プロパガンダ 概念

プロパガンダ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/04 23:50 UTC 版)

概念

あらゆる宣伝や広告、広報活動、政治活動はプロパガンダに含まれ[1]、同義であるとも考えられている[2]。利益追求者(政治家・思想家・企業人など)や利益集団(国家・政党・企業・宗教団体など)、なかでも人々が支持しているということが自らの正当性であると主張する者にとって、支持を勝ち取り維持し続けるためのプロパガンダは重要なものとなる。対立者が存在する者にとってプロパガンダは武器の一つであり[3]、自勢力やその行動の支持を高めるプロパガンダのほかに、敵対勢力の支持を自らに向けるためのもの、または敵対勢力の支持やその行動を失墜させるためのプロパガンダも存在する。

本来のプロパガンダという語は中立的なものであるが、カトリック教会の宗教的なプロパガンダは、敵対勢力からは反感を持って語られるようになり、プロパガンダという語自体が軽蔑的に扱われ、「嘘、歪曲、情報操作、心理操作」と同義と見るようになった[1]。このため、ある団体が対立する団体の行動・広告などを「プロパガンダである」と主張すること自体もプロパガンダたりうる。

またプロパガンダを思想用語として用い、積極的に利用したウラジーミル・レーニンソビエト連邦や、国家社会主義ドイツ労働者党(ナチ党)とナチス・ドイツにおいては、情報統制と組み合わせた大規模なプロパガンダが行われるようになった(詳細は「ナチス・ドイツのプロパガンダ」を参照)。そのため西側諸国ではプロパガンダという言葉を一種の反民主主義的な価値を内包する言葉として利用されることもあるが、実際にはあらゆる国でプロパガンダは用いられており[1]、一方で国家に反対する人々もプロパガンダを用いている[4]。あらゆる政治的権力がプロパガンダを必要としている[5]

なお市民的及び政治的権利に関する国際規約(自由権規約)は、戦争や人種差別を扇動するあらゆるプロパガンダを法律で禁止することを締約国に求めている[6]

報酬の有無を問わず、プロパガンダを行なう者達を「プロパガンディスト」と呼ぶ。


  1. ^ a b c d e f g h 松井一洋 2011, pp. 25.
  2. ^ 石井貫太郎 2004, pp. 40.
  3. ^ 今井仙一 1954, pp. 35.
  4. ^ 今井仙一 1954, pp. 40-41.
  5. ^ 今井仙一 1954, pp. 49.
  6. ^ 市民的及び政治的権利に関する国際規約第20条
  7. ^ 松井一洋 2011, pp. 29.
  8. ^ 松井一洋 2011, pp. 29-30.
  9. ^ 松井一洋 2011, pp. 30-31.
  10. ^ The techniques of persuasion 1963
  11. ^ Prophets of deceit 1949
  12. ^ a b 松井一洋 2011, pp. 28.
  13. ^ en:Peter KenezのThe Birth of the Propaganda State;Soviet Methods of Mass Mobilization 1985
  14. ^ 「何をなすべきか」 1902年
  15. ^ 亀田真澄 2011, pp. 71.
  16. ^ 今井仙一 1954, pp. 24.
  17. ^ a b 石井貫太郎 2004, pp. 41.
  18. ^ a b ブログ:間近で見た北朝鮮の軍事パレード - ロイター
  19. ^ ポンソンビー「戦時の嘘 ―戦争プロパガンダが始まった―」(東晃社、1941年)。Arthur Ponsonby"Falsehood in Wartime: Propaganda Lies of the First World War"(Allen and Unwin Pub., 1928),(Paoerback,Legion for the Survival of Freedom, 1991, ISBN 978-0-939484-39-3)ウィキクオート版
  20. ^ 意外だが、宣伝相ゲッベルスの言葉ではない
  21. ^ British think tank funded by Japan pushing anti-China campaign into mainstream UK media The Drum 2017年1月29日
  22. ^ 英媒:日本资助英国智库展开反华公关宣传 BBC(中国語)
  23. ^ NHKニュース7に見られる北朝鮮関連報道が特徴的
  24. ^ 「首相官邸前異状なし、報告すべき件なし」―テレビ報道の劣化 水島朝穂・早稲田大学教授 公式ウェブサイト内「今週の直言」2012年7月2日
  25. ^ 瀬川裕司 「ナチ娯楽映画の世界」 平凡社 ISBN 978-4-582-28238-2
  26. ^ 愛国ブログ記事が1本800円でクラウドワークスに発注されていたことが判明 「天皇制は男系であるべき」という記事も
  27. ^ ネット中傷:民主党“標的”10万件 都知事選と参院補選 毎日新聞 2007年4月27日
  28. ^ NHK総合テレビ特報首都圏「ネットの“祭り”が暴走する」、2007年7月6日放送分
  29. ^ イリーナ・メーリニコワ「ソヴェート映画に見るモスクワ神話」『言語文化』第2巻第1号(1999年7月)





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