ユニバーサルデザイン ユニバーサルデザインの概要

ユニバーサルデザイン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/25 05:59 UTC 版)

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概説

ユニバーサルデザインという概念は、米ノースカロライナ州立大学ユニバーサルデザインセンター Center for Universal Design)のロナルド・メイス(Ronald Mace 通称 Ron Mace)により、1985年に公式に提唱されたものである[1]

「年齢や能力、状況などにかかわらず、デザインの最初から、できるだけ多くの人が利用可能にすること」が基本コンセプトである。デザイン対象を障害者や高齢者に限定していない点が「バリアフリー」とは異なる。これは、バリアフリーが、さまざまな利用者を考慮せずにつくってしまい、結果として生じた障壁(バリア)を「後から除去する」という不合理を、「最初から誰にとっても使いやすいデザインで」解消するというロナルド・メイスの考えが反映されたものである。欧米では、バリアフリーがかなり進んで後にユニバーサルデザインの考え方が提唱されたため、その違いは理解されやすかった。しかしながら、日本国内においては「バリアフリー」が不十分なうちに「ユニバーサルデザイン」の考えが紹介されたため、両者はしばしば混同されており、ロナルド・メイスの考え方が、必ずしも正しく理解されているとは言えない点もある。なお、同様の概念として、ヨーロッパにはDesign for Allという概念があり、英国からは、Inclusive Designも提唱された。現在、提唱されているSDGsの中の”No one will be left behind"(誰も取り残さない)も、考え方としては近い概念といえる。

ユニバーサルデザインの7原則

The Center for Universal Design, NC State University による[2]7原則

  1. どんな人でも公平に使えること。(公平な利用)
    Equitable use
  2. 使う上での柔軟性があること。(利用における柔軟性)
    Flexibility in use
  3. 使い方が簡単で自明であること。(単純で直感的な利用)
    Simple and intuitive
  4. 必要な情報がすぐに分かること。(認知できる情報)
    Perceptible information
  5. 簡単なミスが危険につながらないこと。(うっかりミスの許容)
    Tolerance for error
  6. 身体への過度な負担を必要としないこと。(少ない身体的な努力)
    Low physical effort
  7. 利用のための十分な大きさと空間が確保されていること。(接近や利用のためのサイズと空間)
    Size and space for approach and use

ユニバーサルデザインの具体例

  • 誰もが余裕を持って通過することのできる幅の広い改札
  • 病院等の医療用施設向けに開発されたが、多くの人が心地よいと感じたために普及したシャワートイレ。
  • 適切にデザインされた身体的負担の少ないスロープと階段の組み合わせ。状況に応じてエレベーターやエスカレーターとも組み合わせる。
  • 絵文字(ピクトグラム)による視覚的・直感的な情報伝達と音声や音響、触覚による情報伝達の組み合わせ。
  • ユーザーが自由に選択できる、多様な入力および出力装置(キーボードマウス、トラックパッド、ジェスチャー、音声など)とそれらの接続、使用ができるプラットフォームとしてのパソコンやスマホ等のハードとソフト。
  • 視認性やユーザーの感情に与える効果に配慮した配色計画。
  • 複雑なマニュアルがなくても、直感的に使用できる製品のデザイン。
  • 読みやすさ、視認性を向上させる目的で開発したフォント[3]

また、ユニバーサルデザインの市場規模は、2020年現在で40兆円を超えている[4]


  1. ^ a b Ron Mace (1985). “Universal Design: Barrier Free Environments forEveryone”. Designers West 33(1): 147-152. 
  2. ^ The Center for Universal Design - Universal Design Principles”. projects.ncsu.edu. 2020年7月4日閲覧。
  3. ^ a b 行方市、全国初 UDフォント一体導入 行政・教育、文書活用に
  4. ^ 障がい者制度改革推進会議 ヒアリング項目に対する意見書 第20回(H22.9.27)
  5. ^ 長寿社会対応住宅設計指針”. www.mlit.go.jp. 建設省. 2020年7月4日閲覧。
  6. ^ 移動等円滑化の促進に関する基本方針”. 国土交通省. 2020年7月4日閲覧。
  7. ^ オリンピック・パラリンピックを見据えたバリアフリー化の推進に関する調査研究(空港から競技会場までのシームレスな移動の実現に向けた検討)”. 国土交通省. 2020年7月4日閲覧。
  8. ^ 公共交通機関等における障害者等への対応に係る職員教育の充実に関する調査研究」平成30年3月”. 国土交通省総合政策局安心生活政策課. 2020年7月4日閲覧。
  9. ^ 障害者の権利に関する条約の理念を踏まえた特別支援教育の在り方に関する意見書https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1298937.htm
  10. ^ a b c Kazuo KAWASAKI” (日本語). www.kazuokawasaki.jp. 2018年8月27日閲覧。





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