ペンギン 分類

ペンギン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/31 00:22 UTC 版)

分類

系統樹の目間は Hackett et al. (2008)[2]、目(科)内は Baker et al. (2006)[3]より。

water birds

アビ目 Gaviiformes

ペンギン目
オウサマペンギン属

オウサマペンギン Aptenodytes patagonicus

コウテイペンギン Aptenodytes forsteri

ジェンツーペンギン属

アデリーペンギン Pygoscelis adeliae

ジェンツーペンギン Pygoscelis papua

ヒゲペンギン Pygoscelis antarctica

マカロニペンギン属

マユダチペンギン Eudyptes sclateri

キマユペンギン Eudyptes pachyrhynchus

ハシブトペンギン Eudyptes robustus

イワトビ
ペンギン

Eudyptes chrysocome

Eudyptes filholi

Eudyptes moseleyi

マカロニペンギン Eudyptes moseleyii

ロイヤルペンギン Eudyptes schlegeli

キンメペンギン属

キンメペンギン Megadyptes antipodes

コビトペンギン属

コビトペンギン Eudyptula minor

ケープペンギン属

ケープペンギン Spheniscus demersus

マゼランペンギン Spheniscus magellanicus

フンボルトペンギン Spheniscus humboldti

ガラパゴスペンギン Spheniscus mendiculus

ミズナギドリ目 Procellariiformes

コウノトリ目 Ciconiiformes

ペリカン目 Pelecaniformesカツオドリ目 Suliformes

ペンギン目は海鳥渉禽類(の一部)からなるクレード water birds の一員である。姉妹群は外洋性の海鳥のミズナギドリ目である。

ペンギン目は現生科に関しては単型である、つまり、ペンギン科のみが属す。

従来は1種とされてきたイワトビペンギン Eudyptes chrysocome sensu lato の3亜種は、遺伝子の比較により別種とする主張がある[4]。キタイワトビペンギン Eudyptes moseleyiのみを分化し、ヒガシイワトビペンギンをミナミイワトビペンギン Eudyptes chrysocomeの亜種とする主張もある[5]

従来は種または亜種とみなされてきたハジロコビトペンギン Eudyptula albosignata は、コビトペンギンに含められ、さらにコビトペンギンの他の亜種と共に、亜種の地位も否定された[要検証][6]

かつてはロイヤルペンギンとマカロニペンギン、ハシブトペンギンとキマユペンギンを同種とする説もあったが、遺伝的差異は別種に相当する[3]

以下の分類はClements Checklists ver. 2015・IOC World Bird List(v 7.1)、和名は山階(1986)、英名はIOC World Bird List(v 7.1)に従う[1][7]

歴史上のペンギン分類には大きく分けて、いずれかの海鳥の仲間だとする説と、他に類縁のない独特のグループだとする説とがあった。

Nitzsch (1840) はペンギンを、アビ類カイツブリ類ウミスズメ類と共に Pygopodes に分類した。ほぼ同じグループを Garrod (1873; 1874) は Anseres、Reichenow (1882) は Urinatores と呼んだ。

Gray (1849) はやや異なり、海鳥・水鳥の大半を含む Anseres に含めた。

それらに対し、Huxley (1867) はペンギンを、他の海鳥から分離し Spheniscomorphae とした。Sclater (1880) は、独立したペンギン目 Impennes とした。Stejneger (1885) は、独立したペンギン上目Impennes とした。Menzbier (1887) は、鳥類を4グループに分けたうちの1つ Eupodornithes をペンギンに当て、ペンギンは爬虫類の祖先の段階で他の鳥類とは分かれていたと示唆した。

Furbringer (1888); Gadow (1893); Pycraft (1898); Boas (1933) などは、(現在知られているとおり)ペンギンはミズナギドリ目に最も近いとした。それ以降は、ペンギンは目をなし、ミズナギドリ目に近縁だとする説が主流となった。ただし、独立したグループを形成するという説も後々まで残った。

Verheyen (1961) はペンギン目を、ミズナギドリ目・ウミスズメ目(ペリカン科・ウミスズメ科・アビ科)と共に Hygrornithes 上目に分類した[8]

Bock (1982) はペンギン目を、新顎上目古顎上目に並ぶ第3の上目であるペンギン上目 Impennes に分類した。

Sibley & Ahlquist (1990) はペンギン目を廃し、現在の water birds 全体を拡大したコウノトリ目に含めた。ペンギン科はグンカンドリ科アビ科・ミズナギドリ科(現在のミズナギドリ目)と共にミズナギドリ上科に含めた。

最古のペンギン ワイマヌ・マンネリンギの想像図
フンボルトペンギン属の化石種2種とフンボルトペンギン(下)の頭骨

Clarke et al. (2003) はペンギン科とペンギン目を系統的に再定義し、ペンギン科は現生ペンギンの最も新しい共通祖先の子孫、ペンギン目はペンギンの祖先が飛翔能力を失ってからの子孫とした。

さらに彼らは、ペンギンの祖先が他の現生鳥類から枝分かれして以降の子孫として Pansphenisciformes も定義した。ただし、化石が発見されている最古のペンギンもすでに飛翔能力を失っており、Pansphenisciformes とペンギン目は現状では同じである。

ペンギン科(Clarke et al. の意味での)に含まれる化石属は発見されておらず、ペンギン科には現生属のみが含まれる[9]。ただし、ケープペンギン属の化石種2種 S. megaramphusS. urbinai がペンギン科に含まれる。

ペンギンの絶滅属については、以下の系統が求まっている[9][10](属分類と矛盾する部分は簡略化している)。ただし遺伝子による系統に比べれば分岐は不確実である。

ペンギン目

ワイマヌ Waimanu

デルフィオルニス Delphinornis

マランビオルニス Marambiornis

メセタオルニス Mesetaornis

ペルディプテス Perudyptes

アンスロポルニス Anthropornis

パレユーディプテス Palaeeudyptes

イカディプテス Icadyptes

ジャイアントペンギン Pachydyptes

アルケオスフェニスクス Archaeospheniscus

ダントルーノルニス Duntroonornis

パラプテノディテス Paraptenodytes

アルスロディテス Arthrodytes

プラティディプテス Platydyptes

パレオスフェニスクス Palaeospheniscus

エレティスクス Eretiscus

デゲ Dege

マープルソルニス Marplesornis

ペンギン科(現生ペンギン)

ミズナギドリ目

Simpson (1946) は化石ペンギンを4亜科、現生ペンギンをペンギン亜科 Spheniscinae、計5亜科に分類していた。

その後 Marples (1952) はアンスロポルニス亜科をパレユーディプテス亜科に統合した。しかし系統解析では、SimpsonMarples の枠組みは否定されている。




  1. ^ a b c 山階芳麿 「ペンギン目」『世界鳥類和名辞典』、大学書林、1986年、17-18頁。
  2. ^ Hackett, S.J.; Kimball, R.T.; Reddy, S.; Bowie, R.C.K.; Braun, E.L.; Braun, M.J.; Chojnowski, J.L.; Cox, W.A. et al. (2008), “A Phylogenomic Study of Birds Reveals Their Evolutionary History”, Science 320 (5884): 1763–1768 
  3. ^ a b Baker, A.J.; Pereira, S.L.; Haddrath, O.P.; Edge, K.-A. (2006), “Multiple gene evidence for expansion of extant penguins out of Antarctica due to global cooling”, Proc. Royal Soc. B 273: 11–17, http://www.rug.nl/biologie/onderzoek/onderzoekinstituten/cees/colloquia/pdf/bakeretal_2005_inpress.pdf 
  4. ^ Banks, J.; Van Buren, A.; Cherel, Y.; Whitfield, J.B. (2006), “Genetic evidence for three species of rockhopper penguins, Eudyptes chrysocome”, Polar Biol. 30: 61–67, http://www.springerlink.com/index/Y2L31310KV2VL671.pdf 
  5. ^ テュイ・ド・ロイ、マーク・ジョーンズ、ジュリー・コーンスウェイト『新しい、美しいペンギン図鑑』上田一生監修、裏地良子、熊丸三枝子、秋山絵里菜訳、エクスナレッジ、2014年、224-227頁。ISBN 978-4-7678-1880-1
  6. ^ Peucker, A.J.; Dann, P.; Burridge, C.P. (2009), “Range-wide phylogeography of the Little Penguin (Eudyptula minor): evidence of long-distance dispersal”, Auk 126: 397–408, http://www.zoo.utas.edu.au/cb/pdfs/Peucker.pdf 
  7. ^ Loons, penguins, petrels, Gill F & D Donsker (Eds). 2016. IOC World Bird List (v 7.1). doi:10.14344/IOC.ML.7.1 (Retrieved 18 April 2017)
  8. ^ Sibley, C.G.; Ahlquist, J.E. (1972), Order Sphenisciformes, “A Comparative Study of the Egg White Proteins of Non-Passerine Birds”, Peabody Museum of Natural History and Department of Biology, Yale University, Bulletin 39 (New Heaven, CT)  - 1972年までの分類史は主にこの文献による
  9. ^ a b Ksepka, D.T.; Bertelli, S.; Giannini, N.P. (2006), “The phylogeny of the living and fossil Sphenisciformes (penguins)”, Cladistics 22: 412–441, http://www4.ncsu.edu/~dtksepka/DanKsepka/Publications_files/KsepkaBertelliGiannini2006.pdf 
  10. ^ Ksepka, D.T.; Clarke, J.A. (2010), Bulletin of the American Museum of Natural History (337), http://www4.ncsu.edu/~dtksepka/DanKsepka/Publications_files/Ksepka%20and%20Clarke%202010%20Perudyptes.pdf 
  11. ^ 日本国環境省地球環境局. “トボガン”. 南極辞典. 2008年3月26日閲覧。
  12. ^ a b 白井和夫『長崎水族館とペンギンたち』藤木博英社 2006年
  13. ^ a b c 白井和夫『ペギーちゃん誕生』昭和堂印刷出版事業部 1976年
  14. ^ Youtube BBCチャンネル
  15. ^ 冬道を安全に歩くポイント小樽市ホームページ 2017年1月12日閲覧
  16. ^ 凍結路面では「ペンギン歩き」を、ドイツ医師会が注意喚起ロイター(2017年1月6日)2017年1月12日閲覧
  17. ^ ファーストペンギンとは”. HRビジョン (2016年2月29日). 2020年5月31日閲覧。
  1. ^ なお、企鵝は本来は和名ではなくいわゆる漢語表記(中文粤語企鵝 / 企鹅)である。


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