ムクノキ 名称

ムクノキ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/15 21:02 UTC 版)

名称

和名ムクノキ語源は諸説ある。ムクドリが実を好むのでムクノキになったという説[4]。大木になると樹皮が剥がれてくることから、剥く(ムク)からムクノキになったという説[4]。あるいは、ザラザラする葉を研磨剤に用いたことから、「磨く」を意味する古語「むく」から「むくの木」となったという説がある[5]

「椋」を「むく」と読むのは国訓で、本来この字は、同様に落葉高木ではあるが「ちしゃ」を意味する。ただし、「ちしゃ」の同定にはムラサキ科チシャノキまたはエゴノキ科エゴノキの2説あり(他にキク科レタスもあるが草本なので除外する)、真の椋がどちらかは判然としない[注 2]

「椋」には「くら(蔵・倉)」の意味もある。この意味は、中国古典には見られない(「椋」音でその意味には「𢈴」を使う)が、日本独自の国訓ではなく、古代朝鮮に由来する。

「椋」を含む地名や名字は多い。「むく」と読むものも「くら」と読むものもあり、「椋本」などはどちらでも読む。

「むく」を訓とする字には「樸」もある[8]。ただしこの字は同音の「朴(えのき、国訓 ほおのき)」と通じ[8]、とくに現代中国の簡体字では「樸」の字形も「朴」であり区別をしない。

分布・生育環境

日本中国インドシナに分布する[4]。日本国内では関東以西の本州から四国九州でごく普通に見られ[9]屋久島種子島にも分布する。琉球列島ではまれだが、沖縄島には分布する[9]。ムクノキ属で唯一、日本に生育する。

主に山地から低地の森林内、山野に生育する[9][2]。温暖な沿岸地に多くみられる[5]。植栽もされ[2]、特に人家周辺の神社などによく見かける。

形態・生態

落葉広葉樹の高木で[9]、高さは20 - 30メートル (m) [4]、幹の直径は1 m以上になり、板根が発達する場合もある。樹皮は淡灰褐色で、若木の表面はほぼ平滑だが、樹齢に伴って縦に網目状の割れ目が生じて浅い筋が入り[9]、老木では樹皮が大きく反って剥がれてくる[2]ケヤキのようにまだら状にはならない[2]。一年枝は無毛で皮目が多い[2]。生長が非常に早く、林の空き地などでいち早く大木になる[5]

互生し、長さ4 - 10センチメートル (cm) の卵形又は狭卵形で、葉縁は先端まで鋭い鋸歯があり[9]、葉脚はくさび状、3行脈を持つ。葉の形はケヤキによく似ているが、ケヤキよりも細長く大きめで、先端側の半分が細め、鋸歯が鋭いのが特徴である[5]。葉の質は薄く、表面は細かい剛毛が生え、紙やすりのようにざらついている。秋になると黄色系に紅葉し、赤みがかることはほとんどない[5]

花期は4 - 5月ごろ[2]雌雄同株で、には雄花雌花がある。葉と展葉とともに葉の根元に淡緑色の小さな花を咲かせる[9]。花の後に直径7 - 12ミリメートル (mm) の球形で緑色の果実核果)をつけ、同じニレ科のエノキよりも大きい[4]。果期は10月ごろで、熟すと黒紫色になり、乾燥して食用になり、は非常に甘く美味である[9][4]ムクドリヒヨドリオナガなどの小鳥が好んで果実を食べに集まり[4]、種子の散布にも関与している。

冬芽は、枝先に仮頂芽がつき、側芽が互生して枝に沿ってつき、横に副芽をつけることもある[2]。冬芽は長楕円形で伏毛が生えており全体に白っぽいが、6 - 10枚つく芽鱗の縁には毛がない[2]。冬芽のすぐ下にある葉痕は半円形で、維管束痕は3個ある[2]

比較的、樹洞が形成されやすい[10][要ページ番号]


注釈

  1. ^ APG体系ではアサ科に分類されるが、古いクロンキスト体系新エングラー体系ではニレ科に分類されていた[1]
  2. ^ 辞書類の中には、椋にチシャノキを結びつけるもの[6]もエゴノキを結びつけるもの[7]もある。

出典



「ムクノキ」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ムクノキ」の関連用語

1
椋榎 デジタル大辞泉
100% |||||

2
100% |||||

3
98% |||||


5
98% |||||

6
98% |||||

7
98% |||||

8
92% |||||

9
92% |||||

10
92% |||||

ムクノキのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ムクノキのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのムクノキ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS