ボーイズラブ メディア展開

ボーイズラブ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/10 03:03 UTC 版)

ボーイズラブ和製英語:boys' love)略してBL(ビーエル)は、男性同性愛ゲイ)を題材とした小説漫画などのジャンルを指す用語である。


注釈

  1. ^ 荒木は元々同人サークルを主宰しており[2]、全くの一般人から会社を興して半年で今でいうBLアンソロジーを出版している。
  2. ^ 1988年に青磁ビブロスとして創業、1997年にビブロスとなった。
  3. ^ 「ジューン」と読まない。
  4. ^ 現在はBL文庫の老舗として有名だが、当初はBLに特化していたわけではないようである[1]
  5. ^ BLではないが、茅田砂胡の人気ファンタジー『デルフィニア戦記』も、発表された最初は『キャプテン翼』の二次創作としてであった[29]
  6. ^ のだめカンタービレ』の主人公のだめの、ピアノの天才でゴミ女、という設定など。
  7. ^ よしながふみは、少女漫画でも一見男性と対等の女性が描かれることが増えたが、その場合仕事ができるだけでなく容姿もよくおしゃれといった「女力」の高いキャラであると指摘している。少女漫画には「女の子はやっぱりおしゃれで恋をしなくてはいけません」という暗黙のメッセージがあふれており、それをシャワーのように浴び続けるのは大きなストレスであるし、受け入れられない女性もいると述べている。そしてBLの世界に大きな描き手の鉱脈があるのは、「おしゃれ」なものから解放され、もっと別のものが描きたい女性作家が少なくないためではないかと述べている。
  8. ^ よしながふみは冗談めかして「一穴一棒主義」と呼んでおり、こだか和麻は、これは<受>キャラはある程度読者の理想であるためと述べている。
  9. ^ なお日本図書館協会は、図書館の自由に関する宣言で、「図書館は、正当な理由がないかぎり、ある種の資料を特別扱いしたり、資料の内容に手を加えたり、書架から撤去したり、廃棄したりはしない。」提供の自由は「わいせつ出版物であるとの判決が確定したもの」については制限されることがあるが、これらの制限は、「極力限定して適用し、時期を経て再検討されるべきものである。」としており[68]、性表現を含む書籍でも、わいせつ出版物であるという判決が出ていない限り図書館が収集・貸出することに問題はない。また「個人・組織・団体からの圧力や干渉によって収集の自由を放棄したり、紛糾をおそれて自己規制したりはしない。」としている。
  10. ^ フェミナチとは、フェミニズムナチスを掛け合わせた、フェミニズムやジェンダーフリーを敵視する人々が使う造語。フェミニズムとナチスに関係があるということではない。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae ボーイズラブ回顧年表:ぶどううり・くすこ文責 【20160322版】 BLlogia準備室
  2. ^ a b c d e f 霜月りつ(白城るた、荒木立子)「やおいの話をします。」 よろめ記 2013.01.24
  3. ^ イマージュ 980円 (株)白夜書房より 平成3年12月10日発行 (A5判) ガバチョの部屋
  4. ^ 杉浦由美子 『オタク女子研究 腐女子思想大系』 原書房、2006年、136頁。ISBN 978-4562039920
  5. ^ a b c 東園子「私のための物語 やおい再考」『詩と批評 ユリイカ 特集 BL オン・ザ・ラン!』 青土社、2012年
  6. ^ 元編集関係者が語るBL業界事情 第一回「作家と編集の関係」 ボーイズラブ専門レビューサイト ちるちる
  7. ^ a b c d e f g h i j k l m n 千田有紀『貴腐人、もしくは汚超腐人の密かな愉しみ」『詩と批評 ユリイカ 特集 BL オン・ザ・ラン!』 青土社、2012年
  8. ^ a b c d e f g h i 西村マリ 第1回 女性は男同士のラブストーリーが好き! - ウェイバックマシン(2016年9月10日アーカイブ分) ボーイズラブは楽しい!――やおい/ヤオイ/YAOIのいま 青土社
  9. ^ a b c d e f 西村マリ 第4回 アラブのプリンスはどこへ行く――BLは重層構造 - ウェイバックマシン(2016年11月28日アーカイブ分) ボーイズラブは楽しい!――やおい/ヤオイ/YAOIのいま 青土社
  10. ^ a b 柿沼瑛子・佐川俊彦「「耽美」から「ボーイズラブ」へ!「JUNE」系とは何だったのか」 サイゾーウーマン
  11. ^ a b c d e f 三浦しをん『シュミじゃないんだ』 新書館、2006年
  12. ^ a b c 男性同士の恋愛描く「BL」作品がメジャー化した理由”. NEWSポストセブン (2020年10月4日). 2020年10月4日閲覧。
  13. ^ 西村マリ 第5回 身代わりの花嫁――戦う少女と受け身な男 - ウェイバックマシン(2024年2月10日アーカイブ分) ボーイズラブは楽しい!――やおい/ヤオイ/YAOIのいま 青土社
  14. ^ a b c 長池一美「グローバル化するBL研究 日本BL研究からトランスナショナルBL研究へ」大城房美 編著『女性マンガ研究 欧米・日本・アジアをつなぐMANGA』 2015年、青弓社
  15. ^ a b c d e 詩文奈「マイBL ヌーベルバーグ派」『詩と批評 ユリイカ 特集 BL オン・ザ・ラン!』 青土社、2012年
  16. ^ messy 「英語圏の腐女子文化〜知られざるスラッシュフィクションの世界」 BIGLOBEニュース 5月11日 - ウェイバックマシン(2016年8月4日アーカイブ分)
  17. ^ a b c d e f g 千野拓政 東アジアにおけるサブカルチャー、文学の変貌と若者の心 ─ アニメ・マンガ・ライトノベル、コスプレ、そして村上春樹 ─ WASEDA RILAS JOURNAL NO. 1 (2013. 10)
  18. ^ a b Q. BL、JUNE、耽美の定義 言葉の経緯 葡萄瓜 BLサイト ちるちる
  19. ^ a b c d Q. 耽美とは? 一応の流れ 葡萄瓜 BLサイト ちるちる
  20. ^ a b c d e f g h i 三浦しをん×よしながふみ「フェミニズムはやっぱり関係なくないのよ」『よしながふみ対談集 あのひととここだけのおしゃべり』 太田出版、2007年
  21. ^ a b 風と木の詩をうたったとき 漫画家・教育者、竹宮恵子さんの語る「創作と教育」 - ウェイバックマシン(2016年1月25日アーカイブ分) 朝日新聞
  22. ^ a b c d e f g h i j こだか和麻×よしながふみ「ボーイズラブじゃないと描けないこと」『よしながふみ対談集 あのひととここだけのおしゃべり』 太田出版、2007年
  23. ^ 三崎尚人 少女たちは楽園をめざす 同人誌生活文化総合研究所
  24. ^ 山本文子、BLサポーターズ 著 『やっぱりボーイズラブが好き―完全BLコミックガイド』 太田出版、2005年
  25. ^ 川原和子 『やっぱりボーイズラブが好き』 マンガラブー
  26. ^ 髙木聡司 「ライトノベル」「少女小説」ジャンルの再検討―両性一元的文学史観点からの再整理― - ウェイバックマシン(2019年3月9日アーカイブ分) Core Ethics Vol. 7(2011)
  27. ^ a b ライトノベル歴史年表1990~1999年 ライトノベル作法研究所
  28. ^ BL界のパイオニア「BE×BOY」が20周年 巨匠・魔夜峰央がついにBLを語る 2013年2月1日 ライブドアニュース
  29. ^ デルフィニア戦記の同人誌 ロシェの街道
  30. ^ 照山もみじ「疎外者(アウトサイダー)の自己幻想-中島梓の『少年』」(『G-W-G』5号2021年5月掲載)、瀬戸宏「川口君事件の記憶(4)-照山もみじ「疎外者(アウトサイダー)の自己幻想-中島梓の『少年』」を読む」
  31. ^ a b c d e f g h i j k l 金田淳子・永久保陽子「BLの浸透と拡散をめぐって」『詩と批評 ユリイカ 特集 BL オン・ザ・ラン!』 青土社、2012年
  32. ^ ぶどううり・くすこ 大人の思惑 腐女子言端の内と外
  33. ^ 怒られる腐女子、怒られない腐女子 1976腐女子
  34. ^ 『KIZUNA -絆-』こだか和麻が描く不朽の任侠BL漫画 - ウェイバックマシン(2016年8月11日アーカイブ分) PUUL
  35. ^ ちぷたそ 「腐女子」と「女オタク」の違いは? 複雑すぎる“オタク女性”の生態を図説してみた 終わりに:アラサーオタク女性、「CCさくら」に落とされた説 ITmedia
  36. ^ a b c d 鳥村悠里 世界一【受け】たいBL史の授業 - ウェイバックマシン(2016年8月10日アーカイブ分) APPREVIEW
  37. ^ a b BL/ Boys Love ボーイズラブ 同人用語の基礎知識
  38. ^ a b c 元編集関係者が語るBL業界事情 第四回「BL作家になるには」 ボーイズラブ専門レビューサイト ちるちる
  39. ^ 西村マリ 第3回 執事とメイド、そしてメガネ――逆転と逸脱のBL - ウェイバックマシン(2016年11月27日アーカイブ分) ボーイズラブは楽しい!――やおい/ヤオイ/YAOIのいま 青土社
  40. ^ 映画『ヒミズ』が高評価の文化系女優・二階堂ふみは腐女子だった! ダ・ヴィンチニュース
  41. ^ 08年の新書刊行状況は - ウェイバックマシン(2021年1月19日アーカイブ分) 全国出版協会
  42. ^ メディア化BL(ボーイズラブ)年表 ブックオフオンライン
  43. ^ ネットで大ブームのBL短歌って何? ダ・ヴィンチニュース
  44. ^ ぢゅん子『私がモテてどうすんだ』インタビュー オタク女子は、好きなキャラが死んだら仏壇に花を飾る!?
  45. ^ 快挙!「どうしても触れたくない」オリコン週間ランキングでも1位!ZIP紹介 BLサイト ちるちる
  46. ^ a b 美術手帖 2014年12月号 ボーイズラブ | 株式会社美術出版社
  47. ^ 2015年はBL解説書がブーム! BLサイト ちるちる
  48. ^ ミュージカル『テニスの王子様』累計動員数200万人突破!! テニミュニュース
  49. ^ 収録作家はラシルド(フランス)、アンネマリー・シュヴァルツェンバッハ(スイス)、メアリー・ルノー(イギリス)、森茉莉(日本)、ジャネット・シェイン、マリオン・ジマー・ブラッドリー(アメリカ)+ジョン・ジェイ・ウェルズ
  50. ^ 古典BL小説集 平凡社
  51. ^ やおい文化以前に各国の女性が書いたBL小説たち 「古典BL小説集」を平凡社が発売 ねとらぼ
  52. ^ 腐女子と二次創作問題 あのサウスパークにBLがついに登場! - ウェイバックマシン(2016年7月1日アーカイブ分) BLサイト ちるちる
  53. ^ 【腐女子】サウスパーク公式がBL【トゥイクレ】 - ウェイバックマシン(2018年11月6日アーカイブ分) Present the France Trip
  54. ^ 掘って掘られてたぎりまくるッ! 腐向け18禁イラストSNS「ホルネ」誕生 KAI-YOU.net
  55. ^ BLドラマCDがオリコンデイリーランキング1位に「世も末か」 - ウェイバックマシン(2016年6月30日アーカイブ分) IRORIO
  56. ^ 野島健児さん、神谷浩史さんら出演の劇場アニメ『同級生』の動員数が13万人&興行収入が2億円を突破! 上映劇場も拡大中! アニメイトタイムズ
  57. ^ 井原西鶴『男色大鑑』が現代の気鋭BL作家陣によってコミカライズ! ダ・ヴィンチニュース
  58. ^ でも、結婚したいっ!~BL漫画家のこじらせ婚活記~ - ウェイバックマシン(2017年7月30日アーカイブ分) 関西テレビ
  59. ^ 西村マリ 第2回 BLには王道がある――シンデレラは職業人 - ウェイバックマシン(2016年9月10日アーカイブ分) ボーイズラブは楽しい!――やおい/ヤオイ/YAOIのいま 青土社
  60. ^ nodada 「羅川真里茂の『ニューヨーク・ニューヨーク』は「やおいBL」か?」 2008-12-01
  61. ^ a b c ゲイの人って、BL読むの? 腐女子は苦手? 当事者に聞いてみた withnews(ウィズニュース)
  62. ^ 「やおい論争」のフォローアップ - ウェイバックマシン(2018年5月21日アーカイブ分) Dearly Beloved (用途のない備忘録)
  63. ^ 佐藤雅樹「少女マンガとホモフォビア」 にしへゆく 〜Orientation to Occident
  64. ^ 小泉蜜 正しいボーイズラブ講座特別番外編 やおいよりも”やおい論”を書きたいあなたへ 蜜の厨房 インターネットアーカイブ 2007/4/26
  65. ^ a b 掘あきこ「リアルとファンタジー、そのはざまで見る夢」『詩と批評 ユリイカ 特集 BL オン・ザ・ラン!』 青土社、2012年
  66. ^ a b c d e f 熱田敬子「『BL』排除から見えた差別と性の享受の萎縮 堺市立図書館での「BL」本排除事件」『詩と批評 ユリイカ 特集 BL オン・ザ・ラン!』 青土社、2012年
  67. ^ 堺市図書館に大量の同性愛小説 世界日報 2008年10月28日
  68. ^ 図書館の自由に関する宣言 日本図書館協会
  69. ^ a b c d e f g h i 『む・しの音通信』No.68(2008.12.5発行)
  70. ^ 平成20年12月28日 堺市監査委員公表 第48号 - ウェイバックマシン(2019年3月9日アーカイブ分) 堺市
  71. ^ 堺市立図書館BL小説撤去事件(2008年)
  72. ^ 魚谷俊輔 第五章 統一教会の結婚観について 「洗脳」「マインドコントロール」の虚構を暴く
  73. ^ 日本の未来を左右する同性婚問題 - ウェイバックマシン(2016年6月24日アーカイブ分) 世界平和統一家庭連合(旧 統一教会)広報局サイト 雲外蒼天
  74. ^ 【キリスト教保守と韓国社会-2-】統一教会だけじゃない!! こんなにある「お騒がせ教団」 DailyNK Japan
  75. ^ a b c d Chika Igaya TSUTAYA図書館の選書問題が揺るがす「図書館の自由」 "不適切図書"は誰にとって不適切? 2015年12月25日 ハフィントンポスト
  76. ^ a b 図書館「ボーイズラブ」に揺れる 堺市、市民の不信感募る 共同通信
  77. ^ 堺市立図書館の書架から5499冊の図書が消えた!?/知る権利、表現の自由を守ろう! みどりの一期一会
  78. ^ 堺市立図書館の5706冊の「特定(BL)図書排除リスト」一挙公開!/著者別、出版社別でも分類・整理 みどりの一期一会
  79. ^ 堺市立図書館で「特定図書排除」事件はなぜ起きたのか?「ジェンダー図書排除」究明原告団 事務局・寺町みどり みどりの一期一会
  80. ^ a b natsu_san 堺市図書館BL問題要点まとめ(まとまらなかった) __ScrapBook of Plumber
  81. ^ 東京都. “不健全指定図書類、不健全指定がん具類・刃物一覧”. 2023年3月13日閲覧。2018〜2020年度はBL作品が約8割、2021年度はBL作品が約9割、2022年度はBL作品が10割を占めている。
  82. ^ 漫画のエロ・グロ表現で犯罪が起こる? 「はじめの一歩」作者の憂い”. 毎日新聞デジタル. 毎日新聞社 (2023年6月29日). 2023年6月29日閲覧。
  83. ^ RAKUJOB. “スペシャルインタビュー企画・山田太郎参議院議員に聞く!(前編):BLも違法に?!「表現の自由」はいかに危機に瀕しているか。”. 2020年12月11日閲覧。
  84. ^ BL愛が迫害される島で ひそかにたくましい腐女子たち”. 朝日新聞DIGITAL (2019年12月25日). 2021年9月10日閲覧。
  85. ^ 中国「ボーイズラブ」などを不良文化として排除要請”. テレビ朝日 (2021年9月9日). 2021年9月10日閲覧。
  86. ^ {{https://search.yahoo.co.jp/amp/s/sp.m.jiji.com/amp/article/show/2854651%3Fusqp%3Dmq331AQIKAGwASCAAgM%253D}}


「ボーイズラブ」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ボーイズラブ」の関連用語

ボーイズラブのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ボーイズラブのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのボーイズラブ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS