プルシリーズ 能力

プルシリーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/03 23:37 UTC 版)

能力

身体能力
エルピー・プルはエル・ビアンノに取り押さえられる場面が多いばかりか、同程度の体格にして腹部を銃撃で負傷中のリィナ・アーシタとも、互角程度にしか立ち回れていない。プルツーはクイン・マンサのコックピットから離れようとする際、グレミー・トト(青年)に掴まれた腕を振りほどけずにいる。マリーダ・クルス(プルトゥエルブ)はコロニー中心付近(低重力)ブロックにおいて上方から落ちて来たガランシェールクルー(成人男性)を受け止めてはいるものの、バナージ・リンクス(民間人の少年)に格闘戦で追い払われるなど、各人は年齢相応の身体能力しか持たない[注 1]
植えつけられた敵意
その潜在意識には、エゥーゴの象徴であるΖΖガンダム、あるいは幾度もジオンを敗北に追いやった歴代の「ガンダム」という概念そのものへの敵意が植え付けられ、戦闘時に憎悪を増幅するように調整が施されており、この点もマリーダの描写で明らかにされている。
NTパイロットとしての能力
プルシリーズは実戦投入の時点ではまだ成体でなかったが、NTパイロットとして非常に優秀な能力を発揮し、ハマーン・カーン専用とされていた高性能のNT対応MSキュベレイを使いこなせた。存在が確認されている12体中、2番目の個体であるプルツーは最高レベルの能力を有していたとされ、サイコガンダムMk-IIクィン・マンサといった大型機動兵器を手足のように扱い、グレミー擁するNT部隊の主力を務めている。
一方、中にはパイロット適性が目標値に満たない個体も存在していたとされ、主な例としては第一次ネオ・ジオン抗争時のアクシズ攻防戦において、兵器システム「ラーフ・システム」の運用目的にグレミー側からインドラ隊に貸し出されている[8]

問題点

強化人間であるプルシリーズは指示を下す「マスター」の存在がなければ精神の平衡を保てず、その者との間に共依存関係を形成しやすい傾向にあったとされており、精神面での不安要素を多く抱えていた。プルは当初、自らのマスターとしてグレミーを慕っていたが、ΖΖガンダムのパイロットであるジュドー・アーシタとの接触によって意識調整が解かれ、彼の感性に惹かれてエゥーゴへ寝返っている。また、プルツーも最終的にはジュドーのもとへ出奔している。その後、グレミーの死亡によって拠り所を失ったプルシリーズは、強化人間化されたキャラ・スーンの操るゲーマルクに乗機の量産型キュベレイで応戦し、12番目の個体であるプルトゥエルブ(後のマリーダ・クルス)を除いて戦死している[2]


注釈

  1. ^ 小説版『機動戦士ガンダムUC』では、プルシリーズは高G下においても血流を一定に保つ強化筋肉や、合計12か所の心臓補助器官のほか、情報処理速度を高めた神経系を備えるとされている[7]
  2. ^ 物語開始時。ジュドーと初めて会ったU.C.0088年4月29日時点では11歳。
  3. ^ 綺麗好きかつ風呂好きでもあることについては、「交感神経の働きが活発になり、NT能力を高める効果につながる」との旨が、書籍『ガンダム MS&人物列伝 Special Edition2 ガンダムΖΖ・逆襲のシャア編』にて分析されている[10]
  4. ^ アニメ版でも一度だけ、ジュドーが「エルピー」と呼んでいる(第25話)。
  5. ^ この時の戦いで、プルは劣勢に陥った自分に思念の「声」を送り続けたカミーユのことを、「やさしい人」と評している。
  6. ^ 書籍『機動戦士ガンダム ニュータイプ伝説ぴあ』では、プルを殺害したことによるトラウマも含め、「心は逃げ出したいのに、肉体は兵士としてふるまうしかない」と記述されている[2]
  7. ^ マリーダがリディに対して説得を繰り返したとする資料もある[15]が、劇中ではおもにミネバが説得を繰り返している。
  8. ^ デザイン担当のことぶきつかさによれば、同ゲームは "UC NEXT 0100" の一環であり、オリジナル部分の物語に関しては宇宙世紀の正史扱いとなるとしている[17]
  9. ^ なお、前編に相当する『時獄編』でも条件を満たすとマリーダだけが離脱し、クシャトリヤはそのまま自軍として入手できる。

出典

  1. ^ a b アニメディアΖΖ2 1987, p. 91.
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n NT伝説ぴあ 2021, pp. 50–51.
  3. ^ 『機動戦士ガンダムΖΖ』小説版より。
  4. ^ あさのまさひこ、五十嵐浩司『’80sリアルロボットプラスチックモデル回顧録』竹書房、2022年、ISBN 978-4-80-192972-2、p.28。
  5. ^ 『データコレクション 機動戦士ガンダムΖΖ』より。
  6. ^ 『ビークラブ』No.15、『アニメディア』別冊「機動戦士ガンダムΖΖ PART2」。
  7. ^ 小説『機動戦士ガンダムUC 4巻 パラオ攻略戦』、ISBN 978-4047150607、p.238
  8. ^ 漫画『機動戦士ガンダムΖΖ外伝 ジオンの幻陽』、書籍『データガンダム キャラクター列伝[宇宙世紀編II]』p.131
  9. ^ 『プルFile』(カンゼン刊、2016年10月27日発売、ISBN 978-4-862-55369-0) p.199
  10. ^ a b c d レッカ社『ガンダム MS&人物列伝 Special Edition2 ガンダムΖΖ・逆襲のシャア編』PHP研究所、2015年、ISBN 978-4-56-982336-2、p.139
  11. ^ a b c レッカ社『ガンダム MS&人物列伝 Special Edition2 ガンダムΖΖ・逆襲のシャア編』PHP研究所、2015年、ISBN 978-4-56-982336-2、p.138
  12. ^ 『ジ・アニメ』1986年8月号。
  13. ^ 『機動戦士ガンダムヒロインズ』宝島社、1998年、ISBN 978-4-79-661418-4、p.117
  14. ^ 週刊MSバイブル135 2022, p. 16.
  15. ^ a b c 週刊MSバイブル135 2022, p. 23.
  16. ^ 週刊MSバイブル135 2022, p. 4.
  17. ^ ガンダムエース02 2022, p. 527, 「《ことぶきつかさ》の出来るまで」第54回.
  18. ^ UC ENGAGE公式キャラ 2022.
  19. ^ ガンダムエース01 2023, p. 38-39.






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