ポイントプログラム ポイントプログラムの概要

ポイントプログラム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/28 16:28 UTC 版)

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カードを使うとポイントが貯まる

概要

通常は「ポイントカード」と呼ばれる、ポイントを記録する専用カード、もしくは会員証(あるいは会員情報)にポイントを記録し、蓄積する。蓄積されたポイントは、(多くの場合)次回以降の商品・役務の購入時などに利用したり、一定数量のポイントを商品券に引き換える。小売業やサービス業(専門店系チェーンストアや、ホテルクレジットカードなど)で多く行われている。昨今は、レジ袋が不要の客にポイントを与える事もある。

典型例としては「支払額の1%のポイントを付与し、次回以降の支払で1ポイントを1円として利用可能」というようなサービスが挙げられる。この例の場合、1万円の商品・役務を購入すると100ポイントが付与され、次回以降の来店時に商品代金支払い額から100円を差し引くことができる。

マーケティング用語の1つであるが、「ポイントサービス」の語自身は日本でしか通じない和製英語であり、英語ではLoyalty programと称する。

ポイントカードを個人に配布した場合、顧客の購買状況などがPOSを通して把握できることから、ポイントカードは小売店側の利益にも繋がる。顧客の購買状況は小売店の商品発注や卸業者の商品開発・企画にも重要な情報源となるため、小売店が卸業者に対して情報を売ることができる。

航空会社が提供するマイレージサービスは、航空会社間の競争の中で顧客の囲い込みの手段として発展してきた。

一方で、家電量販店などにおける、販売価格の1割以上を超すようなポイント還元サービスは、実際の所はポイント還元分を本来販売すべき価格に上乗せしているに過ぎず、販売促進の枠を超えて、顧客が自ら費用を負担して囲い込みされているに過ぎないという指摘もある。一部の量販店では、ポイント還元分をポイントサービスに充当するか、または還元分を値引きして販売するか(その場でキャッシュバックということになる)、客に選択させる場合もあり、ケーズデンキのようにポイント制を導入せず「その場でズバッと現金値引き」をモットーにしている家電量販店もある。

ポイントでの支払いに対してポイントが還元されないという一般的なケースでの商品価格は (支払額)×(支払額)/((支払額)+(還元ポイント)) で得られるが、顧客は必ずしも割引率を合理的に計算して判断しているとは限らない。ポイントをためられることが顧客の心理に与える効果も無視できないという見方もある[1]

歴史

商品を近所の店舗の店頭で直接購入することが主流であった頃には、常連の客には割引やおまけといったサービスが行われていた。あるいは、割引券を与えることもあった。それを定量化、システム化した形態と考えられる。

一方で、商店街活性化、客の呼び込みの一環として、商店街共通のスタンプカードに店舗で買い物をする度に支払額に応じたスタンプを押したり、切手タイプのスタンプ券を発行することも行われた。これも、現在では商店街共通のポイントカードに置き換えられている。

また、頻繁に利用する顧客、いわゆるお得意様の囲い込みを図るロックイン効果を狙った戦略の一つとしてロイヤルティ・プログラム、フリクェント・ショッパーズ・プログラム(FSP) または フリクェント・フライヤー・プログラム (FFP) の手段としても発達した(フリクェント=よく利用する)。

米国における歴史

ポイント制度の発祥地はアメリカ合衆国といわれている[2]。1850年頃に誤って洗濯石鹸を大量に仕入れた小売業者が包装紙にクーポン券を付け、それを集めると絵画と交換できるサービスを提供したことが始まりとされている[2]。このようなサービスは小売業者に広まり、1896年にはスタンプ・サービスそのものを商品化して複数の小売業者に販売しシステム化するスタンプ専業会社も現れた(トレーディング・スタンプ)[2]

20世紀になり、ポイント制は1910年代初めにはガソリンスタンド、1920年代にはスーパーマーケットで導入されるようになった[2]。普及は1960年代まで続いたが、1970年代になり深刻なインフレに突入し下火となった[2]。さらに技術革新が進んだことでクレジットカード会社が報酬プログラム(Rewards Program)などを新たに発行するようになったため従来のトレーディング・スタンプは取って代わられることになった[2]

日本における歴史

日本で初めてのポイントの発行は1916年北九州市の久我呉服店が始めたという説があるが詳細はよくわかっていない[2]1928年には江崎グリコがお菓子のパッケージ内の引換証20枚と景品を引き換えるキャンペーンを始めている[2]

しかし、日本ではスーパーマーケットの登場が1950年代末であったため、米国式のトレーディング・スタンプの導入も同時期以降のことであり、1958年にグリーンスタンプ、1962年にブルーチップが登場した[2]

1984年にはワシントンホテルが日本初のカード式ポイントカードを導入[2]。1985年にはヨドバシカメラが値引き交渉を減らす目的でポイントカードを発行し、以後、ポイントサービスは一気に普及した[2]

日本における年表
  • 1958年 - 共通スタンプサービスグリーンスタンプ創業。
  • 1962年 - 共通スタンプサービスブルーチップ創業。
  • 1979年 - 全国レコード商組合連合会が加盟店のサービス券(貯めた枚数に応じて割引を実施)発行を止めさせていることが独占禁止法違反に問われ、この一件を契機に音楽ソフトのポイントサービスは事実上、解禁される。
  • 1980年代 - この頃にはクレジットカードの利用金額によるポイントサービス(点数に応じて希望があれば商品券などを提供する)が既に行われていた。
  • 1985年 - ヨドバシカメラがポイントカードを発行[2]
  • 1988年4月 - ピア(福井県ショッピングセンター)がポイントカードを発行。
  • 1995年頃から、アメリカ系航空会社がマイレージサービスを日本でも始める。
  • 1997年頃から、日本の航空会社がマイレージサービスを始める。アメリカに遅れを取ったのは景品表示法の規制があったためといわれる。
  • 2000年頃から、航空会社グループ(アライアンス)の結成が行われ、グループ内で獲得点数の相互加算や利用が行われるようになる。
  • 2004年頃から、書店でつくる日本書店商業組合連合会などがヤマダ電機を始めとする家電量販店が書籍や雑誌をポイントカードの対象とする行為は再販売価格維持契約に違反していると主張し、ポイントの引き下げなどを求めていた。ところが、公正取引委員会が独占禁止法違反に該当するとの見解を示したことから日書連は一転して2005年2月にポイントカード受け入れを表明した。
    • 以後、TSUTAYAを始めとするレンタルビデオ店や電鉄系の書店を中心に新規のポイントカード発行やデパート・ショッピングモールのポイントカード加入が一気に広まっている。
    • 但し、出版流通対策協議会は日本書店商業組合連合会が受け入れを表明して以降も「ポイントカード絶対反対」の姿勢を崩さず、加盟する出版社に自社の出版物をポイントサービスの対象外とすることを契約に明記するよう奨励している。
  • 2008年 - インターネットポイント・マーケティング業界の啓発活動と健全なる発展を促進するために、日本インターネットポイント協議会設立。

  1. ^ ITpro (2009年5月7日). “なぜ「20%ポイント還元」がなくならないのか?――行動経済学を知る”. 2009年5月7日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l 小本 恵照「進化するポイントカードとその将来性」 ニッセイ基礎研REPORT 2007.2、2020年6月10日閲覧。
  3. ^ ITpro (2008年3月26日). “Suicaを地域ポイントカードとして活用、都内の駅前商店街で導入広がる”. 2008年7月20日閲覧。
  4. ^ とくに大学などの教育機関で見られる。年度予算執行の関係上、4月の出張旅費の費用精算が7月までずれ込むケースも見られる。
  5. ^ 例:携帯電話会社は独立項目としているが、航空会社はしていない。
  6. ^ 高木浩光@自宅の日記 - 「Tポイントカード3人に1人が持つ」は本当か、街角で聞いてみた
  7. ^ プライバシーフリークの会(山本一郎、高木浩光、鈴木正朝) - 第1回プライバシーフリークカフェ 「個人を特定する情報が個人情報である」と信じているすべての方へ「この共通ポイントカードというものがそういった一般ポイントカードとどこが違うかというと、共通ポイントカードというのは、A社、B社、C社、D社・・・と始めは10社くらいから始まったものが、やがて400社になって、そして1万社になって、それぞれの事業者がそれぞれ専門のいろいろな商品を売っているわけですが、それらの履歴が横に全て横断的につながってしまうということになるわけです。その消費者のライフスタイルがわかってしまう。分野横断によってプライバシー侵害が起きてくる面がある。しかし、それは約款に示されている、ただでポイントがつくわけがないだろうと、消費者に対して「ITリテラシーがない」「情弱が悪い」というような感じで責めるところもあるのだろうけど、それでよいのか?ということです。そのようなビジネスモデルや情報システムの仕組みを誰もが理解できるのだろうかと。それをして「非対称性」とよく言いますが、日々拡大の一途です。消費者の同意があるといってもその前提が崩れてきています。それに日本は高齢者社会ですからね。これをそのまま放置してよいのか?ということが問題意識としてあります。」
  8. ^ 小社会 財布をのぞくと、さまざまなカードが入っている。…
  9. ^ これでポイントはもう逃さない!大量のポイントカード管理術
  10. ^ 【LINE】“LINEのおサイフ”「LINEウォレット」にお得で便利な新機能「マイカード」、「LINEクーポン」を本日より追加


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