ブログ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/09 15:15 UTC 版)
分類
- モブログ (moblog)
- 主に携帯電話などのモバイル通信端末を使用しメールを送信して更新する
- フォトログ (photolog, fotolog)
- 写真画像を主体として更新される
- ブイログ(ないしヴログもしくはビデオログとも)(Vlog)
- ビデオコンテンツの配信を主体とする
- エログ (elog, erog)
- アダルトコンテンツを扱う
- ノベログ (novelog)、ブログ小説
- 自作の小説を話数ごとに分けて更新するもの
- ファッションブログ (fashion blog)
- ファッションジャンルに特化したブログ
- ブログメディア
- おもに法人が、ビジネス目的に複数人で組織として運営するもの。「双方向性」という特性を利用しつつ、専門性に特化した内容を発信する。ブログのように時系列を逆順に記事が並ぶサイトを指し、雑誌メディアをも置換しうる新メディアともなっている。
日本における普及
日本ではブログよりも先に電子掲示板のほか、Web日記、個人ニュースサイトといったウェブサイト、さらにそれらに付随するコミュニティも存在したことから、当初は日本での普及には懐疑的な見方もあった。
しかしながら、実際にはサービスツールの日本語化などによって2002年(平成14年)頃から急速に普及し、2005年(平成17年)3月末の時点においては日本国内での閲覧者数(少なくとも月に1度はブログを閲覧している)が約1,651万人いると総務省から発表された[2]。また、2004年(平成17年)9月から翌年9月にかけての利用者数の増加が特に顕著であり、この間に約2倍に増加したことによって2,000万人を超えたという調査報道もなされた[3]。
日本におけるブログは、各ブログの投稿数が多いことを特徴としており、その結果として、2006年(平成18年)の第4四半期には全世界のブログ投稿の約37%を日本語によるものが占めていたほどで、当時、英語や中国語を上回る第1位となっていた[4]。また、日本独自のブログ形態として、携帯電話からの写真付投稿等に対応したブログ「モブログ」(「Mobile Blog」の略)がある。
ブログ活用の先駆者として知られるのが真鍋かをりと中川翔子で、真鍋は内容まとめて投稿するテキストサイト的なスタイル、中川は後のSNSのように日常の出来事を逐次更新するミクロ的なスタイルを特徴とする[5]。
市民権を得たブログは、個人による運営のほか、企業、人気芸能人や政治家、その他著名人などによっても作成されるようになった。この流れは、のちの「ミニブログ」と称されるツイッター等にも引き継がれている。
年表
- 1999年
- 4月15日:米国で「LiveJournal」がサービス開始。
- 8月23日:「Blogger」がサービス開始(英語版。2003年2月にGoogleが買収。2004年11月15日より多言語対応)
- 1999年から2000年にかけて、日本でもアフィリエイト広告が開始される(成功報酬型広告#歴史を参照)。
- 2001年
- 2003年
- 1月16日はてなが「はてなダイアリー」ベータ版をサービス開始(3月13日より正式サービス開始、はてなのサービス一覧も参照)。
- 7月29日:ドリコムが「マイプロフィール」にブログ機能を追加(8月18日、「マイブログジャパン」としてベータ版をサービス開始。2004年9月24日「ドリコムブログ」へ改称、2009年10月16日、ライブドアへ譲渡)。
- 11月1日:エッジが「livedoor Blog」ベータ版をサービス開始(12月より正式サービス開始)。
- 11月:シーサー株式会社が「Seesaaブログ」をサービス開始[7]。
- 11月:ブログポータルサイト「BlogPeople」サービス開始。
- 11月:NTTデータが「Doblog(ドブログ)」をサービス開始。
- 12月2日:ニフティが「ココログ」をサービス開始。ブログブームの火付け役となる[7]。
- 12月15日:サイバーエージェントが「melma!blog」をサービス開始。
- 12月:応用通信電業がブログサービス「BLOCKBLOG」をサービス開始[8]。
- 2004年
- 2月:「mixi」ベータ版サービス開始(3月3日、正式サービス開始)。
- 2月2日:エキサイトが「エキサイトブログ」ベータ版をサービス開始。
- 2月4日:マーク・ザッカーバーグらによる学生専用サイトとして「Facebook」が開始(英語版)。
- 2月13日:株式会社paperboy&co.が「JUGEM」ベータ版をサービス開始(7月6日より正式サービス開始)。
- 2月21日:「GREE」アルファ版サービス開始(田中良和の個人サイトとして公開、12月7日に法人化)。
- 3月16日:AOLジャパンが「AOLダイアリー」をサービス開始[9]。
- 3月22日:BIGLOBEが「ウェブリブログ」をサービス開始。
- 3月30日:NTTコミュニケーションズが「ブログ人」をサービス開始(のち「OCNブログ人」へ改称[10])。
- 3月:NTT-Xが「gooブログ」をサービス開始。
- 6月15日:ブログサービス「ヤプース!」をGMOが買収し「ヤプログ!」へ改称してベータ版をサービス開始。
- 6月21日:NHN Japanが日本向けブログサービス「NAVERブログ」を開始。
- 7月1日:teacup.がブログサービス「AutoPage」を開始。
- 8月4日:マイクロソフトがブログサービス「MSNスペース」ベータ版をサービス開始。
- 8月24日:ブログポータル「BlogPeople」に「トラックバック・ピープル」が機能追加。
- 9月16日:サイバーエージェントが「Amebaブログ」をサービス開始。
- 10月29日:FC2が「FC2ブログ」をサービス開始。
- 11月24日:ソニーネットワークコミュニケーションズが「So-net blog」オープンベータ版をサービス開始。
- 2005年
- 1月31日:Yahoo!Japanが「Yahoo!ブログ」ベータ版をサービス開始。
- 2月7日:株式会社paperboy&co.が「ロリポブログ」をサービス開始。
- 5月19日:KDDIがエキサイトと提携し「DUOBLOG」をサービス開始(2007年9月27日「au one ブログ」へ改称)。
- 6月2日:NHN Japanが「CURURU」をサービス開始、日本向け「NAVERブログ」を引き継ぐ。
- 11月30日:サイバーエージェントが「melma!blog」をサービス終了。
- 12月1日:「ブログ」がユーキャン「2005年新語・流行語大賞」に選ばれる。
- 2006年
- 2007年
- 3月1日:Davidville, Inc.が「Tumblr」をサービス開始(英語版。2011年3月、日本語ベータ版サービス開始)。
- 2008年
- 4月23日:Twitter日本語版がサービス開始。日本での普及が始まる。
- 5月19日:Facebook日本語版がサービス開始。日本での普及が始まる。
- 5月30日:ライブドアが新ブログサービス「nowa」を開始(2009年3月31日サービス終了)。
- 6月26日:キュルイ(旧応用通信電業、ルーズフィット)が「BLOCKBLOG」をサービス終了[8]。
- 2009年
- 1月31日:イー・アクセスが「AOLダイアリー」をサービス終了[13]。GMOティーカップ・コミュニケーションとの提携により、同社のブログサービス「AutoPage」への移行を可能とした[13]。
- 4月23日:pixivがライブドアと提携し「pixivブログ」をサービス開始。
- 5月30日:NTTデータの「Doblog」が、同年2月に発生したシステム障害によるデータ消失を復旧できないままサービス終了[14](NTTデータ#ブログサービスを参照)。
- 2010年
- 2011年
- 2012年
- 2月29日:pixivが「pixivブログ」をサービス終了。
- 5月17日:ベクターが「maglog」をサービス終了[17]。
- 2014年
- 2016年
- 2019年
- 2020年
- 1月31日:「ヤプログ!」がサービス終了[26][27]。
- 6月1日:ソニーネットワークコミュニケーションズが、ブログサービス「SSブログ」(旧「So-net blog」)をSeesaaへ事業譲渡[28]。
- 2021年
- 2022年
問題点
アフィリエイト広告とFlog
ブログにアフィリエイト広告などを貼り収入を得るブロガーも増え、また企業が宣伝目的に利用するケースも増えており、企業が商品をブロガーに提供し宣伝を書いてもらう広告なども存在している。
アメリカでは、企業が個人になりすまして商品の宣伝広告を記事にする一種の偽ブログを製作していた事(ステルスマーケティング)が判明し、2006年12月、やらせサイトやブログに関して規制する法案が連邦取引委員会に提出されるまでの騒ぎとなった。現状州法での規制がなされている。
日本では、NHKがニュース番組でこのことに触れ、企業が商品を提供し宣伝を書くことがあると伝えたところ、2ちゃんねるでは「企業がサクラを雇っている」と取られてしまい、NHKが取材したブログが炎上する結果となってしまった。
英語版ウィキペディアによると、英語圏では「やらせブログ」のことをFlog (Fake blog, Flipped blog) と表現するという。
選挙活動
2004年のアメリカ大統領選挙ではハワード・ディーンを始めとする民主党陣営が積極的にブログを活用した。
日本では2005年に行われた第44回衆議院議員総選挙において、有効活用の動き(ネット選挙)があったものの、ブログを含めたウェブページは「(新たな)文書図画の頒布による選挙運動」と見なされ、公職選挙法によって候補者のウェブサイトは選挙告示以降の更新が停止されるという問題があり、あまり活用はされなかった。この点については当時議論が行われており、また現行法の枠内でも投票を呼びかけなければ(つまり選挙に関係ない一般的な話題であれば)更新してもよいのではという意見もあり、2013年のネット選挙解禁まで法律上不安定な状況が続いた。
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