プリンスホテル 概要

プリンスホテル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/19 03:54 UTC 版)

概要

西武グループによるホテル・リゾート事業は、国土計画(後のコクド、2006年2月解散)が主導して計画・立案した箱根軽井沢などへの観光地への進出を図ったのが源流である。社名は、太平洋戦争敗戦に伴い行われた皇籍離脱後、生活に困窮した旧宮家の土地を購入し、ホテルを開業した事に由来している(後述の千ヶ滝プリンスで命名されたのが起源)。また、旧宮家をグループで雇用することにより、生活の安定に大きく寄与した。

当初は西武百貨店と近い関係で、次男・堤清二がプリンスホテルを含むホテル・リゾート事業に関わっていた[2]

国土計画・西武鉄道の創業者である堤康次郎が1964年に死去し、清二が西武百貨店の、三男・堤義明が国土計画・西武鉄道の後継者の座に就くと、清二から義明にホテル・レジャー事業の実権が移る。

西武企業グループが西武鉄道グループ西武流通グループの2つに分立すると、ホテル・レジャー事業は鉄道グループに属することになり、1971年に西武鉄道のホテル部門を独立させる形で「(初代)株式会社プリンスホテル」を設立。康次郎の五男で、西武百貨店寄りの要職に就いていた堤猶二が社長に就任する(後にセゾン下のIHGの社長・東京テアトル社長を歴任)。同氏によって「プリンスホテルスクール」が設立され、各種学校としてホテリエの育成を手がけ始めるが、1976年に笹川良一率いる財団法人日本船舶振興会が支援した「財団法人日本ホテル教育センター」に経営が譲渡され、「専門学校 日本ホテルスクール」として継承されている。ホテル会社によって設立されたホテル養成学校は、プリンスホテルスクールが日本国内では唯一であり、その設立には一定の評価がなされている。

1980年代からは大規模なスキーリゾートシティホテル首都圏東北地方北海道を中心に数多く進出させる。また、時期を前後してアメリカ合衆国ハワイアラスカグアム)やカナダ東南アジア諸国、台湾オーストラリアなどの海外リゾート企業を買収・提携のうえで進出を行い、バブル景気の中でプリンスホテルの母体であったコクドは日本一のホテル・レジャー事業を運営する企業へ成長した。

コクドの下で行われてきた事業拡大に合わせて資金調達に用いた方法は、膨大な含み益を持つ東京都心の品川高輪赤坂といった超一等地の土地を担保に、銀行などから巨額の融資を得て土地を取得。その後、ホテルやレジャー施設を建設して土地の付加価値を高め、値上がりした地価上昇分で更に銀行融資を受けるものであった。

日本の経済バブル景気に突入した1980年代末期から、加速した地価上昇により保有する土地の含み益が大幅に増加すると、さらに積極的にホテル・リゾート事業の拡大を推し進めることになった。1990年代バブル崩壊後は、地価上昇を前提にした事業計画は軌道修正されたが、平成不況期にあっても、プリンスホテル事業はリストラや事業再編されず、2005年の「東京プリンスホテルパークタワー」の開業まで続けられていた。

2004年(平成16年)に西武鉄道を舞台にした総会屋利益供与事件・有価証券報告書虚偽報告事件により、堤義明が失脚。2006年前半(2005年度末)に西武グループが西武ホールディングスの下で再編される際に、不採算施設については順次、営業終了もしくは不動産と運営権を売却することとなり、それ以外の(旧)コクド、(初代)プリンスホテル、西武鉄道(西武線沿線施設は除く)が所有するホテル・リゾート事業の不動産については「(二代目・新)株式会社プリンスホテル」のもとに集約・統合された。また、それまでプリンスホテルが発行していた、西武グループのレジャー施設を全て網羅した冊子『レジャーガイド』も2006年版をもって発売終了となった。

2006年の西武グループ再編以前までの「(初代)株式会社プリンスホテル」は、堤義明の計画立案により西武鉄道伊豆箱根鉄道近江鉄道西武不動産といったコクドの傘下企業(主に首都圏と関西)が開発した、あるいは地場企業とコクドの合弁や地方自治体の誘致による第三セクター方式で設立した運営会社(海外、苗場スキー場・軽井沢プリンススキー場以外のスキーリゾートなど)が開発した「プリンスホテル」のフランチャイズや客室販売など対外的なマーケティング事業が主体であり、経営自体は各社が行っているため統一的な戦略はなかった。(初代)プリンスホテルの自社物件は「サンシャインシティ プリンスホテル」のみである。

2006年7月、高輪地区と品川地区の競合解消のため、2名いた総支配人を1名にし、高輪地区を上位とする地区統合を行なった。2007年12月中に、本社を埼玉県所沢市の西武鉄道本社ビルから、東京都豊島区東池袋サンシャインシティプリンスホテルへ移転した。

2007年4月1日にホテルブランドの「プリンスホテル」はグレードに応じた3つのカテゴリーに細分化され、シンボルマークを一新した。

2017年7月3日、「パークレジス」と「レジャーイン」のブランドを展開するオーストラリアのステイウェルホスピタリティーグループからホテル事業を買収した[3]

2018年11月13日、イギリスの高級ホテル「ザ・アーチ・ロンドン」買収を発表。同社では最上級ブランドと位置付けて新設した「ザ・プリンス・アカトキ」への改称を予定している[4]

2019年4月15日に本社を東京都豊島区南池袋西武ホールディングス新本社ビル「ダイヤゲート池袋」14階・15階へ再移転した。

売上高はホテル業界で日本一である。




  1. ^ No.1の理由|「プリンスホテル」を知る|株式会社プリンスホテル 新卒採用情報” (日本語). recruit.seibugroup.jp. 2020年7月19日閲覧。
  2. ^ 鈴木哲也『セゾン 堤清二が見た未来』五章、ホテル・レジャー、日経BP社、2018年9月21日[要ページ番号]
  3. ^ プリンスホテル、豪社のホテル事業買収 43億円
  4. ^ 「英高級ホテル買収 プリンスホテル 日本流サービス展開」日刊工業新聞』2018年11月14日(3面)2018年12月15日閲覧。
  5. ^ 赤プリ跡地の「ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町」7月27日開業 朝日新聞デジタル&M 2016年1月15日。
  6. ^ 東京初のラグジュアリーコレクションブランドのホテル「ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町」7月27日に開業 traicy 2016年1月24日
  7. ^ プリンスホテル 名古屋駅南に広がる大規模再開発エリア「ささしまライブ 24」内「グローバルゲート」に名古屋初のホテルを開業【2017年秋 開業予定】 プリンスホテル 2015年8月20日
  8. ^ 名古屋プリンスホテル:オープンし、開業式典”. 毎日新聞 (2017年10月2日). 2017年10月12日閲覧。
  9. ^ プリンスホテル、静岡・熱海に進出 訪日客需要に的 2018年10月16日日本経済新聞記事
  10. ^ 松花湖プリンスホテル
  11. ^ 東京都江東区潮見の新ホテル名称を「東京ベイ潮見プリンスホテル」に決定、2020年7月開業予定 2018年10月16日日本経済新聞記事
  12. ^ “清水寺近くの小学校跡にホテル、プリンスホテルなど”. 日本経済新聞. (2019年9月2日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49310000S9A900C1LKA000/ 
  13. ^ 磯子区歴史年表(磯子区役所刊)
  14. ^ ニュースリリース 2006 ホテル事業の譲受けについて 三菱化学 2006年11月9日付
  15. ^ Mortgage Holders Prevail in Auction of Former Maui Prince Hotel Wall Street Journal 2010年5月28日付記事(英語)
  16. ^ 「東京ガーデンテラス(グランドプリンスホテル赤坂跡地開発計画)」内にオープン予定の新ホテル名称を「ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町」に決定 - プリンスホテル、2015年1月13日
  17. ^ 蒲郡クラシックホテルの歴史”. 蒲郡クラシックホテル (2013年2月20日). 2015年2月23日閲覧。
  18. ^ リニューアルOPEN!! - 奥琵琶湖マキノグランドパークホテル(2012年3月30日付、同年8月25日閲覧)
  19. ^ 当社保有施設の一部施設の賃貸先変更に関するお知らせ - 西武鉄道2012年5月22日
  20. ^ 事業所の営業終了のお知らせ - プリンスホテル2012年5月22日
  21. ^ 「田端プリンスホテル」の名称差し止めを求め提訴 - テレ朝news 2018年6月7日、2018年7月4日閲覧。
  22. ^ プリンスホテル“プリンス”めぐり和解成立 - 日テレNEWS24 2018年9月7日、2018年12月2日閲覧。
  23. ^ 2008年2月3日付・読売新聞
  24. ^ 第169回国会 予算委員会 第10号(平成20年2月18日)
  25. ^ プリンスホテル「真摯に受け止める」港区が事情聴取 朝日新聞2008年3月28日
  26. ^ 日本教職員組合様に対する対応についての記者会見におけるご説明文 (PDF) 2008年2月26日付、「Prince Hotels & Resorts」公式サイト 2007年3月1日閲覧
  27. ^ 今回の日本教職員組合様に対する対応について当社の考え方 2007年2月5日 (PDF) 「西武グループホームページ」2007年3月1日閲覧
  28. ^ プリンスホテル会長ら起訴猶予=日教組会場使用拒否-東京地検時事通信2010年7月1日
  29. ^ 日教組がプリンスホテルに3億円の損害賠償を請求
  30. ^ プリンスホテルに約3億円賠償命令 日教組集会使用拒否
  31. ^ 日教組へ賠償6割減額 プリンスホテル集会拒否





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