ユニバーサル横メルカトル図法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/27 05:52 UTC 版)
採用国
1947年にアメリカ陸軍工兵司令部が座標システムとして考案したのが始まりとされる[6]。のちに地形図の図法としても採用する。
ヨーロッパでは各国で測地系がばらばらであったが、NATOの活動に支障が生じるため、西ヨーロッパ全体をカバーする測地系を設けることとなり、それに合わせて一部の国がUTM直交座標系や地形図図法としての UTM を導入した。
日本では、地形図や地勢図に多面体図法を用いていたが、昭和40年から25,000分の1地形図整備に合わせてUTMに順次切り替えた。日本では、51帯~56帯(中央経線は東経123度、129度、135度、141度、147度、153度)を使用している。他の国と比べると、位置指定やメッシュの手段としてのUTM直交座標系はあまり浸透していない。アメリカ軍との共同運用が多い防衛省・自衛隊を除けば[7]、1万分の1以上の地形図に日本独自の平面直角座標系の方眼が入っているが、他は経緯度線が見られる程度である。
関連項目
- ^ Krüger, L. (1912). Konforme Abbildung des Erdellipsoids in der Ebene. Royal Prussian Geodetic Institute, New Series 52.
- ^ C. F. F. Karney (2011), Transverse Mercator with an accuracy of a few nanometers, J. Geodesy 85(8), 475–485
- ^ 河瀬和重 (2011): Gauss-Krüger投影における経緯度座標及び平面直角座標相互間の座標換算についてのより簡明な計算方法, 国土地理院時報, 121, 109–124.
- ^ たとえばイタリア(it:Proiezione di Gauss-Boaga)の東座標系は実質的にUTM33帯北であるが、X座標に加える値は2,520キロメートルである。
- ^ たとえばフィンランドのETRS-TM35FINは名前のとおりUTM35帯北であるが、旧来の直交座標系と区別するためX座標に8,000キロメートルを余分に加えることがある。
- ^ ただし地球を経度6度帯にゾーン分けをするアイデアは、1891年に作成が決められた世界統一規格の国際図(日本では万国図)に見られる。日本の地形図に付されている地形図番号はUTMゾーン番号と一致している(緯度帯符号はMGRSと異なる)が、これは国際図番号として戦前から使われているものである。またガウス・クリューゲル図法の採用はドイツやソ連が早い。第二次大戦中に連合国軍として共同作戦を取る上でソ連の図法を採用した事が、UTM考案のきっかけと言われている。ソ連のシステムとUTMの違いは、縮尺係数(ソ連では 1 )とゾーン番号の付け方である(DMA Tecnical manual 8358.1)。
- ^ 数値地図ユーザーズガイド(国土地理院監修、日本地図センター編刊、1992年)、p1
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