マニフェスト 国際公約

マニフェスト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/08 00:01 UTC 版)

国際公約

国際公約の定義やその履行[39]などについての議論がある 。経済学者の高橋洋一によれば、既に国内で決まった事項を国際会議の場で一方的に宣言することを以って国際公約とする。国際会議では日本のみならず各国が国際公約として一方的に声明を出すが、その後に各国の国内法との整合性をとる必要性からその国際公約が修正された場合[39]でもその意思決定は各国からの批判の対象にはならない。本田悦朗は、主権国家は協定条約のような文書化した国家間の取り決め以外には拘束されない[40]ものであると指摘する。

2009年9月22日、当時の内閣総理大臣鳩山由紀夫は国連気候変動首脳会合での演説にて、二酸化炭素の25%排出削減(1990年比)[41][42]を含む鳩山イニシアチブを日本の国際公約とする声明を出した。2010年の第174回国会では政府提出の地球温暖化対策基本法案が衆議院で可決されたものの、参議院では会期終了により廃案となった[43]。 その後2011年の福島第一原子力発電所事故をうけた脱原発依存への方針転換により達成が困難となったことから、野田佳彦内閣は25%削減の目標を下方修正[44]。 2014年、自民党は第47回衆議院議員選挙の公約で「約束草案をできるだけ早期に提出」とし[45]、2015年7月、削減目標を2030年度に2013年度比で26%削減(2005年度比では25.4%削減、1990年度比では18%削減)とする約束草案を国連気候変動枠組条約事務局に提出した[46][47]


注釈

  1. ^ 一方で経済同友会はマニフェストを明確に「国民との契約」としている次期衆議院総選挙 各党の『政権公約(マニフェスト)』に望む (PDF)
  2. ^ イギリスは13世紀中頃のシモン・ド・モンフォールの改革以来、19世紀まではかならずしも小選挙区制ではなく、むしろイングランドで大勢を占めていたのは2人区、ロンドンでは4人区もあり、1人区は数%に過ぎない状況であった。アイルランド・ウエールズ・スコットランドは1人区が支配的であったが、イギリス全体では2割に満たないものであった[10]。1970年頃にはイギリスではこの小選挙区制度や二大政党制による政策の低迷が自国の停滞(英国病)をもたらしているのだとの議論が盛んであった。イギリスの小選挙区・二大政党制が無条件で理想化されているわけではないことに留意が必要である
  3. ^ 世襲貴族議員については1999年の貴族院法により大幅に減少したが現在も存続し議論の対象とされている。貴族院 (イギリス)も参照。
  4. ^ たとえばバラク・オバマ の2008年の大統領選時の公約「全ての米国民が保険でカバーされることを目指す」など。あるいは「平均年収が25万ドル(約2500万円)を超える世帯への増税と、勤労者世帯および年収7万5000ドル(約740万円)未満の世帯を対象とした減税」といった数値目標など。

出典

  1. ^ 小項目事典,デジタル大辞泉プラス,ASCII.jpデジタル用語辞典, 日本大百科全書(ニッポニカ),知恵蔵,百科事典マイペディア,精選版 日本国語大辞典,デジタル大辞泉,ブリタニカ国際大百科事典. “マニフェストとは” (日本語). コトバンク. 2022年7月18日閲覧。
  2. ^ [1]
  3. ^ [2]
  4. ^ a b 小松浩 2004.
  5. ^ a b 小堀眞裕 2011.
  6. ^ マニフェスト - コトバンク
  7. ^ 菅直人は1997年のイギリス労働党・ブレアのマニフェストを挙げ「マニフェストは・・ただのスローガンではありません。国民とその政党の契約だと・・・位置づけられております。」と説明している。第156回国会 国家基本政策委員会合同審査会 第4号 (平成15年6月11日)”. 国会会議録検索システム. 国立国会図書館 (2003年6月11日). 2020年2月2日閲覧。
  8. ^ 自民党菅原一秀は2009年9月17日の厚生労働大臣長妻昭の厚労省訓示を国会で紹介しており「民主党のマニフェスト(は)・・選挙の前は公約集であるが、今やこれは国民と政府との契約書、国民からの命令書と考えてもよい、・・実行するための知恵を出していただきたい」と述べたとした。国会議事録第174回国会 衆議院 厚生労働委員会 第16号 (平成22年4月9日)”. 国会会議録検索システム. 国立国会図書館 (2010年4月9日). 2020年2月2日閲覧。
  9. ^ 小松浩 2004, p. 134.
  10. ^ 成廣孝「イギリスにおける選挙制度改革」『岡山大学法学会雑誌』第57巻第1号、岡山大学法学会、2007年9月、 234-192頁、 NAID 40015672471
  11. ^ 第二読会は無条件で通過させ、文言など技術的修正のみとする伝統
  12. ^ 田中嘉彦「英国ブレア政権下の貴族院改革 : 第二院の構成と機能」『一橋法学』第8巻第1号、一橋大学大学院法学研究科、2009年3月、 221-302頁、 doi:10.15057/17144ISSN 13470388NAID 110007620135
  13. ^ 田中嘉彦, 国立国会図書館調査及び立法考査局 『二院制』国立国会図書館調査及び立法考査局〈シリーズ憲法の論点、6 . 調査資料 ; 2004-1-f〉、2005年。ISBN 4875826109NCID BA71504959https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007677037-00 
  14. ^ Joint Committee on Conventions (2006) Conventions of the UK Parliament: Report of Session 2005–06: Volume I, House of Lords and House of Commons[3]PDF-p.32
  15. ^ 小堀眞裕「イギリスにおける選挙制度改革国民投票とその後 (特集 いま,選挙制度を問い直す)」『論究ジュリスト』第5号、有斐閣、2013年、 108-115頁、 ISSN 2187-1302NAID 40019642203
  16. ^ 欧州の現行憲法では、命令的委任と解することを明示的に禁止するものがある。第五共和制フランス憲法27条1項は、「命令的委任はすべて無効である」と規定し、ドイツ連邦共和国基本法38条「・・・議員は、国民全体の代表者であって、委任及び指示に拘束されず、かつ自己の良心にのみ従う」と規定している[4]
  17. ^ この項、小松浩 2004から起筆した。
  18. ^ 民主党の政権公約 マニフェスト
  19. ^ 「マニフェスト選挙」を叫ぶインチキ
  20. ^ マニフェスト白書 2007株式会社PHP総合研究所 2007年7月6日 (PDF)
  21. ^ 2012総選挙:各政党マニフェスト(政権公約)のできばえチェック表 (PDF)”. 早稲田大学マニフェスト研究所 (2012年12月4日). 2012年12月4日閲覧。
  22. ^ 第120回国会 衆議院本会議 第8号 (平成3年1月29日)”. 国会会議録検索システム. 国立国会図書館 (1991年1月29日). 2020年2月2日閲覧。
  23. ^ 第156回国会 予算委員会 第3号 議事録(衆議院)
  24. ^ [5]
  25. ^ 「お願い」から「約束」へ 首長選マニフェスト解禁(朝日新聞、2007年02月20日)
  26. ^ 民主「マニフェスト実現は3割」 未達成は断念も検討(朝日新聞、2012年10月30日)
  27. ^ 鳩山元首相:政界引退を表明 党公認条件従えず「第三の人生歩む」(毎日新聞、2012年11月22日)
  28. ^ a b 民主の失政で「マニフェスト」は死語化(産経ニュース、2012年12月1日)
  29. ^ 自民、消費税「当面10%」 衆院選マニフェスト原案日本経済新聞 2012年4月9日
  30. ^ 自民党は「マニフェスト」を使わず「政権公約」産経ニュース 2012年11月1日
  31. ^ おおさか維新の会2016参院選マニフェスト (PDF)”. おおさか維新の会. 2016年6月26日閲覧。
  32. ^ “民主党政策集INDEX2009(PDF1.68MB)” (プレスリリース), 民主党, (2009年7月27日), http://www.dpj.or.jp/news/?num=16667 2010年6月29日閲覧。 
  33. ^ “鳩山代表、政権交代選挙にのぞむ2009民主党マニフェストを発表” (プレスリリース), 民主党, (2009年7月27日), http://www.dpj.or.jp/news/?num=16673 2010年6月29日閲覧。 
  34. ^ 民主党の政権政策マニフェスト2009”. 民主党 (2009年7月27日). 2009年8月22日閲覧。
  35. ^ “首相、子ども手当満額支給を断念”. 読売新聞. (2010年6月12日). http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100612-OYT1T00744.htm 2011年4月20日閲覧。 
  36. ^ “児童手当復活! 自公高笑い”. MSN産経ニュース (産経新聞社). (2012年3月15日). http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120315/stt12031522160006-n1.htm 2012年5月3日閲覧。 
  37. ^ 新年度始まる 年金引き下げ、電気代値上げ日テレNEWS24 2012年4月1日
  38. ^ 「ウソつかない・TPP断固反対・ブレない・日本を耕す自民党!!」【ドットコモディティ】 2013年02月27日ニュースリリースポータル 2013年3月閲覧
  39. ^ a b 政治・社会 【日本の解き方】国際会議は各国が一方的に宣言する場所 増税撤回でも国際公約違反にならないZAKZAK 2013年8月4日
  40. ^ 消費税増税実施はデフレ脱却を第一に1%ずつ5年間で引き上げを――内閣官房参与(静岡県立大学教授)本田悦朗ダイヤモンド・オンライン 2013年8月29日
  41. ^ 鳩山首相、温室ガス25%削減目標を国際公約として明言Reuters 2009年9月22日
  42. ^ 鳩山首相、温室効果ガス「25%削減」世界に宣言asahi.com(朝日新聞社) 2009年9月22日
  43. ^ 温暖化対策主要3施策をめぐる動向と課題参議院環境委員会調査室 安部慶三
  44. ^ CO2、25%削減撤回へ 政府、現実的な目標提示MSN産経ニュース 2012年1月6日(2012年1月6日時点のインターネットアーカイブ
  45. ^ 自民党重点政策2014自民党
  46. ^ 日本の約束草案(2020年以降の新たな温室効果ガス排出削減目標)環境省
  47. ^ COP21の結果と今後の課題経済産業省地球環境対策室長 田尻貴裕 2016年1月20日


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