ルネサンス期のイタリア絵画 ルネサンス黎明期

ルネサンス期のイタリア絵画

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/18 03:53 UTC 版)

ルネサンス期のイタリア絵画(ルネサンスきのイタリアかいが)では、13世紀終わりに勃興し、15世紀初めから16世紀半ばにかけて最盛期を迎えた芸術運動であるルネサンスにおいて、当時多くの都市国家に分裂していたイタリアで描かれた絵画作品を解説する。ルネサンス美術は、黎明期(1300年 - 1400年)、初期(1400年 - 1475年)、盛期(1475年 - 1525年)、そして後期のマニエリスム期(1525年 - 1600年)に大別することができる。しかしながら、個々の画家たちの独自表現、作風が複数の時代区分にまたがっていることもあり、作品に明確な相違が見られるわけではない。


注釈

  1. ^ ヤーコポ・ベリーニとその息子ジェンティーレジョヴァンニら。
  2. ^ サセッティはメディチ家の銀行の重職にあり、コジモ・デ・メディチの側近だった人物である。
  3. ^ 『画家・彫刻家・建築家列伝』にはジョットが弟子入りした経緯をはじめ、ジョットとチマブーエとのエピソードが多く書かれているが、そもそもジョットはチマブーエの弟子ではないとする説もある。(Hayden B.J. Maginnis, "In Search of an Artist," in Anne Derbes and Mark Sandona, The Cambridge Companion to Giotto, Cambridge, 2004, pp.12 - 13)
  4. ^ もともとはニコ・グイダロッティが自身の墓所として建てた礼拝堂だが、後にトスカーナ大公コジモ1世が、スペインのトレド出身の妃エレオノーラ・ディ・トレドにこの礼拝堂を与えたことにちなんで「スペイン人礼拝堂」と呼ばれるようになった。
  5. ^ ヴァザーリの『画家・彫刻家・建築家列伝』では、マサッチオがマソリーノの画家であった可能性が指摘されている(第2版 p.295)。しかしながら、現代の美術史家たちはこの二人の作風の相違から、この説に懐疑的な研究者が多い(Luciano Berti, "Masaccio 1422," Commentari 12 (1961) pp.84 - 107)。
  6. ^ ダヴィデ・ギルランダイオの兄ドメニコ・ギルランダイオ、弟のベネデッド・ギルランダイオも著名な画家である。
  7. ^ マンテーニャは1460年にマントヴァ侯ルドヴィーコ3世の宮廷画家に迎えられている。
  8. ^ 「スキファノイア」は「(俗世の)面倒ごとからの逃避」を意味し、実際にスキファノイア宮殿には厨房のような存在してしかるべき設備がなかった。このため食事はすべて外部から運び込まれていた。
  9. ^ 聖ヒエロニムスには、シリアでライオンの脚に刺さった棘を抜いたという伝承があり、生涯そのライオンがヒエロニムスのもとを離れなかったとされる。このためヒエロニムスをモチーフとした絵画には、ライオンがその象徴、寓意として描かれることが多い。
  10. ^ メディチ銀行の重職フランチェスコ・サセッティ、ピエロ・ディ・コジモ・デ・メディチ夫人ルクレツィア・トルナブオーニなど。
  11. ^ 左翼最前列にひざまずいて祈る人物が制作依頼者のポルティナーリ。
  12. ^ 画面左上から右へと順番に、隠者に身を変えた悪魔が石をパンに変えるようにそそのかす場面、悪魔がエルサレム神殿の屋根から飛び降りるようそそのかす場面、最後に悪魔を崖下へと退ける場面が描かれている。
  13. ^ ユリウス2世(在位1503年 - 1513年)とレオ10世(在位1513年 - 1521年)の肖像画。レオ10世の肖像画には後にローマ教皇クレメンス7世となる枢機卿ジュリオ・ディ・ジュリアーノ・デメディチも描かれている。
  14. ^ プロトゲネスのモデルは画家ソドマ(1477年 - 1549年)とする説もある。しかしながら当時のソドマは30歳代であり、描かれている白髪のプロトゲネスははるかに年齢が上に見える。当時ソドマよりも著名だったペルジーノは60歳代で、ペルジーノの自画像と『アテナイの学堂』のプロトゲネスには共通点が多い。また、ティモテオ・ヴィティ(1469年 - 1523年)という説もある。
  15. ^ ジョルジョーネはジョヴァンニ・ベリーニの弟子といわれ、ヴァザーリの『画家・彫刻家・建築家列伝』ではティツィアーノはジョルジョーネの弟子だったとされている。しかしながら17世紀のイタリア人バロック画家、伝記作家カルロ・リドルフィは、ティツィアーノもベリーニに師事していたとしている。
  16. ^ アゴスティーノ・カラッチの弟アンニーバレ・カラッチ、従兄弟ルドヴィコ・カラッチ、息子アントニオ・カラッチら。

出典

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  2. ^ a b c d e f g h i j Frederick Hartt, A History of Italian Renaissance Art, (1970)
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  6. ^ Keith Christiansen, Italian Painting, (1992)
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  8. ^ a b c d e Giorgio Vasari, Lives of the Artists, (1568)
  9. ^ All three are reproduced and compared at en:Thematic development of Italian Renaissance painting
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