ポルシェ・356 356B型(1959年 - 1963年)

ポルシェ・356

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/28 21:10 UTC 版)

356B型(1959年 - 1963年)

ポルシェ・356B
概要
販売期間 1959年-1963年
パワートレイン
エンジン
  • 1.6 L Type 616/1 B4 (1600)
  • 1.6 L Type 616/2 B4 (1600 S, 1960–1962)
  • 1.6 L Type 616/7 B4 (1600 Super 90)
  • 1.6 L Type 616/12 B4 (1600 S, 1962–1963)
  • 1.6 L Type 692/3 B4 (1600 Carrera GS GT, 1960)
  • 1.6 L Type 692/3A B4 (1600 Carrera GS GT, 1961)
  • 2.0 L Type 587/1 B4 (Carrera 2 GS)
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1963年モデル
1963年クーペ モデルのリア部

1959年フランクフルトショーで[12]「356B」(社内呼称T5)が発表された。バリエーションはクーペとカブリオレ、ロードスターの3種。

ボディは微妙に各部分が変更され356Aと外装部品の互換性はない。前部ウインカー一体グリルは別になり、2連フィンに変更。側面下部のサイドモールが少し細くなった。バンパーが大型化されフロントにダクトが付いた。ライト位置とフロントフェンダー位置もあがり、前部の窓の角度も高くなり、三角窓が標準装備され前後の窓面積も広がった。カブリオレはリア窓上にファスナーを装備し開閉可能とした。ボンネット下部はさげられフード上のエンブレム付きメッキハンドルは幅広く厚く変更された。後部ナンバープレートランプはバンパーに取り付けられた。後部エンジンフードは大きくなりグリルも2個追加された。

ステアリングはVDM製の黒い3本スポークになり、シフトレバーも太く短くなった。リアシートが左右独立で可倒するように変更。ラジアルタイヤがオプション装備可能となった(スーパー90は標準装備)。オプションで12V仕様に変更可能となっている。サスペンションは補正スプリングが注文装備(スーパー90は標準装備)。

しばらく途絶えていた正規輸入が再開された[13]。開始とする資料もある[10]

「356B」は31192台製造販売された[14]

1959年モデル(356B型)

  • ポルシェ356B/1600
  • ポルシェ356B/1600スーパー
  • ポルシェ356B/1600スーパー90 - 356Bから追加された。フェラルシリンダーを採用し、圧縮比9.0で90hp/5,500rpm[12]または90PS/5,500rpm[10]、12.3kgm/4,300rpm[12]の616/7型エンジン[10][12]

1960年モデル

  • ポルシェ356B/1600
  • ポルシェ356B/1600スーパー
  • ポルシェ356B/1600スーパー90
  • ポルシェ356B/1600スーパー90GT - バケットシート。後席はない。トランクリッド、エンジンリッド、ドアパネルなどがアルミ製になるなど軽量化されている。エンジンやエンブレムは一般のポルシェ356B/1600スーパー90と共通。
  • ポルシェ356B/1600GSカレラGTLアバルト - 20台のみ生産された。アバルトポルシェ356B/1600GSカレラGTのシャーシにザガート製アルミニウムボディーを載せたもの。

1961年モデル

バリエーションとしてカルマン製カブリオレにハードトップを固定したカルマン・ハードトップが少数生産された。

  • ポルシェ356B/1600
  • ポルシェ356B/1600スーパー
  • ポルシェ356B/1600スーパー90
  • ポルシェ356B/2000GS -この年追加された。「カレラ2」と俗称される。RS61やポルシェ・904に使用されていた587/3型をデチューンし内径φ92mm×行程74mmで1,966cc、4カムDOHCで130PS/6,200rpm、16.5kgm/4,600rpmの587/1型エンジン。前後輪ともポルシェ・804からディスクブレーキを流用した[14]
  • ポルシェ356B/1600GSカレラGTLアバルト

1962年モデル

社内呼称はT6シリーズとなった[13]。ボンネット先端が角張った形状から丸みを帯びた形に変更され幅も広がった。燃料給油口が右フェンダーに移動し、給油の際にボンネットを開けずに済むようになった(左ハンドル車のみ)。ボンネットトランク内を覆うABS樹脂製カバーが付き、ヒューズボックスも室内から移動された。室内ドアトリムは従来鉄板むきだしだったが、内装と同じ生地(トリム)が付き、ルームミラーには防眩切り替え機能が付き、時計が標準装備となった。インパネ中央に外気切り替えレバーが付き注文装備のフレッシュエアーブロア装着車はブロア調節も兼用した。盗難防止としてシフトレバーがRかNの位置から動かせないよう施錠できるシフトロックが装備された。ワイパーが間欠機能付きとなり、電動ウォッシャーがオプション設定された。ウォッシャーのタンクはプラスチック製バッグからプラスチック製ボトルへ変更され、耐久性が上がった。

  • ポルシェ356B/1600
  • ポルシェ356B/1600スーパー
  • ポルシェ356B/1600スーパー90
  • ポルシェ356B/2000GS

1963年モデル

  • ポルシェ356B/1600
  • ポルシェ356B/1600スーパー
  • ポルシェ356B/1600スーパー90
  • ポルシェ356B/2000GS
  • ポルシェ356B/2000GSカレラGT - ポルシェ356B/1600GSカレラGTLアバルトのボディーをポルシェ独自のデザインに変更、ポルシェ356B/2000GSのエンジンを搭載したもの。

注釈

  1. ^ Dはボディーメーカーがドラウツであることを示す。

出典

  1. ^ a b 『世界の自動車-5 ポルシェ』pp.7-22「ポルシェ前史 最初の電気車からVWまで」。
  2. ^ 『われらがポルシェ ポルシェなんでも事典』p.67。
  3. ^ a b c d 『ワールド・カー・ガイド1ポルシェ』p.35。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 『ポルシェ博物館/松田コレクション資料』p.100。
  5. ^ a b 『ワールド・カー・ガイド1ポルシェ』p.43。
  6. ^ a b c d 『ワールド・カー・ガイド1ポルシェ』p.45。
  7. ^ a b 『ワールド・カー・ガイド1ポルシェ』p.49。
  8. ^ a b c d 『ワールド・カー・ガイド1ポルシェ』p.52。
  9. ^ 『ワールドカーガイド1ポルシェ』p.50。
  10. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 『ポルシェ博物館/松田コレクション資料』p.101。
  11. ^ a b c d 『ワールド・カー・ガイド1ポルシェ』p.144。
  12. ^ a b c d e f g h i j k l 『ワールド・カー・ガイド1ポルシェ』p.53。
  13. ^ a b 『ワールド・カー・ガイド1ポルシェ』p.55。
  14. ^ a b c d e f g h 『ポルシェ博物館/松田コレクション資料』p.102。
  15. ^ 『ワールドカーガイド1ポルシェ』p.56。






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