レスベラトロール サーチュイン遺伝子との関係

レスベラトロール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/12 02:49 UTC 版)

サーチュイン遺伝子との関係

サーチュイン遺伝子は、長寿遺伝子または抗老化遺伝子とも呼ばれ、飢餓カロリー制限、運動によって活性化する。近年、レスベラトロールがサーチュインタンパク質を活性化することもわかっている[11][信頼性要検証]。サーチュイン自体は、ヒストン脱アセチル化酵素であり、サーチュインが活性化するとヒストンが脱アセチル化されてヒストンのアルカリ性を示す豊富なアミノ基と核酸の名が示すように酸性の性質を有するDNAとの親和力が高まり、ヒストンとDNAが強く結び付いて、遺伝子の発現が抑制される。言い換えれば、DNAが休眠状態に入ることである。これと反対に、ヒストンアセチル化されるとヒストンとDNAの親和力が低くなり、通常の遺伝子発現が活発化される[24][25]。飢餓のような過酷な環境下ではDNAの活動が抑制され、DNAの安定化へと変化する。これが結果的にDNAの損傷防止につながり、このDNAの損傷防止は直接的に長寿につながる。詳細はDNA修復#カロリー制限とDNA修復の増加を参照のこと。

関連項目

外部リンク


  1. ^ 井上裕康「赤ワインに含まれるポリフェノール・レスベラトロールに関する最近の話題」『ビタミン』78(12)、2004-12-25、pp.621-623. NAID 110002880447
  2. ^ Bhat KPL, et al. Antioxid Redox Signal, 3(6):1041-64. (2001) PMID 11813979.
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  9. ^ a b Longevity drug may protect against radiation WIRED
  10. ^ http://okajima-lab.net/press/ [リンク切れ]
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  17. ^ "Doubt on Anti-Aging Molecule as Drug Trial Stops", NY times, Jan 10 2011.
  18. ^ 浅野智哉「二重盲検ランダム化比較試験によるレスベラトロール経口摂取における効果」『医学と薬学』72巻7号、2015年7月。
  19. ^ 情報:農と環境と医療 47号(北里大学学長室通信)No.47 2009/2/1”. 2009年4月15日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2011年6月20日閲覧。
  20. ^ 坪田一男 (2010年10月21日). “ピーナツは皮ごと食べよう”. 視的!健康論 ~眼科医坪田一男のアンチエイジング生活(読売新聞/ヨミドクター). 2012年11月30日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2011年6月20日閲覧。
  21. ^ Kato et al. J Agric Food Chem, 57(6), 2544-2549. (2009) PMID 19222220.
  22. ^ 第二類医薬品 (PDF) (平成30.7.8最終改正)(厚生労働省ホームページ 医薬品の販売制度 |厚生労働省より)(第二類医薬品において「コジョウコン」の記述)
  23. ^ “赤ワインのポリフェノールに健康への効果確認できず、研究”. AFPBBNews (フランス通信社). (2014年5月13日). http://www.afpbb.com/articles/-/3014787?ctm_campaign=nowon 2014年5月14日閲覧。 
  24. ^ CycLex Web Site Archived 2012年12月15日, at the Wayback Machine.
  25. ^ ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害物質の分子設計とその抗がん剤への応用(研究概要) Archived 2012年7月20日, at the Wayback Machine.


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