モンタナ州 気候

モンタナ州

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/05 02:01 UTC 版)

気候

モンタナ州は多様な地形の大きな州であるので、気候も同じくらい多様である。北緯45度線(赤道と北極の中間)から北緯49度線の間にあり、標高が2,000フィート (600 m) 以下から13,000フィート (3,900 m) 近くまで変化している。西半分は山岳地であり、間に多くの大きなバレーが入っている。東部は平原と悪地であり、間に丘陵部や孤立山脈が入り、亜乾燥大陸性気候(ケッペンの気候区分BSk)である。大陸分水界が西側山岳地を南北に走っており、気候に与える影響が大きい。大陸分水界が西の太平洋から吹いて来る暖かい空気の動きを遮り、冷涼で乾燥した大陸の空気が西に動くことも邪魔している。西側は北太平洋の海岸気候に近く、温暖な冬、冷涼な夏、弱い風、および長い植物成長シーズンが特徴である[10]。冬季には大陸分水界から西のバレーで霧や低い雲が発生することが多いが、分水界の東ではほとんど無い[11]

日中の1月の28°F (-2 ℃) から7月の84.5°F (29 ℃) まで変化している。地形の多様性が温度の大きな変化を引き起こしている。東部の平原では時として暑くなり、過去最高気温は1893年7月20日のグレンダイブと、1937年7月5日のメディシン湖で記録された117°F (47 ℃) だった。州全体で夏の夜は冷涼で快適である。標高が上がると温度は下がり、標高4,000フィート (1,200 m) 以上では暑くなることもない。州中央部では年間を通じて雪が降ることがあるが、7月と8月は希である[10]

グレイシャー国立公園のゴーイング・トゥ・ザ・サン道路を覆うビッグドリフト、2006年3月23日撮影

モンタナ州の過去最低気温は大陸アメリカ合衆国の過去最低気温にもなっている。1954年1月20日、ロジャーズ峠に近い金鉱山キャンプで-70°F (-57 ℃) が記録された。このような寒い夜は温度の勾配も大きく、峠から40マイル (64 km) 南東のヘレナ市では-36°F (-2 ℃) までしか下がらなかった[10]。冬の寒さは1週間ほど続くことがあり、これはカナダから下ってくる大陸性寒冷気団によることが多い。その前線ははっきり見分けられ、24時間のうちに大きな気温降下が起こる。これとは逆に南西からの気流はチヌーク風を生む。風速25ないし50マイル/時 (11 - 22 m/s) の風が特に山岳部の東側を急速に暖め、気温は50°F (10 ℃) から60°F (15 ℃) まで上がることがある[10]

アメリカ合衆国で24時間の間の温度変化で最大のものはモンタナ州ロマ市で記録された。1972年1月15日、気温は-54°F (-48 ℃) から49°F (9 ℃) まで上昇した[12]

グリネル・グレイシャーでは年間105インチ (2,667 mm) の降水量がある

モンタナ州の平均年間降水量は15インチ (380 mm) だが、所によって大きな違いがある。山岳部が太平洋の湿気を遮るので西側に雨が降り、東側は雨陰になっている。西部のヘロンの降水量は34.70インチ (881 mm) と最も多い。東部の風下側ではかなり乾燥しており、ローンパイプで11.45インチ(291 mm)、ディアロッジで11.00インチ (279 mm) の年間降水量となっている。山岳部自体は100インチ (2,500 mm) 以上の雨が降っており、例えばグレイシャー国立公園のグリネル・グレイシャーでは年間105インチ (2,667 mm) の降水量がある[11]。最も乾燥しているのはベルフライの南西地域であり、16年平均で6.59インチ (167 mm) である。大都市の多くは毎年30ないし50インチ (75 - 125 cm) の降雪がある。山岳部では300インチ (750 cm) も積もることがある。9月から5月まで暴風雪が起こることがあるが、通常の降雪は11月から3月までである[10]

モンタナ州の気候は暖かくなってきており、今後もその可能性が強い。グレイシャー国立公園の氷河が後退しており、今後数十年の間に消失する予測もある[13]。2007年7月には多くの都市で過去最高気温が記録され、これまでで最も暑い月になった[14]。冬も暖かくなっており、寒い日が続く頻度が減ってきた。以前はこの寒冷日が州西部の森林を蝕むキクイムシを殺していた。暖かい気候、キクイムシの攻撃および過去の誤った管理が組み合わさり、山火事の危険性が増加している。アメリカ合衆国環境保護庁のためにハーバード大学工学応用科学部が行った調査では、山火事で燃える地域が2倍になり、それによる大気汚染も80%増加するとされている[15][16]




  1. ^ Montana Code Annotated 2009 – Title 1, chapter 1, Part 5 "State Symbols – Official Designations"”. State of Montana. 2011年8月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年7月21日閲覧。
  2. ^ Robbins, Jim (2008年8月17日). “In Montana, a Popular Expression Is Taken Off the Endangered List”. New York Times. http://www.nytimes.com/2008/08/18/us/18trademark.html?em 2011年8月28日閲覧。 
  3. ^ Montana”. United States Department of Labor – Bureau of Labor Statistics. 2011年7月21日閲覧。
  4. ^ Thackeray, Lorna (2009年10月17日). “National-park visitors boost Montana’s tourism stats”. Billings Gazette. http://billingsgazette.com/news/state-and-regional/montana/article_a9e53dca-badc-11de-9615-001cc4c03286.html 2011年7月21日閲覧。 
  5. ^ MLA Language Map Data Center". Modern Language Association.
  6. ^ Congressional Globe, 38th Cong., 1st sess., (March 17, 1864)
  7. ^ Contributions to the Historical Society of Montana, Volume 7, Rocky Mountain Publishing Co., 1910
  8. ^ Montana”. National Park Service. 2010年10月6日閲覧。
  9. ^ S. Spacek, 2011 American State Litter Scorecard:New Rankings for an Increasingly Environmentally Concerned Populous.
  10. ^ a b c d e Western Regional Climate Center "Climate of Montana"”. Desert Research Institute (2010年10月6日). 2012年2月4日閲覧。
  11. ^ a b Climate in Montana”. Animal Range and Sciences, Extension Service, Montana State University (2010年10月6日). 2012年2月4日閲覧。
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  13. ^ Glacier Monitoring Research”. Monitoring and Assessing Glacier Changes and Their Associated Hydrologic and Ecologic Effects in Glacier National Park. U.S. Geological Survey. 2007年6月27日閲覧。
  14. ^ NOAA Climate of 2007 – July in Historical Perspective”. National Climatic Data Center (2007年8月15日). 2012年2月4日閲覧。
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  16. ^ Impacts of climate change from 2000 to 2050 on wildfire activity and carbonaceous aerosol concentrations in the western United States”. Journal of Geophysical Research. 2012年2月4日閲覧。
  17. ^ Resident Population Data. “2010.census.gov”. 2010.census.gov. 2012年1月14日閲覧。
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  19. ^ 2010.census.gov”. 2010.census.gov (2011年3月15日). 2013年10月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年1月14日閲覧。
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  21. ^ “米国の自殺率、過去約20年で25%増加 CDC調査”. CNN. (2018年6月14日). https://www.cnn.co.jp/usa/35120779.html 2018年7月21日閲覧。 
  22. ^ “【図解・社会】自殺者数の推移”. 時事通信. (2018年1月9日). https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_soc_tyosa-jikenjisatsu 2018年7月21日閲覧。 
  23. ^ factfinder2.census.gov”. factfinder2.census.gov (2010年10月5日). 2012年1月14日閲覧。
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  25. ^ Patrick F. Morris, Anaconda, Montana:copper smelting boom town on the western frontier (1997) p 113-24
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  28. ^ State Membership Reports”. thearda.com. 2010年6月15日閲覧。
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  30. ^ 2008 Election Results, CNN”. Cnn.com. 2012年1月14日閲覧。
  31. ^ 2010 United States Census website”. United States Census Bureau, Population Division. 2013年10月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年4月22日閲覧。
  32. ^ Craft Brewing Industry Statistics”. Beertown.org. 2006年5月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年1月14日閲覧。
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  34. ^ Pitt, John (2008). USA by Rail. Bradt Travel Guides. p. 100. ISBN 1841622559. http://books.google.com/?id=zaqJV1s4PMsC 
  35. ^ faa.gov”. faa.gov (2012年1月9日). 2012年1月14日閲覧。
  36. ^ hwymap_side1.pdf (PDF)”. 2012年1月14日閲覧。





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