ペン回し 歴史

ペン回し

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/08 09:11 UTC 版)

歴史

  • 第一世代(ウェブ以前)
    日本国内には戦前から「鉛筆回し」として存在したともいわれる[4]。少なくとも1976年には首都圏の国立大学や上位私立大学の学生の中には回す者が少なからず存在しており、大学内での「名人」とも言える伝承の第一人者の多くが駿台予備学校出身者だった。実際に当時の証言で「駿台で流行っていた」するものが多く、「予備校が発祥」という認識があった。基本的には、中指で弾いて親指を軸にして回す手法。中には独自に技を開発するような人々も存在した。
  • 第二世代(ウェブ以降~神動画以前)
    1997年末、HIDEAKIという人物によって世界で最初のペン回しウェブサイト「私のペン回しの歴史」が設立された。HIDEAKIは独自に技名を考案してサイト内で紹介すると同時に、掲示板やメールを通じて未知の技を知る者との交流を深めていった。これをきっかけとして、各地に散在していたペン回しに関する情報が一ヶ所に集約され始めた。さらにこのコミュニティから派生する形で複数のペン回しサイトが現れ、以後インターネットを中心としてペン回しが急速に発展していくこととなる。
    またこの流れの中で、日々現れる新しい技に対して1つ1つ個別の名称を与えるのではなく、回転パターンに沿った一定の命名規則を構築すべきだという意見が出た。これが現在の定義および表記法の原型になっており、当時考案された名称の一部は現在でも使われている。
  • 第三世代(神動画以降)
    定義の確立により回転パターンがほぼ出尽くしたことや、上級者の相次ぐ活動休止が重なり、日本のペン回しは一旦衰退の色を見せる。
    そんな中、2004年初頭にayshという人物が設立したウェブサイト「ペン回し資料室」で、海外で盛んに行われていた「フリースタイル(FS)」の概念が紹介され、それまでとは違ったペン回しの楽しみ方が見出された。また同年春には韓国のペン回しコミュニティ「PenDolSa」による、ハイテンポな音楽をバックに何人ものペンスピナーが連続してFSを行うプロモーションビデオ(PV)、通称「神動画」が公表された。
    これ以降、日本のペン回しに関する価値観は海外の影響を大きく受けることになる。かつて主流だった「手から離れたものはペン回しではない」「真のペン回しは無意識のうちに行われる」「筆記できないペンや改造されたペンを回すことはペン回しの本義に反する」といった考えは徐々に消えていった。
    その後、PVはコラボレーションビデオ(CV)とも呼ばれるようになり、日本人ペンスピナーの間でも数々のCVが作られるようなる。日本を代表するCVの一つに「JapEn」がある。また、1人のペンスピナーが連続してFSを行うソロビデオ(SV)なるものも出現し、ペン回しに関する動画の数は次々と増えていった。
    2007年1月から同年6月頃にかけてオンライン上で史上初の世界大会「World Penspinning Tournament 2007」が開かれた。8団体の80人が参加し、韓国人が優勝した。さらに同年7月にはペン回しの普及と振興を目的とした「日本ペン回し協会」が設立され、2008年2月~3月には初の全国大会「Pen Spinning tournament Japan 2008」が開催された。276人が参加し、高校生男子が初優勝を遂げた。
    同年には「pen spinning world cup 2008」も開催された。world tournamentの個人戦に対し、world cupは国別の団体戦で行われ、日本、韓国、フランス、ドイツ、スウェーデン、香港、タイ、中国、ポーランド、フリーの10チームが出場した。結果は、日本が世界の頂点に立った[4]。これ以降、「World Tournament」と「World Cup」は一年おきに交互に行われている。
    そのほか、東京大学大学院情報理工学系研究科で、「ペン回しロボット」を開発しており[4]、産業用ロボットの手の動作を研究する材料ともなっている。
    2009年7月、日本ペン回し協会が全面協力のもと、「ナランハペン回しフェスティバル」が東京で開催された。これは、2008年の全国大会の後継大会として、以降毎年行われている。






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