ブータン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/06 13:56 UTC 版)
マスコミ
ブータンにおける新聞には『クエンセル』が広く知られている。また、1999年まではTV放送が禁止されていた。
通信
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文化
ブータンは、気候・植生が日本とよく似ている上に、仏教文化の背景も持ち合わせており、日本人の郷愁を誘う場合も多い。これはモンスーン気候に代表される照葉樹林地帯(ヒマラヤ山麓-雲南-江南-台湾-日本)に属しているためで、一帯では類似の文化的特徴を見い出すことができる[48]。
食文化
ブータンの主食は米である。食文化においてはトウガラシの常食と乳製品の多用という独自の面を有しつつ、ブータンで広く食される赤米たるブータン赤米を中心に、パロ米(日本米)、プタ(蕎麦)の栽培、リビイッパ(ブータン納豆)、酒文化(どぶろくに似た醸造酒「シンチャン」や焼酎に似た蒸留酒「アラ」)などの日本人の琴線に触れる習慣も多い。
文学
ブータン文学はかつて宗教的な教義に傾注されていたが、現在では民間伝承に焦点を当てているものが多い。
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音楽
ブータンの音楽にはボエドラ、ジャンドラと呼ばれる民俗音楽があり、この2つが古くから国民の音楽文化を支えて来た。
また、リグサールと呼ばれる大衆音楽が1960年代に登場しており、電子楽器を用いる点やロックのように「より速いリズム」を追求する点から殆どの伝統的な音楽とは対照的な存在となっている。
ブータンを代表する音楽家にはジグメ・ドゥクパが挙げられる。ドゥクパはブータンにおける主要な音楽学者としても知られている。
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美術
ブータンの芸術はチベットの芸術との類似点が多く、どちらもヴァジュラヤナに基づいている事が共通している。また、伝統工芸においては日本の漆器や織物などの類似点もある。
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衣類
ブータンの男性の民族衣装「ゴ」は日本の丹前やどてらに形状が類似していることから、呉服との関連を指摘する俗説もあるが、「ゴ」の起源は中央アジアとされており、日本の呉服とは起源が異なる。
男性の民族衣装がチベット系統であるのに対して、女性の民族衣装「キラ」は巻き衣の形式を取り、インド・アッサム色が濃い。この点により、ブータンの服飾は北から流入したチベット系文化と元来存在した照葉樹林文化が混在しているといえる。
また、ゴはカムニと呼ばれるスカーフ状の装飾品がセットとなっている点が最大の特徴である。
建築
ブータンにおける建築はゾン建築が主体となっている。ブータンでは法令により、全ての建物が色とりどりの木製の間口、小さなアーチ型の窓、傾斜のある屋根の3点を必ず取り入れる形で建設することを定められている。
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映画
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祭礼
ツェチュと呼ばれる祭りがブータン暦(12か月)の毎月10日に開催されている。ツェチュはチベット仏教における伝統的な祭礼の一つでもある。
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祝祭日
日付 | 日本語表記 | 現地語表記 | 備考 |
---|---|---|---|
2月21-23日 | 現国王誕生日 | 太陽暦 | |
5月2日 | 第3代国王誕生日 | ||
6月2日 | 現国王戴冠記念日 | ||
7月30日 | 第3代国王逝去日 | ||
9月22日 | 安雨居 | Blessed Rainy Day | |
11月11日 | 第4代国王誕生日 | ||
12月17日 | 建国記念日 | ||
1月1日-2日 | 新年 | Losar | ブータン暦 |
4月15日 | 花祭り | Lord Buddha’s Parinirvana | |
5月10日 | パドマサンババ生誕記念日 | ||
6月4日 | 初転法輪 | The First Sermon of Lord Buddha | |
ダサイン | Dashain | ネパール暦 | |
9月22日 | 神降祭 ラパウトゥーチェン | Decending Day of Lord Buddha | ブータン暦 |
11月5日 | Meeting of Nine Evils | ||
12月1日 | Traditional Day of Offering |
この他、ツェチュなど各ゾンカク独自の祝祭日がある。また、ティンプーでは初雪の日は休日になるという慣例がある。
観光
近年、ブータン政府が打ち出している観光政策は「高品質な旅を少数の人に(High Value, Low Volume)」である。新型コロナで外国人旅行客を制限していたが、2022年9月に受け入れを再開。それに関して観光に関わる政策を大きく2点見直した。一つはいわゆる観光税の値上げで、これまで旅行者からは65ドルを徴収していたが、これを一人一泊200ドルに大幅に値上げした。二つ目は公定料金の見直しで、外国人観光客は公定料金と呼ばれる定額料金を支払うのが原則だった。これには、いわゆる観光税、ホテル代、ガイド料金、交通費、食費を含めて250ドル前後であった。この制度は廃止され個別に支払い、料金は業者側が設定できるようになった。
注釈
出典
- ^ “Bhutan” (英語). ザ・ワールド・ファクトブック. 2022年8月21日閲覧。
- ^ a b c d e f g “World Economic Outlook Database, October 2021” (英語). IMF (2021年10月). 2021年11月10日閲覧。
- ^ “Frequently Asked Questions”. Royal Monetary Authority of Bhutan. 2021年4月18日閲覧。
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- ^ a b JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.B03050965100、各国内政関係雑纂/英領印度ノ部 第一巻(外務省外交史料館)、1910年、5頁
- ^ JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.B03050965100、各国内政関係雑纂/英領印度ノ部 第一巻(外務省外交史料館)、1910年、6頁
- ^ 朝日新聞社中央調査会 1942, p. 277.
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- ^ ブータン王国教育省教育部 2008 p. 123.
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