ベリアル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/05 15:05 UTC 版)
文学作品におけるベリアル
ベリアルの名は文学作品においても採り上げられることがある。
イギリスの詩人ジョン・ミルトンの『失楽園』においては、「天から堕ちた天使のうち、彼ほど淫らで、また悪徳のために悪徳を愛する不埒な者も、他にはいなかった」と歌われる。また、「天から失われた者で、彼以上に端麗な天使はいなかった。生まれつき威厳に満ち、高邁」とその美しさをたたえられているが、同時に「それはすべて偽りの虚飾に過ぎなかった」と否定されている[1]。
また、ヴィクトル・ユーゴーの『海に働く人びと』においては、プランシーの『地獄の辞典』と同様にベリアルは地獄からトルコに派遣された大使として名前が挙げられている。
参考文献
- グスタフ・ディヴィッドスン著、吉永進一訳『天使事典』創元社、2004年 ISBN 4-422-20229-4
- フレッド・ゲティングズ著、大瀧啓裕訳『悪魔の事典』青土社、1992年 ISBN 4-7917-5185-X
- コラン・ド・プランシー著、床鍋剛彦訳『地獄の辞典』講談社、1990年 ISBN 4-06-201297-9
- Agrippa, Heinrich Cornelius, De occulta philosophia libri tres, Twilit Grotto: Archives of Western Esoterica 内の文書(英訳)
- Mathers, S.L. MacGregor and Crowley, Aleister, The Lesser Key of Solomon(1904年), The Internet Sacred Text Archive 内の文書(英文)
- Waite, A.E., The Book of Ceremonial Magic(1913年), The Internet Sacred Text Archive 内の文書(英文)
- Weyer, Johann, Pseudomonarchia Daemonum, Twilit Grotto: Archives of Western Esoterica 内の文書(ジョゼフ・H・ピーターソン編集・解題・注釈、ラテン語原文、レジナルド・スコットの英訳)
- The Book of the Sacred Magic of Abramelin the Mage, The Internet Sacred Text Archive 内の文書(英文、マグレガー・メイザースの英訳版(1900年))
- Goetia, Twilit Grotto: Archives of Western Esoterica 内の文書(ジョゼフ・H・ピーターソン編集、英文)
- ^ a b c d 『天使事典』p.241
- ^ a b 『天使事典』p.242
- ^ Metzger & Coogan (1993) Oxford Companion to the Bible, p.77
- ^ 『悪魔の事典』p.358
- ^ アレイスター・クロウリーとマグレガー・メイザースが編纂した版のゴエティアでは、率いているのは50の軍団とされる。The Lesser Key of Solomon, p.44
- ^ 『悪魔の偽王国』によれば、80の軍団の一部は力天使に属しており、一部は天使に属しているという。
- ^ The Lesser Key of Solomon, pp.45-46
- ^ アレイスター・クロウリーとマグレガー・メイザースが編纂した版のゴエティアでは、「二人の天使」であるという。The Lesser Key of Solomon, p.44
- ^ De occulta philosophia libri tres III, Chapter xviii
- ^ 英: Four Superior Princes
- ^ 『地獄の辞典』pp.156-157
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