ミネラルウォーター ミネラルウォーターの概要

ミネラルウォーター

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/26 17:34 UTC 版)

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ミネラルウォーター

成分

軟水と硬水

水に含まれるカルシウム塩とマグネシウム塩の量の指標(硬度)が一定水準より少ない場合を軟水、多い場合を硬水という。一般的に、日本国内で産出されるミネラルウォーターは軟水のものが多く、欧州で産出されるものには硬水が多い[1]。WHOの基準では、これらの塩類の量を炭酸カルシウムに換算したアメリカ硬度(mg/L)において、0~60のものを軟水、120~180のものを硬水、180以上のものを非常な硬水というように決められている。

一般的には硬水よりも軟水のほうが飲みやすいとされているが、美容目的などで硬水が選ばれることもある[2]。ただし、マグネシウム含有量が高くなると苦みが強く飲みにくくなる[2]

なお、ミネラルウォーターとの名称から、ミネラル無機物)を多く含んだ飲料水であると思われがちだが、ミネラルウォーターに含有する程度のミネラルでは栄養補強には程遠い[3]。ミネラルウォーターには大豆や魚と比較してカリウムやマグネシウム、カルシウムといったミネラル分はほとんど含まれておらず、1日の基準摂取量を満たすには数十リットルから数百リットル飲む必要がある。基本的に水であるため、大量に摂取すれば摂取するほどに尿の量も増え、それに伴ってミネラル分も吸収した傍から排出される。また、水中毒の危険性があるため、推奨されない。ミネラル分は食事から摂取する必要がある。

炭酸含有の有無

欧米では、ミネラルウォーターの原料となる水に元々炭酸が含まれているものがあり、ミネラルウォーターといえば炭酸水を指すことが多い[4]。(代表例:サンペレグリノゲロルシュタイナー)。炭酸水を冷やさずに常温で飲むと独特の味わいになるため、日常的に炭酸水を飲む習慣がない日本人には馴染めないことがある。特に「ガスなし」と断らないと炭酸水が出てくることがあるので注意すること。

「ガスなし」ミネラルウォーターには、炭酸を抜く工程を加えたもの(例:サンペレグリノの無炭酸)や、元々炭酸を含まない水を利用したもの(例:エビアン)などがある。

ミネラルウォーターをスティルウォーター(英: still water)、発泡ミネラルウォーターをスパークリングウォーター(英: sparkling water)という。

ヨーロッパのミネラルウォーター

歴史

ヨーロッパでは2000年以上も前から「奇跡の水」として湧き水を飲む飲泉の習慣があった[5]。また、ヨーロッパには石灰岩地帯が多く、河川や地下水の水を利用する場合でも硬度が高いために上水道はあまり美味しくはなかった[3]。そこで地下水の美味しい地域で採水した水が瓶詰めにした状態で販売されるようになった[3]

17世紀にイギリスマルヴァーン英語版の水を瓶につめて販売したのがミネラルウォーターのはじまりである。19世紀になると瓶詰めにかかるコストが軽減したことで、水道よりも安全な水として(20世紀以前の水道は塩素殺菌をしていなかった)普及した。

区分

欧州連合の基準では、ナチュラルミネラルウォーター、スプリングウォーター、プロセスドウォーターに分類される。

  • ナチュラルミネラルウォーター
    • 公的組織の審査と承認を受けていること[1]
    • 殺菌やミネラル分の調整などあらゆる人為的加工を行っていないこと[1]
    • 人体の健康に有益なミネラル分を一定量保持しており、科学的、医学的、または臨床学的に健康への好適性が証明されていること[1]
    • ミネラルのバランスが良く含有成分や水温などが安定していること[1]。など
  • スプリングウォーター
    • 一か所の水源から直接採水して添加物を加えずにボトリングしたもの[1]
  • プロセスドウォーター
    • 熱処理、ろ過、ミネラルの添加などを加えた加工水[1]

ヨーロッパのナチュラルミネラルウォーターは、水源の環境保全や成分中の生菌の数などの厳格な基準による管理を行うことで無殺菌・無除菌で製造されている[4](輸入品では殺菌方法に「無殺菌」と表示されている)。

代表的な商品




  1. ^ a b c d e f g 杉山美次『ポケット図解 最新水の雑学がよーくわかる本 第2版』秀和システム、2012年、97頁
  2. ^ a b 杉山美次『ポケット図解 最新水の雑学がよーくわかる本 第2版』秀和システム、2012年、98頁
  3. ^ a b c d 杉山美次『ポケット図解 最新水の雑学がよーくわかる本 第2版』秀和システム、2012年、94頁
  4. ^ a b 杉山美次『ポケット図解 最新水の雑学がよーくわかる本 第2版』秀和システム、2012年、96頁
  5. ^ 杉山美次『ポケット図解 最新水の雑学がよーくわかる本 第2版』秀和システム、2012年、95頁
  6. ^ 会社概要株式会社布引礦泉所
  7. ^ 『開国五十年史』開国五十年史発行所、1908年, p398
  8. ^ 2010年に販売権をアサヒ飲料に移譲。2013年に「アサヒおいしい水」のシリーズ商品として発売を続けている。
  9. ^ 水道法第4条に規定する基準に適合するもの。ただしミネラルウォーターにおいては、硬度・pHの適用は除外。
  10. ^ 株式会社日刊経済通信社 調査部「清涼飲料水市場」『DATA500 酒類・食品産業 on GRAPHICS ―21世紀への設計―』日刊経済通信社、東京、2000年。ISBN 4-931500-53-62010年10月13日閲覧。
  11. ^ 日本ミネラルウォーター協会「都道府県別生産数量の推移」(パーセンテージについては小数点以下四捨五入)
  12. ^ 逸見純也「ボルヴィック撤退 輸入天然水、価格・まとめ買い逆風」『日本経済新聞』 日本経済新聞社、2020年7月26日。シェアは、飲料総研の調査による。
  13. ^ 株式会社日刊経済通信社 調査部『酒類食品産業の生産・販売シェア-需給の動向と価格変動- 2009年版』日刊経済通信社、東京、2009年。ISBN 978-4-931500-16-72010年10月13日閲覧。
  14. ^ 「日本の水源林の危機 ~グローバル資本の参入から『森と水の循環』を守るには~」(2009)、「グローバル化する国土資源(土・緑・水)と土地制度の盲点 日本の水源林の危機 II」(2010)、いずれも東京財団
  15. ^ ミルク調乳とミネラルウォーター All About
  16. ^ 「食品衛生法に基づく乳児の飲用に関する暫定的な指標値100Bq/キログラムを超過する濃度の放射性ヨウ素が測定された水道水摂取」に関する、日本小児科学会、日本周産期・新生児医学会、日本未熟児新生児学会の共同見解平成23年3月24日
  17. ^ バナジウム - 「健康食品」の安全性・有効性情報(国立健康・栄養研究所


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