プラント (ガンダムシリーズ)
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ザラ派
クライン派とは対照的に、プラント最高評議会において、地球連合に対する急進派となる派閥。
その筆頭となるパトリック・ザラはコーディネイターに対しての迫害と尊敬を一身に受けてきた世代であり、それが高まるほど優越思想に傾倒していった[56]。そのため、コーディネイターの出生率低下が問題視された際も、パトリックはその思想を捨てたシーゲルとは対照的に[56]、あくまで科学技術の発展によるコーディネイター存続を望んでいた[38]。
パトリック・ザラの議長就任後は「オペレーション・スピットブレイク」によって地球軍本部を壊滅に追い込み、地球圏の支配権を握る目算を立てていたものの[67]、情報の漏洩によって同作戦に失敗。ただし、同時期に起こった「フリーダム強奪事件」によってラクス・クラインの犯行が明らかとなったため、これを機に司法局を動かし、クライン派議員の拘束を行う[68]。
これによって議会はザラ派優位の方向へ傾くものの、ヤキン・ドゥーエ攻防戦の最終局面によってパトリック・ザラが死亡した事と、幽閉されていたカナーバらクライン派議員が蜂起をしたために政権は転覆[69][70]。その後の戦後処理もカナーバを議長として臨時政権によって執り行われる事となった[71]。
CE73年においては穏健派のギルバート・デュランダルが政権を握ったため、軍部においてそれに意に反する旧ザラ派の支持者の一部は脱走兵となり、テロリストとして活動した[72]。
脚注
注釈
- ^ ムルタ・アズラエルは、プラントの形状を揶揄して「あの忌々しい砂時計」と罵った。
- ^ アニメーション「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」第2話においてはアビスガンダムの高出力ビームの砲火を耐えてみせたが、直後にカオスガンダムによるビーム砲火を受け、貫通している
- ^ ただし、ユニウスセブンの残骸には原子力発電設備も存在したため[6]、核エネルギーの利用も行っていたようである
- ^ これには食料を政治カードとし、プラントに対する優位性を維持しようとする理事国の思惑があった[8]。CE70年2月14日に起きたユニウスセブンへの攻撃もまた、自給能力を破壊し独立意識を奪う事を目的としていた[5]。
- ^ こういったテロには、戦乱を目論むロゴスによる指示も存在したとされている[9]。
- ^ その一方で、地球圏国家にあってプラント理事国でなかった国々は理事国との間に大きな経済格差が生じていたため[11]、大戦の際は大洋州連合のようにプラントへ味方する国家も出現した
- ^ ただし、プラントが正式に独立国家となったのはギルバート・デュランダルの議長就任後である[15]。
- ^ 一方で、CE70年に議長を務めていたシーゲル・クラインがCE68年に議長選出されたとする資料も存在する[25][26]。
- ^ 『機動戦士ガンダムSEED』本編においてザラ派の政権掌握時は、過激なナチュラル排斥が唱えられていたが、国内のナチュラルを排斥する行動は見られなかった。
- ^ 全ての登場人物の職業が明かされてはいないものの、アンドリュー・バルトフェルドの学者(広告心理学・振動工学)、ニコル・アマルフィのピアニスト、イザーク・ジュールの最高評議会文官(下位)議員[32]、ミハイル・コーストの医師、シホ・ハーネンフースのエネルギー研究技術者などが判明している
- ^ 一方で、『機動戦士ガンダムSEED』放送時の雑誌紹介記事では「ラウ大尉」や[33]、「ミゲル・アイマン軍曹」[34]と記載したものもみられた。
- ^ 黄道同盟時代の軍服は「SEED DESTINY」においてラウ・ル・クルーゼが赤服を着用している姿が見られた[45]
- ^ 実娘であり当派閥の新たな領袖であるラクスが父親のこの考えをどの程度理解していたか不明だが、逃亡中に発した声明で「婚姻統制を行ってもコーディネイターに未来は無い」と言った趣旨の発言をしていた。
- ^ 『ガンダムSEED』シリーズにおいて設定を担当した下村敬冶は書籍記事において、この宇宙進出の為にクライン派が用意していた外宇宙航行手段こそがジェネシスであり、後に政権を奪取したザラ派の手によって軍事兵器として転用(改造作業はクライン派に内密で行われた)されたと語っている[58]。
- ^ 『SEED DESTINY』の劇中ではエターナルの隠匿、支援組織の「ターミナル」や「ファクトリー」によるストライクフリーダムやインフィニットジャスティス、ドムトルーパーなどモビルスーツの製造、ミネルバが地球軍から奪還したガイアの横流しを行っている。また、ヒルダ、マーズ、ヘルベルトの3人組のように、ラクスの唱える理念に賛同し、それを実現すべくパイロットとして加わる軍人も登場し、「ラクス様の為に!」を合言葉とする。
- ^ ただし、CE73年からのプラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルは穏健派に属しているが[64]、二次大戦においてラクス・クラインと対立している。
- ^ ラクスは講和の折にプラントとオーブの仲介役となった[66]。
出典
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