ホワッツマイケル
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ホワッツマイケル What's Michael? | |
---|---|
ジャンル | コメディ |
漫画 | |
作者 | 小林まこと |
出版社 | 講談社 |
掲載誌 | モーニング イブニング |
レーベル | モーニングKC |
発表期間 | 1984年 - 1989年、2001年 |
巻数 | 全9巻 |
OVA:ホワッツマイケル? | |
監督 | 長尾粛、古川順康 |
キャラクターデザイン | 的場敦、島崎克実 |
音楽 | ライオン・メリー 小林まこと 森川欣信 |
アニメーション制作 | キティ・フィルム |
製作 | キティ・フィルム、講談社 |
発表期間 | 1985年11月25日 - 1988年7月25日 |
収録時間 | 60分(1巻)、50分(2巻) |
アニメ | |
監督 | 樋口雅一(チーフディレクター) |
キャラクターデザイン | 椛島義夫 |
音楽 | 馬飼野康二、加藤みちあき |
アニメーション制作 | ディック→K.K.C&D(製作協力)、その他各社制作 |
製作 | テレビ東京、講談社 |
放送局 | テレビ東京他 |
放送期間 | 1988年4月15日 - 1989年3月28日 |
話数 | 全45話 |
ドラマ:月曜ドラマランド「ホワッツマイケル?」 | |
脚本 | 安斎あゆ子、鈴木哲 |
演出 | 佐藤健光 |
制作 | フジテレビ、泉放送制作 |
放送局 | フジテレビ系列 |
放送期間 | 1986年11月24日 - 1987年7月27日 |
話数 | 全2話 |
テンプレート - ノート |
『モーニング』(講談社)にて1984年から1989年にかけて連載され、単行本は8巻まで刊行された。この作品の連載時期は『柔道部物語』と重なっており、作者の多忙などから、特に連載末期には休載が多くなっていた。
2001年、同社の『イブニング』創刊号で『What's Michael? 9巻め』として連載を再開した。最初から短期連載を予告しており、2003年に9巻が出された。9巻については全話がオールカラーである。
概要
踊る猫・マイケルを主人公にした読切作品集。先に連載されていた『マンガの描き方』に登場するマイケルに人気が出たため、編集長の要請でマイケルの話を独立させたのが本作である[1]。
第1話でいきなりマイケルがマンションの高層階から転落死するのは、もともと『マンガの描き方』の1エピソードのつもりで執筆されており全体的な設定が考慮されていなかったためである[2]。
内容は大林家(アニメでは小林家)や今林家が飼うマイケルを描くものが多いが、同じ登場人物が別の設定で登場する短編ストーリーも多い。回ごとに設定がまったく異なっており、マイケルの飼い主も設定ごとに異なっている。
また、マイケルも常に飼い猫とは限らず、野良猫であったり、一切人間キャラクターが登場せず、マイケルら猫・犬が会社員だったり麻雀を打つ、野球をするなど擬人化されたストーリーも多い。『猫本』収録のインタビューによると、「マイケルを主人公にしたコントを週1本作っているようなもの。そのため、張り込みなどのコントの定番の設定が時々出てくる」とのこと。
猫の生態をギャグにしたことと、マイケルのキャラクター性が女性からの人気を呼び、小林にとっては『1・2の三四郎』に次ぐヒット作となった。マイケルはNECのCDプレーヤーやJTBの旅行券積み立て「たびたび」などのイメージキャラクターに起用され、テレビCMにも登場した。なお出版社が同じ講談社だからか本編に柔道部物語の三五十五と実家の寿司屋が出てくるエピソードがあり回によっては柔道までする。
なお、マイケルという名前は、当時プロモーションビデオ『スリラー』が流行していたマイケル・ジャクソンから取られた[3]。
1986年(昭和61年)度、第10回講談社漫画賞一般部門受賞。
登場キャラクター
- マイケル
- 本作の主人公。トラ猫のオス。マイケルの設定は各ストーリー毎に飼い主や家族構成が異なっており、野良猫の場合もある。性格は基本的に真面目で善良、運は結構悪い。三匹の猫での通称は「うにゃうにゃ」。「9巻め」では老猫。ポッポやミニケルなどの妻子持ちは基本的に大林家のマイケルである。どの設定でもほとんどは踊る猫として登場し、主に何かを失敗した際に誤魔化すように踊る。
大林家
- 大林さん
- マイケルの飼い主。サラリーマン。マイケルの飼い主としては最も登場回数が多い。当初マンション住まいだったが後にマイホームを手にする。原作では作者との関連はないもの、アニメ版では漫画家という設定になっており、名前も小林に変更されるなど作者の分身的扱いとなっている。「9巻め」ではすっかり頭が禿げ上がっていた。
- 大林さんの妻
- 寝起きがとても悪く、猫達と子供に毎日起こされている。強気で明るい性格で、普段はマイケル達を可愛がっているが、気分次第で八つ当たりすることもある。「9巻め」では太っている。
- たまみ
- 夫妻の娘。連載中に誕生し、8巻にはある程度言葉が話せるまでに成長した。大林さんの妻にマイケルが怒られる要因を作ることが多い。泣く前の渋い顔と泣き声の凄まじさが、猫達を驚かせる。「9巻め」ではガングロの高校生になっている。
- ポッポ
- マイケルの妻。発情期を迎えたマイケルのために買ってきた白いメス猫。しかし、大林家に来た時はまだ仔猫だったため、マイケルは8カ月も我慢せざるを得なかった。やがて何十匹も仔猫を産み夫妻を困らせる(これら産まれてきた仔猫達はミニケルを残して他の家庭に里子として引き取られることになる)。美形な顔立ちで性格はおしとやかであるが、時に失態を犯したマイケルに厳しく怒る場面もある。マイケル同様に「9巻め」では老猫。
- ミニケル
- マイケルとポッポの息子。最初は仔猫であったが、連載途中でマイケルよりも大きくなった(太った)。マイケル似のトラ猫のオス。
- ムニケル・メニケル・モニケル
- 8巻で生まれたマイケルとポッポの息子。マイケル似のトラ猫。
- ラー
- ムニケルらと同時に生まれたマイケルとポッポの娘。大林家にとっては「待望の女の子」であった。ポッポ似の白猫。スピーカーにあった穴から中に入って眠っていたところ、その間に成長して穴から出られなくなってしまった。
- ハナコ
- 大林さんの妻の実妹。当初は名前は無かったが後に「ハナコ」という名前がつけられた。 猫の惑星編では主役となる、猫が支配する惑星に行きつきゾウアザラシと間違われ、カトリーヌ(ニャジラ)のサーカス団の花形スターとなった。
今林家
- 今林(コンバヤシ)
- マイケルと伸之助の飼い主。バーコード頭の中年男性。よく伸之助をひっぱたく。
- 話によっては会社の社長だったりするが、山梨県の山奥に東京コンバヤシランドなるテーマパークを作って失敗したり、猫が食うのを嫌がるような餌を開発したりと、あまり事業はうまくいってない様子。
- 猫の惑星編では宇宙船の船長として登場、猫の惑星に漂着しサーカス団でハナコと再会、ゾウアザラシ二世誕生をもくろむカトリーヌ団長にそそのかされ、ハナコに交配を迫る、救出に来た宇宙船の仲間とサーカス団から脱走を試みたが、逃げ切れずに捕まり、ハナコの代わりにショーを演じる羽目になる。
- 今林の妻
- 他の今林家の住人同様、伸之助には厳しくマイケルには優しい。
- 伸之助
- 今林家の飼い犬。主人からはあまり良い待遇を受けておらず、「いいもの」を貰うと、嬉しさのあまりもったいなく土の中に隠してしまうほど。食事はドッグフードではなく残飯である。何らかの事情により猫の子供と取り違えられてしまい、母猫からネグレクトされていたところを見かねた今林に引き取られた。自分を可愛がらない今林に強い愛情と忠誠心を抱く理由はその恩義によるものと思われる。性格はいたって真面目だが運も要領も悪いため、結果的に損な役回りになることが多い。アニメでも損な役回りは相変わらずで、原作にない理不尽なエピソードも追加されている。しかし両親よりは伸之助に構う今林家の長女・加奈子の追加や食事はドッグフードを与えられているなど原作よりは今林家での待遇が若干改善されている。
- 擬人化編でポッポとお見合いをしたストーリーもあったが、お互いの趣味や生活習慣が合わず、当然破談となった。
- 娘
- 久しぶりに実家に帰ってきた今林家の娘。マイケルに優しく伸之助に厳しい相変わらずの待遇を不憫に思い、優しく接し、高級ドッグフードや犬用おもちゃを与えるも、親切にされていることに慣れていない伸之助の貧乏性(もったいないので大事に片づけ、お父さんのサンダルで我慢するなど)に呆れる場面も。
加世子とその一家
- 父
- サラリーマン風の壮年男性。加世子兄妹の父であり、マイケルの飼い主。眼鏡をかけている。
- 母
- 主婦と思われる。加世子兄妹の母。
- 祖母
- 加世子兄妹の祖母。父方か母方のどちらであるかは不明。
- 兄
- 加世子の兄で、小学生。
- 加世子
- 小学生の少女。マイケルの強敵として登場。小学生の少女らしく、鼻をふさぐ・舌をつかむ・しっぽで遊ぶなど様々ないたずらでマイケルを参らせている。アニメでは今林家の一人娘として登場する。年齢は原作より上。強気な性格で男児のような口調でしゃべり、伸之助にも高圧的な態度で接している。
ヤクザ
- K
- ヤクザであるが大の猫好き。ノラの子猫だったマイケルがあまりに可愛かったため、家に連れ帰って育てている。ヤクザが猫を可愛がるのは軟弱と見られると思い込んでおり、猫を飼っていることを内緒にしている。
- M
- Kの組とは敵対している講談組の幹部。猫恐怖症であることをひた隠しにしている。猫恐怖症は筋金入りで、近くで見かけただけでも金縛り状態になりパニックを起こし、マイケルを飼ってる愛人(正妻?)の家に行った際には背中にサロンパスを貼りベッド周りにみかんを置くという猫対策をしていた。なおKとは別の組であり、本編では顔合わせもしていて戦いは続くという解説コマもあったが、その後会うエピソードは描かれなかった。
The 逃亡者
- リチャード・キンブリ
- 職業は獣医であったが、身に覚えのない妻殺しおよび淫行などの罪で死刑を宣告されるも、護送中の列車事故で辛くも脱出。『逃亡者』の主役、リチャード・キンブルのパロディ。
- ジェラードリ
- キンブリを追い続ける刑事。階級は警部。同じく『逃亡者』の準主役、ジェラード警部のパロディ。
その他
人間、妖怪
- 立花 礼子
- 都内に住む22歳のOL。子猫だったマイケルを公園で拾って育てている。マイケルを溺愛し、一時たりとも離れたがらない性分ゆえに会社に遅刻することが多い。
- 礼子の祖母
- 田舎から礼子を訪ねてやってきた。東北弁のような訛りがある。猫のしつけに非常にうるさく、マンションで可愛がられ育った室内飼いのマイケルに「最近の猫はだらしねえ」と厳しく接するも踊りが得意という点で意見が合った。
- 根岸 信一郎
- 私立探偵。誤って届いた立花礼子からの手紙がきっかけで文通友達になり、後に結婚する。
- 多頭飼いの女性
- マイケルの他にも多くの猫を飼っている若い女性。朝は猫たちのご飯おねだりで起こされるため、寝坊せずに済んでいる。それなりに猫たちを可愛がってはいるが、猫の食事よりも友人との電話を優先するなど、他の飼い主に比べればおざなりにしている部分が多い。
- 唇の厚い青年
- マイケルの飼い主の青年。マイケルと仲良くしようと必死だが、肝心の猫の気持ちや性格をまったく理解せずに無理やりコミュニケーションやスキンシップを取ろうとしているため、ほとんどの場合鬱陶しがられている。数十年後の老人の姿でも登場し、自らの若い頃と同じようなことを猫に強要している青年を嗜めコミュニケーションの見本を見せようとするが、結局何も成長しておらず猫に嫌がられた。
- 北条 志乃
- 様々な現場から現地の状況を伝えるレポーター。気象予報士やアイドルとしても登場した。1・2の三四郎からのゲスト出演。
- 朝丘山雪路子
- 人気№1の美人女優。ニャジラの飼い主として登場した。
- 岩橋 健二
- ノラ猫の写真を撮るため町を歩く、フリーのカメラマン。年齢は28歳。マイケルを撮影中に不審者と疑われ、警察に連行される。
- アリス
- お金持ちのお嬢様。唯一の友達だった飼っていた金魚が亡くなり悲しみに暮れるが、父親が連れてきたマイケルを気に入り、仕草を見て元気を取り戻していく。
- マイケルの真似をしだし、次第に豪快になっていく。我侭なところもあり、マイケルとの喧嘩も目立つようになる。
- ロラキュラ伯爵
- ルーマニアのトランシルバニア地方に住む、ニンニクも十字架も太陽光も恐れない最強の吸血鬼だが猫が大の苦手。
- この地方が猫ブームになったため、実家の土地を売って車を買って、若い女性の血を求めて町を転々としている。
- 年齢は857歳。「実践吸血鬼」なる本を読み、吸血を試みるものの上手くかいず、かれこれ100年ほど人間の血を吸っていない。
- テロリストT
- 国際犯罪者。
- 目的のためなら手段を選ばない氷のような男。自身の武器を見つけた愛人とマイケルを射殺。その後、行く先で何故か何匹ものマイケルに遭遇する。
- 踊るマイケルの目撃者で、マイケルが踊った理由に付いて度々ツッコミを入れていた。
- 猫屋敷のお兄さん
- 平屋の一軒家に一人暮らしする男性。猫に非常に懐かれているのか、それとも男性宅を気に入っているのか不明だが、マイケルなど他家の飼い猫が多数家に上がり込んではくつろいでいるが、追い払うことも何もせず好きなようにさせている。そのうち飼い主たちが大勢やってきて、彼に「お邪魔しました」と謝りながら猫たちを引き取るというお決まりパターンがある。彼自身は猫を飼っていない。
- いかつい顔つきだが、猫だけではなく、犬やハトにも懐かれており、自動車にはねられそうになったが犬に助けられたり、ヤクザMにからまれた時は、猫が数匹彼を取り巻くように集まり、Mを撃退している。
- 小林
- 作者の自画像と同じ顔(短髪に口ひげ)をしており、様々な形で登場している。サラリーマンの大林さんとは別人だが、アニメ版ではサラリーマンの大林さんが漫画家の設定になっており、名前も小林に変更されているなど設定的にかぶっている部分がある。
猫たち
- ニャジラ
- 最強のメス猫。猫種は三毛猫。非常に横暴で、物事を暴力で解決するため、マイケル達からは非常に恐れられており、犬でさえもニャジラを恐れる。体重15kg。ニャジラが本名の場合と、通称の場合と設定によって異なる。女優に飼われている場合ではカトリーヌと名付けられ、ほとんどの設定において飼い主からは溺愛されている。寿司屋(『柔道部物語』からの出張)で飼われている設定では、小さい頃は可愛らしい仔猫であり、成長するまではミケと呼ばれていたが成長と共にニャジラに改名された。
- 大助
- 楠グループ会長宅の飼い猫で、200万円するアメリカンショートヘアー。ニャジラと結婚[註 1]した。なぜニャジラのような不細工なメス猫と結婚したかについては「男の悲しい性」という事であり、男性登場人物が大助の心中を思いやり複雑そうな表情をしていた。
- スー
- マンションの5階の住人に飼われている。
- ミニケルの初恋相手でお互い好意を持つが、飼い主がいつもベランダから外を見ているスーに気を利かせて庭付きの家に引越ししてしまい、ミニケルは失恋してしまう。
- 「猫の惑星」ではアナウンサーとして登場する。
- ジロー
- 井間村さんちの飼い猫(シャム猫)。
- 愛想と行儀がよく、一緒に飼われているウサギとインコともいたわりながら仲良く同居しており、近所でも評判がいいが、マタタビを食べると凶暴になってしまう。
- チャルメラ
- マイケルたちが住むの地元の1丁目から4丁目を取り仕切るボス猫。マイケルたちからは「チャルさん」と呼ばれ慕われている。不細工な三毛猫の愛人(?)がいる。
- ニャー丸
- 気性の荒いオス猫で、マイケルらを従えたニャー丸組の親分、チャルメラから次期ボス猫候補と目されていたが、去勢手術を施され、おとなしい性格(飼い主曰く「いい子」、チャルメラ曰く「ふぬけ」)になってしまった。能條純一の『翔丸』のパロディ(猫化)キャラ。
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