マインドコントロール 裁判事例

マインドコントロール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/23 03:45 UTC 版)

裁判事例

統一教会に対する「青春を返せ訴訟」

青春を返せ訴訟」とは、札幌で1987年に統一教会を相手取り提訴された事件を皮切りに、全国で8件起こされた人格権、財産権侵害への損害賠償請求訴訟の総称であり、違法伝道訴訟である[8]。統一教会の布教行為は、脅迫や暴力といった信仰を強制する外形的暴力を伴うものでなく、見かけ上そうした不法行為に該当するものではなかったため、入信の原因が自己選択かマインドコントロールかという議論が持ち出された[8]

教団側は、マインドコントロールというものの存在を否定し、入信は自由意思によるものであると主張してきた[要出典]。訴訟の当初、裁判所は「原告らの主張するいわゆるマインドコントロールは、それ自体多義的であるほか、一定の行為の積み重ねにより一定の思想を植え付けることをいうと捉えたとしても、原告らが主張するような強い効果があるとは認められない」(1998年3月26日 名古屋地裁)などとして元信者側の主張を退けてきたが、1997年4月19日の奈良地裁の「『統一教会』の献金勧誘システムは、不公正な方法を用い、教化の過程を経てその批判力を衰退させて献金させるものと言わざるを得ず、違法と評価するのが相当である」とした判決や、2001年最高裁において「統一教会」の上告が棄却され、元信者側の勝訴として確定した広島高裁岡山支部判決では、不法行為が成立するかどうかの認定判断にマインドコントロールという概念は使えないとされた[要出典]。判決では「教義の実践の名のもとに他人の法益を侵害するものであって、違法なものというべく、故意による一体的な一連の不法行為と評価される」と記された[18]

オウム真理教による一連の裁判

裁判所は、オウム真理教による「マインドコントロール」が信者らに対してあったという事実認定は行わず、「マインドコントロール」行為を直接不法行為と認定していない[8]2000年6月6日、「地下鉄サリン事件」など10事件で起訴されたオウム真理教の井上嘉浩被告に対して、東京地裁は、検察の死刑求刑に対し無期懲役との判決を下した[要出典]。井上弘通裁判長は「死刑を選択することは当然に許されるべきで、むしろそれを選択すべきであるとすらいえる」としながらも、西田公昭の「修行を通してマインドコントロールを受け、松本被告の命令に反することができなかった」との鑑定結果を受け、「有利な情状の一つとして評価できる」として極刑選択を避けた[要出典]。但し、控訴審では死刑判決を受け、2009年12月10日上告棄却2010年1月12日に上告審判決に対する訂正申し立てが棄却され[19]、死刑が確定した[要出典]


  1. ^ 西田公昭 科学研究費助成事業 研究成果報告書「マインド・コントロール防衛スキルの構造とその心理特性の測定法の開発」 科研費による研究 平成27年6月19日
  2. ^ a b c 『実用日本語表現辞典』
  3. ^ a b c d 山根寛 2001.
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y 大田俊寛 (2018年9月28日). “社会心理学の「精神操作」幻想 ~グループ・ダイナミックスからマインド・コントロールへ~”. 科研基盤研究A「身心変容技法の比較宗教学-心と体とモノをつなぐワザの総合的研究」(2011年度-2014年度)身心変容技法研究会. 2020年5月18日閲覧。
  5. ^ 三省堂『大辞林』
  6. ^ 西田公昭 講演『マインドコントロールとは何か』 1995年、カルト被害を考える会
  7. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 櫻井義秀 1996.
  8. ^ a b c d e f g h i j k 櫻井義秀 2003.
  9. ^ a b 西田公昭 「マインド・コントロールとは?」 第5回「若者の消費者被害の心理的要因からの分析に係る検討会」平成30年5月25日開催、消費者庁
  10. ^ ロバート・ジェイ・リフトン思想改造と全体主義の心理学英語版』、1981年ISBN 9780807842539ISBN 9780393002218ISBN 9781614276753
  11. ^ a b c d e f g h i j 櫻井義秀 1997, p. 115.
  12. ^ 紀藤正樹(著)『21世紀の宗教法人法』(朝日新聞社 1995年11月 ISBN 978-4-02-273068-8
  13. ^ 宗教社会学の会(編) 『新世紀の宗教―「聖なるもの」の現代的諸相』(創元社 2002年11月)ISBN 978-4-422-14022-3
  14. ^ a b スティーヴン・ハッサン浅見定雄 (訳) 『マインド・コントロールの恐怖』(恒友出版 1993年6月) ISBN 978-4-7652-3071-1
  15. ^ 西田公昭・黒田文月 2003.
  16. ^ 櫻井義秀 2012, p. 8.
  17. ^ 櫻井義秀 1997, p. 117.
  18. ^ 青春を返せ訴訟判決文
  19. ^ “オウム事件、井上被告の死刑確定 9人目”. 47NEWS. 共同通信 (全国新聞ネット). (2010年1月13日). オリジナルの2013年5月14日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130514222921/http://www.47news.jp/CN/201001/CN2010011301000753.html 2010年1月14日閲覧。 
  20. ^ 小林惠智『マインド・コントロールのすすめ―そのメカニズムと積極的活用法』(1995年11月)ISBN 978-4-7698-0737-7
  21. ^ マデリン・ランドー トバイアス (著), ジャンジャ ラリック (著), Madeleine Landau Tobias (原著), Janja Lalich (原著), 南 暁子 (訳), 上牧 弥生 (訳) 『自由への脱出―カルトのすべてとマインドコントロールからの解放と回復』(中央アート出版社 1998年9月) ISBN 978-4-88639-870-3
  22. ^ 榛 2010, pp. 20–21.
  23. ^ 『統一教会の検証』
  24. ^ 『週刊金曜日』1994年5月13日号 p20~25
  25. ^ 『週刊金曜日』1994年5月20日号 p36~40
  26. ^ 『「マインド・コントロール理論」その虚構の正体ー知られざる宗教破壊運動の構図』
  27. ^ 赤旗社会部pp.30-35「ライフトレーニング」
  28. ^ a b c d e f g 赤旗社会部pp.25-30「合宿セミナー」
  29. ^ a b 赤旗社会部pp.78-86「献身生活」
  30. ^ a b c d コーワン・ブロムリー 2010, pp. 123–125.
  31. ^ コーワン・ブロムリー 2010, pp. 116–119.
  32. ^ a b c d e f g h i コーワン・ブロムリー 2010, pp. 120–125.
  33. ^ a b c 櫻井 2005.
  34. ^ a b c d e f 米本 2010, pp. 62–69.





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