も高く、国際色豊かな比較的先進的な国であることに変わりはない。

レバノンは1945年に国連の創設メンバーとなり、アラブ連盟(1945年)、非同盟運動(1961年)、イスラム協力機構(1969年)、フランコフォニー国際機関(1973年)に加盟している。




注釈

  1. ^ 紀元前814年建国、ローマの伝承では紀元前753年の建国になっている。
  2. ^ 紀元前875年から紀元前625年までの150年もの間アッシリアに占領された。
  3. ^ レバノンの領土は拡大されたが、海岸の都市やベッカー高原のスンニ派、シーア派のムスリムたちは、アラブのイスラム世界から永遠に切り離されるのではないかと心配した。
  4. ^ 13年間に飛行場、道路、住宅、保健医療のプロジェクトを対象に、180億ドルの公共投資と420億ドルの民間投資を目指し、また、平均7.8%の経済成長を図り、この期間に一人当たりの実質所得を2倍にすることを目標にした。1993年から1994年にかけてレバノンの信頼が増し、1996年時点で外国からの資金は27億ドルに達し、経済成長率も伸びを見せた[13]
  5. ^ 同決議は、レバノンの主権、領土保全、政治的独立などの尊重を求め、レバノンに駐留する全外国軍に対し、レバノンから撤退を要請し、また、レバノン人、非レバノン人の武装勢力の解散と武装解除を求め、さらに来るレバノン大統領選挙での公正・自由な選挙プロセスの支持を宣言するものであった[14]
  6. ^ 1963年以来35年ぶり。

出典

  1. ^ a b c d e World Economic Outlook Database, October 2014” (英語). IMF (2014年10月). 2014年11月9日閲覧。
  2. ^ a b THE LEBANESE CONSTITUTION: "Lebanon is Arab in its identity and in its affiliation. It is a founding and active member of the League of Arab States and abides by its pacts and covenants."”. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  3. ^ a b . https://www.constituteproject.org/constitution/Lebanon_2004.pdf?lang=en 
  4. ^ a b “Lebanon country profile” (英語). (2018年5月14日). https://www.bbc.com/news/world-middle-east-14647308 2019年9月23日閲覧。 
  5. ^ Lebanon urges Arab League to readmit Syria ahead of regional summit” (英語). France 24 (2019年1月19日). 2019年9月23日閲覧。
  6. ^ McGowen, Afaf Sabeh (1989). “Historical Setting”. In Collelo, Thomas. Lebanon: A Country Study. Area Handbook Series (3rd ed.). Washington, D.C.: The Division. OCLC 18907889. http://hdl.loc.gov/loc.gdc/cntrystd.lb 2009年7月24日閲覧。 
  7. ^ Dumper, Michael; Stanley, Bruce E.; Abu-Lughod, Janet L. (2006). Cities of the Middle East and North Africa. ABC-CLIO. p. 104. ISBN 978-1-57607-919-5. "Archaeological excavations at Byblos indicate that the site has been continually inhabited since at least 5000 B.C." 
  8. ^ Background Note: Lebanon”. U.S. Department of State (2010年3月22日). 2010年10月4日閲覧。
  9. ^ Johnson, Anna (2006年). “Lebanon: Tourism Depends on Stability”. 2006年10月31日閲覧。
  10. ^ Lebanon (Governmental)”. Canadian International Development Agency. Government of Canada (2009年5月28日). 2008年5月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年8月24日閲覧。
  11. ^ 堀口 (2005), pp. 79-82.
  12. ^ 「レバノンへ侵攻 反日で一部撤収 南部ゲリラ基地を掃討」『朝日新聞』昭和47年(1972年)9月17日、13版、1面
  13. ^ 堀口 (2005), pp. 232-234.
  14. ^ 堀口 (2005), pp. 273.
  15. ^ 深刻な財政危機にあえぐレバノン、初のデフォルトへ”. 2020-03-08AFP (2020年3月8日). 2020年3月7日閲覧。
  16. ^ レバノン軍、すべての食事を肉抜きに 食料価格の高騰で”. AFP (2020年7月4日). 2020年7月3日閲覧。
  17. ^ レバノンで反政府デモ、治安部隊と衝突 爆発で不満高まる”. BBC (2020年8月7日). 2020年8月8日閲覧。
  18. ^ ベイルートで反政府デモ、複数の省庁占拠 治安部隊と衝突”. CNN (2020年8月9日). 2020年8月11日閲覧。
  19. ^ レバノン、内閣総辞職 首相「惨事は国家の腐敗の結果」:朝日新聞デジタル” (日本語). 朝日新聞デジタル. 2020年8月11日閲覧。
  20. ^ 青山 & 末近 (2009) [要ページ番号]
  21. ^ 堀口 (2005), pp. 239-240.
  22. ^ 堀口 (2005), pp. 241-242.
  23. ^ 堀口 (2005) pp. 266-267.
  24. ^ 青山「レバノン-宗派主義制度下の武力紛争-」(2010)
  25. ^ アラブのキリスト教徒 2016年6月19日閲覧。
  26. ^ a b 青柳まちこ『国勢調査から考える人種・民族・国籍』 明石書店 2010年 ISBN 978-4-7503-3274-1 pp.146-155.
  27. ^ The Lebanese census of 1932 revisited. Who are the Lebanese? Rania Maktabi 2007
  28. ^ 各国・地域情勢 > 中東 | 国名:レバノン共和国(Republic of Lebanon) 外務省、2010年4月現在。
  29. ^ https://www.cia.gov/library/publications/the-world-factbook/geos/le.html 2009年5月23日閲覧
  30. ^ 小山 (1977), pp. 77-78.
  31. ^ “シリア難民、100万人に達する 国連”. CNN. (2013年3月7日). http://www.cnn.co.jp/world/35029195.html 2013年3月7日閲覧。 
  32. ^ The Hindu (5 January 2003). "Called by life";. Retrieved 8 January 2007.
  33. ^ 小山 (1977), p. 78.


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