ブラッド・ピット キャリア

ブラッド・ピット

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/01 15:41 UTC 版)

キャリア

初期の活動

1987年に『追いつめられて』の端役で映画デビュー(クレジットなし)[9]。1987年5月にはNBCのソープオペラ『Another World』に2話出演しテレビデビューした[13]。同年11月ABCのシットコム『愉快なシーバー家』にゲスト出演した[14]。1987年12月から1988年2月にはCBSの『ダラス』にチャーリー・ウェイドのボーイフレンドのランディ役で4話出演した[15][11]。ピットはそのキャラクターを「干し草に引っかかる馬鹿なボーイフレンド」と説明している[16]。1988年にはフォックスのドラマ 『21ジャンプストリート』にゲスト出演した[17]

同年、『リック』で映画初主演。しかしこの作品はクロアチア紛争勃発のために一時お蔵入りとなり、1997年まで公開されなかった[9]。1989年にはホラー映画『処刑教室-最終章-』で主演を務めた[14]。テレビでは『Head of the Class』、『フレディの悪夢』、『ナイスサーティーズ』にゲスト出演したほか、『愉快なシーバー家』に再出演した[18]

1990年にはNBCのテレビ映画『トゥルー・ブルース』で主人公ビリーを演じ、ジュリエット・ルイスと共演した[19]。また同年、フォックスの全6話の短期ドラマ『グローリー・デイズ』[11]HBOのテレビ映画『ザ・イメージ』に出演した[20]。翌1991年の映画『傷だらけのランナー』ではリック・シュローダー演じる犯罪者の兄弟で、高校生ランナーのジョー・マロニーを演じた[21]

映画やテレビへのゲスト出演を繰り返した数年後、1991年のロードムービー『テルマ&ルイーズ』でテルマ(ジーナ・デイヴィス)のボーイフレンドのJ.D.を演じ、知名度を上げた[20]。この作品でのデイヴィスとのラブシーンは、ピットをセックスシンボルにした出来事として挙げられている[14][22]。『テルマ&ルイーズ』の後に出演した映画『ジョニー・スエード』(1991年)[23]と『クールワールド[14]は、批評的にも興行的にも失敗した[24][25]

1992年、ロバート・レッドフォード監督による伝記映画『リバー・ランズ・スルー・イット』で主役の弟ポール・マクリーンを演じた[26]。この作品でのピットの演技はキャリアを築き上げたと評価された[27]

1993年、ロードムービー『カリフォルニア』でジュリエット・ルイスと再共演。連続殺人鬼のアーリー・グレイスを演じた。また、犯罪映画『トゥルー・ロマンス』ではフロイドを演じた[28]。その年彼はShoWest賞の明日の男性スター賞を受賞した[29]

1995年、ピープル誌が選ぶ「最もセクシーな男性」に選ばれる。

批評的成功

1994年はピットのキャリアの大きなターニングポイントとなった。映画『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』では吸血鬼のルイス・デ・ポアント・ドゥ・ラック英語版を演じ[30]トム・クルーズキルスティン・ダンストクリスチャン・スレーターアントニオ・バンデラスと共にアンサンブルキャストの一人を務めた[30]。演技はあまり評価されなかったものの、同作によりMTVムービー・アワードで2部門を受賞した[31]

ピットは1995年と2000年に『ピープル』の「セクシーな男」に選ばれた。

『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』の後は『レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想い』(1994年)に主演し[32]、移民のウィリアム・ラドロー大佐(アンソニー・ホプキンス)の息子のトリスタン・ラドローを演じた[33]。この作品により初めてゴールデングローブ賞主演男優賞候補に挙がった[34]。映画自体のレビューは賛否あったものの[35]、ピットの演技は好評を得た[36]

1995年、犯罪スリラー映画『セブン』で連続殺人鬼(ケヴィン・スペイシー)を追う刑事を演じ、モーガン・フリーマングウィネス・パルトローと共演した[37]。ピットは同作をすばらしい映画と言い、自分の演技の幅が広がったと語った[38]。この作品は批評家からも評価され、『バラエティ』は彼の演技をベストとし、ピットが「ねばり強く精力的な刑事」を体現したことを好評した[39]。『セブン』は全世界で3億2700万ドルを売り上げた[24]

『セブン』の成功の後、テリー・ギリアムのSF映画『12モンキーズ』に出演。作品の評価とともにピットの演技も好評を得て[40]、本作でゴールデングローブ賞助演男優賞を受賞[34]アカデミー賞助演男優賞にも初めてノミネートされた[41]

翌1996年、法廷ドラマ『スリーパーズ』に出演[42]。映画は賛否両論であった[43]。1997年の映画『デビル』ではハリソン・フォードと敵対するIRA暫定派テロリストのローリー・ディヴァニーを演じ[44]、アイルランド訛りの英語を披露した[45]。『デビル』は世界興行収入が1億4000万ドルに達したが[24]、批評的には失敗した。その年末にはジャン=ジャック・アノーの映画『セブン・イヤーズ・イン・チベット』に主演し、オーストリア人登山家のハインリヒ・ハラーを演じた[46]。この作品では共演のデヴィッド・シューリスと一緒にカリフォルニアやヨーロッパのアルプス山脈でロック・クライミングの訓練をした[47]。同作は批評家に酷評され、失敗作と言われた[48]

1998年の『ジョー・ブラックをよろしく』では、人間を研究するために青年の身体を借りているという設定の死神役を演じたが[49]、『サンフランシスコ・クロニクル』のミック・ラサール英語版は、「ピットは観客に彼が死と永遠の謎の全てを知っている設定だと納得させることはできなかった」と評し[50]、映画評論家のロジャー・イーバートは「ピットは素晴らしい俳優だが、この演技は誤算だ」と評すなど[51]、ピットの演技に対し否定的な意見が寄せられた。映画自体の評価も賛否両論であった。

1999-2003年 スターに

1999年、デヴィッド・フィンチャー監督の映画『ファイト・クラブ』でカリスマ的人物であるタイラー・ダーデンを演じた[52][53][54]。ピットはボクシングテコンドーグラップリングのレッスンを受けて撮影に臨んだ[55]。ピットは役作りのために前歯を除去し、撮影後に元に戻した[56]。同作は興行収入は予想を下回るものだったが、翌2000年にDVDが発売されて以降、カルト的な人気作品となった[57]

その後2000年のギャング映画『スナッチ』でアイリッシュ・ジプシーのボクサー役を演じた[58]。作品そのものの評価はいくらかの批判があったものの、ピットの演技は概ね好評を得た[59]。同年に、ピープル誌が選ぶ「最もセクシーな男性」を2度目の受賞。

翌2001年にはロマンティック・コメディ映画『ザ・メキシカン』でジュリア・ロバーツと共演[60]。同作は批評的には今一つだったが[61]、興行的には成功をおさめた[24]。同年は1億4300万ドルの興行収入を上げた冷戦スリラー『スパイ・ゲーム[24]にも出演し、ロバート・レッドフォードと共演した。[62]。同年11月22日、テレビドラマ『フレンズ』の第8シーズン第9話「ブラピの「ヘイト・クラブ」」で、当時の妻ジェニファー・アニストン演じるレイチェル・グリーン英語版の同窓生役でゲスト出演した[63]。この演技によりエミー賞のコメディ・シリーズゲスト男優賞にノミネートされた[64]。さらに12月、1960年の『オーシャンと十一人の仲間』をリメイクした強盗映画『オーシャンズ11』にラスティ・ライアン英語版役で出演した。ジョージ・クルーニーマット・デイモンアンディ・ガルシア、ジュリア・ロバーツらのアンサンブル・キャストに加わった[65]。『オーシャンズ11』は批評家から好評を得たほか、全世界で4億5000万ドルを売り上げ興行的にも成功した[24]

2002年2月、MTVのリアリティ番組『ジャッカス』の2つのエピソードに出演。1つではゴリラの着ぐるみに入ってロサンゼルスの通りで暴れ[66]、もう1つのエピソードでは市民の前で突然拉致される役割である[67]。同年、ジョージ・クルーニーの監督デビュー作『コンフェッション』にカメオ出演した[68]。2003年にはドリームワークスのアニメ映画『シンドバッド 7つの海の伝説』のシンドバッド[69]とテレビアニメ『キング・オブ・ザ・ヒル』のゲスト出演で初めて声優を務めた[70]

2004-2013年

2004年の映画『トロイ』ではアキレスを演じるにあたり、撮影の6カ月前から剣の訓練をした[71]。撮影中にアキレス腱を怪我して製作が数週間遅れるなどしたが[72]、同作は全世界で4億9700万ドルを売り上げ、当時の自身の出演作品の中で最も商業的に成功した作品となった[24][73]。『ワシントン・タイムズ』のスティーヴン・ハンターは、「ピットはこういった過酷な役柄を演じさせると優れている」と評した[74]。同年公開の『オーシャンズ12』は世界で3億6200万ドルを売り上げ[24]、ピットとクルーニーのダイナミックさは「ポール・ニューマンとロバート・レッドフォード以来の相性」であるとCNNのポール・クリントンにより評された[75]

2005年、アクション・コメディ映画『Mr.&Mrs. スミス』に出演。作品自体は平凡な評価だったが、作中でのピットとアンジェリーナ・ジョリーのコンビネーションに関しては概ね好評を得て[76]、興行的にも成功し2005年のヒット作のひとつとなった[77]

イングロリアス・バスターズ』のドイツ・プレミアでのピット(2009年7月)

翌2006年、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の『バベル』でケイト・ブランシェットと共演[78]。この作品はゴールデングローブ賞 作品賞(ドラマ部門)を受賞し、またアカデミー作品賞にもノミネートされ、ピット自身もゴールデングローブ賞助演男優賞にノミネートされるなど好評を得た[34]。ピットは後にこの映画への出演を自分のキャリアで最高の選択の1つだったと語っている[79]

2007年には西部劇ドラマ『ジェシー・ジェームズの暗殺』でアメリカのアウトローであるジェシー・ジェイムズを演じた[80]。同作はピットが経営する会社プランBエンターテインメントで製作された。『フィルム・ジャーナリスト・インターナショナル英語版』のルイス・ビール英語版によるとピットは「恐ろしくカリスマ的」な役割を果たしているとされ[81]ヴェネツィア国際映画祭 男優賞が与えられた[82]。また、ピットはプロモーションのために同映画祭に出席。途中、ボディガードを押しのけて現れたファンによって抱きつかれるというハプニングがあったが[83]、無事に2008年の同映画祭会場で男優賞のトロフィーを手にした[84]

2008年、ブラック・コメディ映画『バーン・アフター・リーディング』に出演し、初めてコーエン兄弟とコラボレーションした。同作は批評家から肯定的な評価を受け、『ガーディアン』誌では「しっかりと巻かれた、巧みなスパイコメディのプロットで、ピットの演技が面白さの一つである」とした[85]。同年、デヴィッド・フィンチャー監督の『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』に主演。老人の姿で生まれた男が齢を取るごとに若返ってゆくという物語で[86]、『ボルチモア・サン英語版』のマイケル・スラゴウ英語版は「ピットの繊細な演技が『ベンジャミン・バトン』を不朽の名作に作り上げている」と高く評した[87]。同作の演技により、初めて全米映画俳優組合賞にノミネートされ[88]、さらに4度目となるゴールデングローブ賞、2度目となるアカデミー賞ノミネートも果たした[34][89]。同作はアカデミー賞では合計13部門でノミネートされ、全世界での興行収入は3億2900万ドルに達した[24]

また、同年はクエンティン・タランティーノ監督の『イングロリアス・バスターズ』にも主演。ドイツ占領下のフランスでナチスと戦うアメリカ軍人のアルド・レイン中尉を演じた[90]。この作品は興行的にも成功し[24]、評論家にも高評価された[91]。同作はアカデミー賞を含む多くの映画賞にノミネートされており、ピット自身もMTVムービー・アワード演技賞にノミネートされた[92][93]。翌2010年にはアニメ映画『メガマインド』でスーパーヒーローのメトロ・マンの声を務めた[94]

2011年、パルム・ドールを受賞したテレンス・マリック監督の『ツリー・オブ・ライフ』でショーン・ペンと共演[95]。また同年、実話を原作としたドラマ映画『マネーボール』でオークランド・アスレチックスのゼネラル・マネージャーのビリー・ビーンを演じ、批評家から強力な支持を集め[96]、ピットは再びアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた[97]

2013年には主演のパニック超大作『ワールド・ウォー Z』が世界興行収入5億0260万ドルに達し、過去最高の興収記録を更新した。[98]

2014年-現在

フューリー』や『マネー・ショート 華麗なる大逆転』も主演ではなかったが大きな商業的成功を収めた。

2019年には、1969年の女優シャロン・テート殺人事件を背景に当時のハリウッドを描いた『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』で、レオナルド・ディカプリオが演じる落ち目のテレビ俳優の専属スタントマンを演じ、評価された。ゴールデングローブ賞BAFTA賞映画俳優組合賞などで助演男優賞を勝ち取ると[99]、ついに自身初のアカデミー賞助演男優賞を受賞した[100]

プロデューサーとしての成功

2001年に「プランBエンターテインメント」が設立。ブラッドと当時の妻ジェニファー・アニストンが、映画プロデューサーのブラッド・グレイと組んで3人でスタートさせた[101]。2006年からCEOに就任。

最初にクレジットされた作品はブラッドが2004年に主演した『トロイ』。続いて『チャーリーとチョコレート工場』(06)を経て、3本目の『ディパーテッド』(06)で早くもアカデミー作品賞を受賞。両作ともブラッドとジェニファーは出演しておらず、プランBが彼らの主演作の企画・製作を目的とする会社ではないことが明確にされた。

2012年に『ツリー・オブ・ライフ』がアカデミー賞作品賞にノミネートされ、14年からは毎年、作品賞に候補入り。14年には自身が製作筆頭になった『それでも夜は明ける[102]、2016年は『ムーンライト』が見事受賞している。15年の候補作『グローリー/明日への行進』は主題歌賞を、16年の『マネー・ショート 華麗なる大逆転』は脚色賞を受賞した。[103]




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