マクドナルド マクドナルドの概要

マクドナルド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/21 03:27 UTC 版)

マクドナルド
McDonald's
種類
株式会社
市場情報 NYSEMCD
業種 飲食店
事業分野 ファストフード
設立 McDonald's
1940年5月15日
McDonald's Corporation
1955年4月15日
創業者 McDonald's
リチャード・マクドナルド
モーリス・マクドナルド
McDonald's Corporation
レイ・クロック
本社 アメリカ合衆国
イリノイ州シカゴ
拠点数
38,695店舗 (2019)
事業地域
全世界
主要人物
Enrique Hernandez Jr.(会長)
クリス・ケンプチンスキー(社長兼CEO)
売上高 US$21.076 billion (2019)
営業利益
US$9.070 billion (2019)
利益
US$6.025 billion (2019)
総資産 US$32.811 billion (2018)
純資産 −US$6.258 billion (2018)
従業員数
approx. 210,000 (2018 (1.9 million if franchised is included in 2015)[1])
ウェブサイト mcdonalds.com

世界的に展開するファーストフードチェーンであり、各国内でも大都市から田舎まで当たり前に見かける程の店舗数を出店しており、ハンバーガー店の代名詞となっている。日本における店舗および運営会社は日本マクドナルドである。本記事のMcDonald'sの日本語転写は公式にライセンスを取得した日本マクドナルドが定める「マクドナルド」に準ずる。

概要

国別の初出店年度

ハンバーガーを主力商品として、世界規模で展開するファーストフードチェーン店である。

世界の店舗総数は3万5429店(2013年末時点)。店舗数の分類別順位において、ファーストフードを含む外食産業でマクドナルドは、サブウェイに次ぐ、世界第2位[3]チェーンストアではコンビニエンスストア最大手のセブン-イレブンに次ぐ世界第2位[4] である。世界の販売量は年間15億食に及ぶ[5]

とはいえ、アメリカの食堂専門雑誌による2002年調査によると、マクドナルドの順位は「バーガーキング」と「ホワイト・キャッスル」より下で、食品品質に関してはマクドナルドのハンバーガーの品質は第15位だった。品質が悪いという情報は人々に知れ渡り、市場調査会社によればマクドナルドのシェアは5年で3%低下し2000年代の調査で15.2%となった。それに対して健康的であることを重視し実際にそうした食材にこだわりそれを宣伝でも前面に出したサンドイッチチェーンの「サブウェイ」のほうが、全米で第1位のシェアを得た。

アメリカ合衆国本国では「マクドナルドコーポレーション」が運営している。 アメリカでは2000年代後半において、ドライブスルー店舗が売上の65%を占めるほど自動車で購入する者が重要な顧客層となっており[6]、低価格を武器に展開している部分もあるためそれを好む者や低所得者も重要な顧客層となっているが[7]、それ以外にもスターバックスを好むような層で構成された上流市場を狙い、それに見合った内容を提供している[6]

ハンバーガーチェーンだけではなくアロマカフェ (Aroma Cafe)、ボストン市場 (Boston Market)、Chipotle Mexican Grill、ドナトスピザ (Donatos Pizza)、Pret A Manger などのチェーン店も展開している。2001年の年間売り上げは148億7000万米ドル、純利益16億4000万ドルだった。

日本では藤田田率いる日本マクドナルド1990年代から2000年代前半まで価格破壊・低価格路線を主軸に運営していて(お金の無い貧乏学生たちに店内の座席が占拠されるようになり)経営内容が悪化したが、2000年代後半から当社は、方針を転換し、「価格帯の拡大」と「商品バリエーションの拡大」(具体的には、低価格の商品に加えて高価格帯の商品の投入、重視の商品、ボリューム重視の商品、キャンペーン商品なども用意)を行ってメイン顧客層である家族連れ・子供や、その周辺ターゲットを囲うことで顧客層の幅を広げるなど幅広い客層を取り込む戦略に転換し、2000年代後半以降好調を維持している[8]

従業員と幹部社員のスキル向上を目的とするトレーニングを行う部署(施設)「ハンバーガー大学」を擁している。

各国における呼称

本国のアメリカ合衆国での呼び方

当社の発祥地であるアメリカ合衆国では「McDonald's」と表記され、そのアメリカでの発音は国際音声記号(IPA)で表記すると [məkˈdɒnɫ̩dz]となり、その音をカタカナに写すと「メクダーノズ」が近い[9](太文字の「ダー」の部分が強勢つまりアクセントが置かれ強く発音される。"l"は暗いLでカナ表記だと「ォ」または「ゥ」が近い。)。アメリカ英語の母語話者による「McDonald's」の具体的な発音は こちらこちら で聞くことができる。

英語のスラング(俗語)では、まれに「アーチ」を意味する"The Golden Arches"(ザ・ゴールデン・アーチズ)や、"Mickey D's"(ミッキー・ディーズ)と呼ばれることもある。"The Golden Arches"という呼称は、当社の特徴的な看板の、 大きなMの字に見える、黄色い2つのアーチにちなんでいる。

「McDonald's」は英語圏ではよくある店名のパターン、つまり経営者の名前+'s、という構成の名称であり「〇〇さんのお店」というパターンの店名である。つまり「McDonald's」は「マクドナルド兄弟の店」といった意味である。もともとの創業者であったマクドナルド兄弟の名前が残っているのである。「Mc(マク)」は、古ケルト語息子(や子孫)という意味の表現でありMcDonaldは「ドナルドの息子」や(ドナルドの子孫)という意味の人名(家族名)である(ちなみに「McArthur マッカーサー」は『アーサー王の息子(アーサー王の子孫)』という意味の名前である。)

日本における呼称

「マクドナルド ハンバーガー」表記の店舗看板の、日本・東京の店舗

正式名称は、会社名に関しては「日本マクドナルド」であり、ブランド名の正式なカタカナ表記に関しては「マクドナルド」や「マクドナルド ハンバーガー」である。

略称のほうに関しては、日本マクドナルドからは公式な発表はなされていない。「マック」と「マクド」について、「どちらが正しいというものではない」「正解はない」、どちらの呼び方であれ親しみを込めて呼んでもらえることは嬉しい、と同社では説明している[10][11]。日本国内の略称は地域差があり[12]東日本九州などでは「マック」と呼ばれる傾向があり、近畿地方(と周辺)では「マクド」と呼ばれる傾向がある、という[10][13][14]。GMOメディアの「ウィふり調査団」の調査によると、「マック派」は南東北中国地方四国九州にも広がっているのに対して[10]、「マクド派」は近畿(付近)に限定されているらしい[10]。つまり日本全体を見渡して総合すると「マック派」が優勢のようらしい[10]

また、当社で販売されている商品の名称に「ビッグマック」「マックシェイク」などがあることを理由に(また販売商品に「マクド○○」などという商品はないことを理由に)「マック」の方を肯定する人もいる[15]

フランス語では、発音が日本と同様になることに加えて、「マック」は「売春の仲買人」や「ポン引き」を意味する隠語になるため避けられることから、近畿圏同様「マクド」と略される[15]

中国語では漢字で「麦当劳」(簡体字)、「麥當勞」(繁体字)と表記し、「マイタンラオ」(拼音:Màidāngláo)と発音する。

ギャラリー

歴史

開業

初期のマクドナルドのキャラクターのスピーディー(Speedee)
初期のマクドナルドの店舗

最初のマクドナルドはアメリカ合衆国カリフォルニア州サンバーナーディノマクドナルド兄弟1940年に始めたものである。「スピード・サービス・システム」のキャッチフレーズと、工場式のハンバーガー製造方法、そしてセルフサービスの仕組みにより、第二次世界大戦後の1948年以降、特に有名になった。

レイ・クロック

1954年に、ミルクシェイクミキサーセールスマン行商人。自分の車に商品のミキサーを積んでアメリカ各地を走り回って、飲食店見つけては商品のミキサーを売りつける仕事をしていた男)、ボヘミアユダヤ系レイ・クロック (Ray Kroc)[16][17] が、(行商の途中)たまたまマクドナルド兄弟の店にもやって来て、兄弟が店を繁盛させているのを見て、マクドナルドの仕組みについて興味を持った。特に興味を持ったのは客席回転率が大変高く、相当数の人数の客を次々とさばけることだった[18]。すっかり感心したクロックは、ミキサーのメンテナンスで食堂にやってきたとき、システムフランチャイズ形式にして、システムそのものを売る商売を始めてはどうかと勧めた。

兄弟は「自分たちのためにこの店をやっているだけで、フランチャイズをするつもりはない」と消極的だったが、クロックが交渉を粘った末に「兄弟はこの店以外干渉しない」「クロックはこの店には干渉しない」「マクドナルドという名とシステムは、クロックが事業に使う」で合意、兄弟が要求した契約金もかなり高かったものの、クロックの側はたくみに契約を交わした(クロックにとっては、大きな野望を実現するための第一歩を踏み出すことができた。だが、マクドナルド兄弟側にとっては、これは悲劇の始まりであり、自分たちの強みのひとつである「McDonald's」という(アメリカ人が強い親しみを感じるMc(マック)で始めるアイルランド系の名前を冠した)ブランドを、赤の他人が使える状況を生んでしまい、最終的にはマクドナルド兄弟の店(つまり大本になっていた本店中の本店)の周辺にまでクロック側の店舗が進出、侵略してきて、売上をうばわれ、結局、兄弟は自分たちの店をクロックのせいで失ってしまうという、悲しい結末になる道が始まったのだった)。

クロックはマクドナルドを売り込むために熱心に働き、近々できるディズニーランドの中にマクドナルドの食堂を入れるよう、ウォルト・ディズニーにも直接会って積極的に売り込んだ。この試みは失敗したが、クロックは、イリノイ州デスプレーンズに最初のフランチャイズ店を出店し、即大成功となる。1955年3月2日、新しい会社"McDonald's Systems Inc."(マクドナルドシステム会社)を作り、同年4月15日にクロックが直営店1号店をシカゴにオープンさせた[19]。1960年には、社名をマクドナルドコーポレーション ("McDonald's Corporation") に変更した。

ロナルド・マクドナルド

クロックのマーケティング戦略のうちの一つは、家族向けの店舗にすること。特に子供を商売の対象とすることだった。1960年代初め、首都ワシントンでマクドナルドのフランチャイズ権をとって営業していたオスカー・ゴールドスティン (Oscar Goldstein) が、ウィラード・スコット (Willard Scott) というクラウン(道化師)が所属するBozo's Circus(荒くれ男のサーカス)という名の出し物のスポンサーについた。この出し物が中止されると、ゴールドスティンはマクドナルドのマスコットキャラクターとしてウィラード・スコットを雇い、そのキャラクターはマクドナルドにちなんで「ロナルド・マクドナルド (Ronald McDonald)」と命名され、ウィラード・スコットはロナルド役で1963年から約2年間コマーシャルに出演した[20]

ロナルドは求められていた役に比べて少々太り気味だったが、このキャラクターが広告に出ることにより、マクドナルドのチェーン店は米国全土に広がった。続いてロナルド以外のキャラクターも開発されていった。

日本では販売戦略上の理由、および日本語話者には発音しづらい事から藤田田によって「ドナルド・マクドナルド」と訳されており、当初より子供向けCMに出演している。

クロックによる経営権買収とマクドナルド兄弟の苦境

クロックと兄弟との契約は、兄弟が生産工程について責任を負い、会社の株式による利益を受け取る。そのかわりにクロックが販売拡張の全責任を負うことになっていた。だが1961年までにクロックは拡張に失敗する。兄弟は、兄の引退も理由となって、1961年に270万ドルでマクドナルドの全権利をクロックに売り渡すことで合意した。クロックにとっては高額だが、長い眼で見ればメリットがあると判断、プリンストン大学などを含む多くの投資者からかき集めて兄弟の持つ株式を270万ドルで買い取った。

この契約では兄弟は「マクドナルド」の名称の使用は認められなかったために、やむなく自分たちの店を "The Big M"(ザ・ビッグM)という名称に変えて営業を続けた。しかし、クロックはわざわざ兄弟の店のすぐ北側にマクドナルドの大型店舗を出店し、マクドナルド兄弟の店舗の売上を意図的に奪い、その結果 マクドナルド兄弟の経営する"The Big M"は倒産してしまい閉店し、現存しない。

1984年1月にクロックは死去した。(本当の創業者はマクドナルド兄弟なのに)その1年間、マクドナルドは「"創業者" 追悼キャンペーン」と銘打ったセールを行った。これを知ったマクドナルド兄弟の弟リチャードは激怒したとされる。

経営権委譲に伴う合意事項には、譲渡後もチェーンの売り上げの1%を将来的に支払うという「紳士協定」があったが、契約書には組み込まれていなかったことをいいことに、クロックの手に渡ったマクドナルド側はその紳士協定を守らなかった。もし守られていたら、兄弟は年に3億6000万ドルを手にすることになっていたはずだった[21]

拡張

以後マクドナルドコーポレーションは、世界の至るところに店を開いた。1990年1月31日にソビエト連邦モスクワで、共産圏として初めてのマクドナルドが開店した[22]

マクドナルドのビッグマックの価格は、ビッグマック指数と呼ばれ、通貨間の購買力平均価格の比較手段として使われた。この指標の考案者はイギリスの経済雑誌『エコノミスト』誌 (The Economist) である。マクドナルドの標準化は、同時に生活様式や経済活動のグローバリゼーションを意味した。

トーマス・フリードマンは自著の『レクサスオリーブの木』の中で、“黄金のM型アーチ理論”として「マクドナルドのある国同士は戦争を行わないだろう」と予言したが、1999年にアメリカ合衆国のセルビア爆撃によって破られている。

競争激化

アメリカをはじめとする先進国においては、より高価で高品質なハンバーガーや、より多面的サービスを提供している他のファストフードレストランチェーンとの競争が激しくなっている。

アメリカの食堂専門雑誌による2002年調査によると、マクドナルドの順位は「バーガーキング」と「ホワイト・キャッスル」より下で、ハンバーガーの食品品質は第15位だった。市場調査会社によればマクドナルドのシェアはここ5年で3%低下し、現在、15.2%である。健康的なイメージで売るサンドイッチチェーンの「サブウェイ」が全米で第1位のシェアを持っている。

撤退と一時閉鎖

アイスランド

2009年10月26日にマクドナルドとして初めてアイスランド国内全3店舗の閉鎖を発表することを明らかにした[23]。撤退理由は折からの金融危機によって、自国生産が難しく輸入していた生鮮野菜などの輸入食材が、アイスランド・クローナが金融危機で失墜して輸入関税が引き上げられて高騰し、採算が取れなくなったためとしている。撤退までの過去1年半の間はコストは通常の2倍にまで膨らんでいたこともあり、採算を取れるまでに同国の経済状況が回復することは難しいと判断し、同国で事業を展開する複雑さから撤退を決めたとしている。

撤退発表以降営業最終日になった10月31日まで大勢の客が詰めかけ、商品の受け取りに20分待ち、ドライブスルー利用のために交通渋滞が発生し、マクドナルドも臨時従業員の増員で対応するなどの大盛況になった[24]

ロシア

2022年3月8日に、マクドナルドは前月に発生したロシアによるウクライナ侵攻を受けて、ロシア国内の全847店舗を一時閉鎖することを発表した。同国内のマクドナルドでは約62,000人が勤務しているが、一時閉鎖期間中も給料の支払いは継続するとした[25][26]。一時閉鎖前日の3月13日は、ロシアで1号店として開店したモスクワの店舗でマクドナルドの商品を食べ納めしようとする市民などで混雑し[27]、チーズバーガーやビッグマックなどの人気商品が高額転売された[28][29]

2022年5月にマクドナルドは、ロシアから完全撤退して店舗と従業員を他社に売却することを発表した。マクドナルドの商標やロゴなどは引き続き保有する[30][31]

2022年6月、マクドナルドから店舗などを買収した後継企業は新チェーン店名を「フクースナ・イ・トーチカ[32]とすることを発表した。まずは15店舗をロシアの建国記念日である同月12日にオープンした[33]

ロゴマーク

標語

マクドナルドが2003年から全世界で開始した広告で「i'm lovin' it」(私のお気に入り)を統一標語としている。


注釈

  1. ^ 方言は使わない。
  2. ^ 実際にイベントのドナルドマクドナルドショーで泣く子供もいた。

出典

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  7. ^ NEXT LEADER【マネジメント基礎講座】ビジネスリーダー必須のマネジメントスキル Page 3
  8. ^ 【『おもしろい会社』が生き残る vol.2】マクドナルドの過去最高益更新に学ぶ - ハルデザインコンサルティング
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  17. ^ 『成功はゴミ箱の中に レイ・クロック自伝-世界一、億万長者を生んだ男 マクドナルド創業者』(レイ・クロック/ロバート・アンダーソン[要曖昧さ回避]共著、野崎稚恵/野地秩嘉翻訳、プレジデント社2007年
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  21. ^ マック、謎のベールに包まれた誕生と繁栄の秘密…実質的創業者を破綻させた「強欲経営」 | ビジネスジャーナル
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