プランテーション プランテーションの概要

プランテーション

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/21 07:37 UTC 版)

コーヒーのプランテーション(ブラジル

植民地主義によって推進され、歴史的には先住民黒人奴隷などの熱帯地域に耐えうる安価な労働力が使われてきた。多くの国々が脱植民地化を経た現代では途上地域などの現地雇用を主な働き手とする場合が増えている。経営主体は、国営/企業/民間など様々である。経営する側を、プランターと呼ぶ場合もある。生産国の経済を支え、日本を含め諸国が安価な輸入品を享受できる一面を持つが、後述の問題をはらんでいる[1]

人道上にある問題

この「安価な労働力」は、かつては植民地の原住民あるいは奴隷であり、現在は発展途上国の農民であり、労働者人権が問題とされることがある。また開発されてきた土地は、先住民族の居住区または利用してきた土地・森林を多く含む。

こうした問題に対する国際的な取り組みとして、1957年には原住民及び種族民条約(ILO条約107号、1989年に第169号に改正)、1958年には農園労働者の雇用条件に関する条約ILO条約第110号)、2007年には先住民族の権利に関する国際連合宣言が採択された。

こうした制度の下では、先住民族はたとえ正式な土地権利の書類を持ちあわせていなくとも、慣習的な権利は国際的または国内法上で認められている。しかし現実の開発では、土地利用についての適切な調査、あるいは事前の説明・協議(FPIC; en:free, prior and informed consentと呼ばれる同意手続き)が行われないまま強硬に進められたとして、紛争が生じる例もある[2]

環境問題

水質汚染森林破壊農薬問題などの環境破壊が問題とされることも多い。FoE Japanによれば、プランテーションの造成の仕方によっては、ある程度の生息地を残すことも可能だが、基本的には、熱帯林がプランテーションに転換されると、約8割から10割の哺乳動物爬虫類鳥類が消失してしまうという[2]。熱帯林は一度伐採・開発してしまうと再生が難しく生態系の復活は極めて困難であるとされている。

天然林のプランテーション化で気候変動の影響も危惧される。特に泥炭湿地林を伐採する場合、地中に蓄えられている炭素が二酸化炭素として空気中に排出されてしまう。泥炭地は水に浸かった土壌で植物遺骸の分解が遅れ、堆積して形成される有機質土(泥炭土)で、大量の炭素を貯蔵している。


  1. ^ 熱帯プランテーションとはプランテーション・ウォッチ , 2015年9月5日閲覧
  2. ^ a b http://www.foejapan.org/forest/palm/
  3. ^ 構造的問題について プランテーション・ウォッチ , 2015年9月5日閲覧
  4. ^ 島本美保子 (2014). “第3章 開発途上国の森林の持続可能性に有効な政策手段は何か?”. 途上国からみた「貿易と環境」 : 新しいシステム構築への模索. 日本貿易振興機構アジア経済研究所. https://hdl.handle.net/2344/00011247 
  5. ^ “The impact of voluntary sustainability standards on small-scale farmers in global commodity chains”. Common Fund for Commodities. (2018). http://www.common-fund.org/wp-content/uploads/2019/07/CFC-AR-2018_Impact-of-voluntary-sustainability-standards.pdf 
  6. ^ 森林保全の制度: RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)”. 環境省. 2020年1月2日閲覧。
  7. ^ 世界の主要な森林認証制度の現状と評価 ~CSA, SFI, FSC, PEFCの比較~”. FoE Japan. 2020年1月2日閲覧。
  8. ^ 労働者の権利を守るためのさらなる一歩:承認された国際労働機関(ILO)指標の適用”. FSCジャパン (2018年5月2日). 2020年1月2日閲覧。
  9. ^ APP社、APRIL社関連問題 情報まとめ(2003年~2010年)”. WWFジャパン (2010年12月14日). 2020年1月1日閲覧。
  10. ^ FSCと組織の関係に関する指針”. FSCジャパン (2019年10月21日). 2020年1月2日閲覧。
  11. ^ APP関連問題 - スマトラ島から熱帯林が消える! APP社の森林伐採 WWFジャパン , 2015年9月6日閲覧
  12. ^ Asia Pulp & Paper's Anti-Deforestation Pledge: Sign of a Changing Industry?”. World Resources Institute (2013年2月14日). 2020年1月6日閲覧。
  13. ^ 長谷川周人 (2019年12月4日). “インドネシアの製紙会社が日本人ボランティアと連携 : 本物の森で生態系回復目指す”. ニッポンドットコム. ニッポンドットコム. 2020年1月4日閲覧。
  14. ^ エイピーピー・ジャパン タン会長「500の村落の自立支援し違法伐採なくす」”. 日経ESG. 日経BP (2018年7月9日). 2020年1月3日閲覧。
  15. ^ エイピーピー・スリタバ役員「森林保全のため社会課題解決目指す」”. 日経ESG. 日経BP (2019年10月21日). 2020年1月3日閲覧。
  16. ^ http://www.todayonline.com/singapore/38-firms-sign-haze-free-declaration-so-far
  17. ^ FairPrice among firms yet to sign 'haze-free' declaration





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