フレッツ
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アクセスサービス
フレッツのいずれのアクセスサービスも定額制・常時接続で提供される。またフレッツ光とフレッツ・ADSLについてはPPPoE[注 2]を利用し複数のISPへの接続(切り替え)を含む複数セッションの接続が可能という特徴がある。
フレッツ光
NTT東日本においてはフレッツ光ライト、フレッツ 光ネクストおよびBフレッツを総称して、NTT西日本においては同社により提供される光ブロードバンド回線サービスを、「フレッツ光」と呼ぶ[5][6]。光ファイバー(光ケーブル)の引き込み方法により数タイプある。公称速度はユーザ端末側で最大10Gbps。多くのサービス品目では、アクセス回線の帯域を他の複数の契約ユーザと共有する。
2014年3月14日の総務省の発表[7]によれば2013年末の段階で、フレッツ光によるFTTHの契約件数は日本国内のFTTHの契約件数2,502万件のうち71.4%のシェアがある。FTTHのNTTによる寡占化が問題視されているものの、実際にはNTT西日本営業地域[注 3]では、30府県中2県でNTT西日本のシェアが50%を下回っており、滋賀県に至っては関西電力系通信事業者のケイ・オプティコム(現・オプテージ)の後塵を拝している。2016年前後になると、スマートフォンそのものの伸長、モバイルWiMAXなどの無線系通信サービスの伸長、競合FTTH事業者のサービス拡大により、契約件数が伸び悩んでいる[8]。
なおサービスの名称に【東】【西】と記したものは、それぞれNTT東日本、NTT西日本のサービスエリアだけで提供されていることを示す。特記ない場合は両地域で提供されている。
以下ではBフレッツ、フレッツ・光プレミアム、フレッツ 光ネクスト、フレッツ 光クロスとサービスごとに節を設けるがマンションタイプについては複雑な形態を持つため別節で扱う。
フレッツ 光クロス
10G-EPONを採用することにより[9]、通信速度が上り/下り最大概ね10Gbpsに高速化したFTTHアクセスサービスが2020年(令和2年)2月18日に発表され、4月1日に提供開始される[10][11]。
フレッツ 光ネクスト
2008年(平成20年)3月28日に発表され、3月31日に申し込み受け付けとサービスの提供が開始された[12][13]。
次世代ネットワーク(Next Generation Network、NGN)を用いたサービスであり、これまでのBフレッツに加えて高品質で安定性を確保したひかり電話や、一部の地域およびサービス品目上では、フレッツ・テレビ伝送サービスによる地上デジタルテレビ・衛星放送・FMラジオ局の再送信が提供されている[注 4]。
技術面ではQuality of Service(QoS)を設けることにより、テレビ電話やテレビ再送信などに対して優先度を上げて通信を行うことで高品質でかつ安定した通信を行うことができる。逆に言うと、優先度が低い一般のインターネットアクセスでは、優先度が高い通信が増えれば増えるほど、安定した通信をすることが難しくなる。
2011年より、インターネットサービスプロバイダが提供するIPv6のブロードバンドインターネット接続サービスを、インターネット(IPv6 IPoE)接続および、インターネット(IPv6 PPPoE)接続により、提供する。
サービス名 | 概要 |
---|---|
ビジネスタイプ | 主に企業向け。Bフレッツのビジネスタイプと同様、収容局までのファイバーおよび地域IP網までの回線を専有するが、最大通信速度は1Gbpsとなっている。 |
ファミリータイプ | 通信の仕組みが光ネクストに最適化された以外はNTT東日本におけるBフレッツのハイパーファミリータイプと大きな変化はない。 |
ファミリー・ハイスピードタイプ | IPv4での1セッション当たりの最大通信速度が従来の100Mbpsから200Mbpsに向上した(【西】は上下[14]、【東】は下りのみ[15])。ファミリータイプと同様、通信の仕組みが光ネクストに最適化されている。IPv6については、『フレッツ・v6オプション』を使用した場合、IPv6 IPoE接続で、最大通信速度は上り最大200Mbps、下り最大概ね1Gbpsである[16][注N 1]。 |
ファミリー・スーパーハイスピードタイプ 隼【西】 | 最大通信速度が概ね1Gbpsに向上した[17]。ファミリータイプ、ファミリー・ハイスピードタイプと同様、通信の仕組みが光ネクストに最適化されている[注N 1][注N 2]。 |
ファミリー/マンション・ギガラインタイプ【東】 | 最大通信速度が概ね1Gbpsに向上。 |
ギガファミリー/ギガマンション・スマートタイプ【東】 | 最大通信速度が概ね1Gbpsに向上して、無線LANの最新規格(IEEE 802.11ac対応)のホームゲートウェイがレンタルされる。 |
マンションタイプ
マンションタイプはBフレッツ、フレッツ・光プレミアム、フレッツ 光ネクストともに提供されているが、マンションの形態によってより細分化されたプランがある。
マンションの規模に応じた「サービスタイプ」と屋内の配線状況に応じた「配線方式」の2つを組み合わせて料金プランが決定される。
また、設備上の理由(他社回線との混在などがあげられる)により、Bフレッツやフレッツ・光プレミアムは導入可能だが、フレッツ 光ネクストは導入できない(ファミリータイプで導入できるケースや導入自体が不可というケースもある)というケースもある。
サービスタイプ | 概要 |
---|---|
ミニ | 集合住宅あたり4件以上の契約が見込まれる場合、NTT西日本は6件以上 |
プラン1 | 集合住宅あたり8件以上の契約が見込まれる場合 |
プラン2 | 集合住宅あたり16件以上の契約を代表者から行う場合 |
配線方式 | 概要 |
---|---|
光配線方式【東】 | 集合装置にPONを設置し、マンション各戸まで直接光ファイバーを引き込み、各戸に回線終端装置が提供される。 |
ひかり配線方式【西】 | |
LAN配線方式 | MDFに設置したマンション用集合型終端装置から既設のLAN配線(100BASE-TX、スループットは最大100Mbps)を利用。 |
VDSL方式 | MDFに設置したマンション用集合型終端装置から既設の電話線上を介してVDSL(下り最大50Mbpsから100Mbps・上り最大7Mbpsから100Mbps)を利用。電話線からイーサネットに変換するVDSLモデムが提供される。 |
ワイヤレス方式【東】 | 近在の電柱等に設置した無線基地局とユーザ宅のベランダ等に設置したアンテナとの間で、FWA(Fixed Wireless Access:実効最大下り46Mbps・上り32Mbpsの帯域を共有)を利用。 |
ワイヤレスタイプ【西】 |
Bフレッツ
2000年(平成12年)12月26日に「光・IP通信網サービス(仮称)」として一部の東京都区部及び大阪市で試験サービスを開始し[18][19]、その後数ヶ月間の期間を経てから2001年(平成13年)8月1日に「Bフレッツ」として光ファイバーを用いた通信サービスを本格的に開始した[20][21]。
BフレッツのBは、サービス開始当初はB-PON(Broadband Passive Optical Network / ITU-T G.983)を採用していたことに由来する。
当初はベーシックタイプ、ファミリータイプ、マンションタイプの3つであったが、後に情勢を踏まえてサービスを拡充していった。2002年よりファミリータイプの10倍の速度を謳ったニューファミリータイプの最大100Mbpsの回線の提供を開始する
NTT西日本が2005年(平成17年)に「フレッツ・光プレミアム」を開始し、またNTT東日本が2004年(平成16年)に「ハイパーファミリータイプ」の提供開始、2008年(平成20年)に「フレッツ・光ネクスト」を投入して2009年(平成21年)度内にはBフレッツ提供地域全域に拡大した[22]ことから、2012年3月31日をもって、一部地域を除き、新規サービス申し込みを終了した。NTTは、フレッツ光ネクストへの移行(マイグレーション)を計画中で、既に中継網である地域IP網を、2013年度末をめどにフレッツ光ネクストに移行工事中である。
既存ユーザの取り扱いについて、NTT東日本が2014年(平成26年)2月18日に「Bフレッツ ハイパーファミリータイプ」、および「Bフレッツ マンションタイプ」を利用している契約を、それぞれ「フレッツ 光ネクスト ファミリータイプ」、および「フレッツ 光ネクスト マンションタイプ」に順次、移行すると発表された。
サービス名 | 概要 |
---|---|
ビジネスタイプ | 主に企業向け。メディアコンバータを使用。収容局までのファイバーおよび地域IP網までの回線を専有する(SS:Single Star)。スループットが高いが、料金も高い。 |
ベーシックタイプ | 企業から個人のヘビーユーザーまで対応可能。メディアコンバータを使用。収容局までのファイバーを専有する(SS:Single Star)が、収容局から地域IP網までの回線は(他ユーザと)共有となる。 |
ファミリータイプ | ユーザ端末側の速度は最大10Mbps。NTT独自開発のSTM-PONを採用。既に新規契約受付は中止。 |
ニューファミリータイプ【東】 | 一般個人・中小企業向け。B-PONおよび光回線終端装置を使用。収容局までのファイバー (下り622Mbps、上り156Mbps)を複数ユーザで共有するが局側の終端装置であるB-OLT(Broadband-Optical Line Terminal)の地域IP網側インターフェース(収容局内の地域IP網までの回線)が100Mbpsであり、その結果、100Mbpsを複数ユーザで共有となる。ユーザ端末側の速度は最大100Mbpsである。料金は安いが、利用者が増えるとスループットが低下する。 |
ファミリー100【西】 | |
ハイパーファミリータイプ【東】 | 一般個人・中小企業向け。GE-PON(IEEE 802.3ah)ONU(回線終端装置)、もしくは回線終端装置内蔵のひかり電話対応ルータを使用。収容局までのファイバー(下り・上りとも1Gbps)を最大64ユーザで共有し地域IP網側インターフェースは1000BASE-T。ユーザ端末側の速度は最大100Mbpsである。ライン共有利用者が増えるとスループット低下の可能性があるのは、ニューファミリー/ファミリータイプと同様である。なお、西日本の光プレミアムのIPv6等の仕様については後述のフレッツ・光プレミアムと同様である。 |
ワイヤレスファミリータイプ【西】 | 近在の電柱等に設置した無線基地局(AP)と一般戸建ユーザ宅の外壁・ベランダ等に設置したアンテナ(WT)との間で、FWA(Fixed Wireless Access:実効最大下り46Mbps・上り32Mbpsの帯域を共有)を利用し光サービスを提供する。光化が困難な地域や散居村などに設置されるケースが多い。伝送距離は概ね800m(基地局APとアンテナWT間)。 |
-
Bフレッツ・ハイパーファミリータイプ用ひかり電話対応ONU(NTT東日本)
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Bフレッツ・ハイパーファミリータイプ用ONU(NTT東日本)
フレッツ・光プレミアム
NTT西日本地域でのみ提供されていた。
2004年(平成16年)12月に発表され、2005年(平成17年)3月1日よりサービスが開始された[23]。Bフレッツと同じく、フレッツ光ネクストのサービス地域の拡大に伴い、2012年3月31日をもって、一部地域を除き新規サービス申し込みを終了し、2019年1月31日にサービスを終了した[24]。
Bフレッツと比較するとIPv6に標準で対応し、加入者網終端装置(CTU)が回線終端装置やVDSLモデムなどとは別個に提供される。
サービス名 | 概要 |
---|---|
エンタープライズタイプ | 主に企業向け。Bフレッツのビジネスタイプと同様、容局までのファイバーおよび地域IP網までの回線を専有するが最大通信速度は1Gbpsとなっている。 |
ファミリータイプ | フレッツ・光プレミアムの特徴を除けばNTT東日本における「Bフレッツ・ハイパーファミリータイプ」とほぼ同等のサービスである。 |
フレッツ光・マイタウン
NTT西日本地域のみ。他の「フレッツ光」サービスを提供していない市町村・地域の一部において自治体が各戸まで敷設したFTTH回線(光CATVを運営しているケースが多い)の通信帯域をNTT西日本が借り上げて、地域IP網もしくは自治体が用意した特定のプロバイダへ接続するサービス。このため、加入には事前に自治体FTTH回線の契約及び引込工事が必要。2007年(平成19年)3月1日、岡山県の真庭市及び英田郡西粟倉村よりサービスを開始し、以後同県内の真庭郡新庄村(2007年10月1日開始)と美作市(2008年7月1日開始)のほか福井県大飯郡おおい町(2007年5月21日開始)、大分県豊後高田市(2008年2月1日開始)、愛媛県越智郡上島町(2009年5月1日開始)、徳島県三好郡東みよし町(2010年2月1日開始)の合計8市町村へと広がった。フレッツ・光プレミアムのサービス終了に伴い2019年1月31日にサービスを終了した。
府県 | 市町村 | サービス開始日 | 備考 |
---|---|---|---|
福井県 | 大飯郡おおい町 | 2007年5月11日 | 2017年7月31日新規申込終了、2019年1月31日サービス終了、フレッツ 光マイタウン ネクストへ移行 |
岡山県 | 真庭市、英田郡西粟倉村 | 2007年3月1日 | 2017年10月1日新規申込終了(真庭市)、10月31日新規申込終了(西粟倉村)、2019年1月31日サービス終了 |
真庭郡新庄村 | 2007年10月1日 | 2018年2月28日新規申込終了、2019年1月31日サービス終了、フレッツ 光マイタウン ネクストへ移行 | |
美作市 | 2008年7月1日 | 2017年8月3日新規申込終了、2019年1月31日サービス終了 | |
徳島県 | 三好郡東みよし町 | 2010年2月1日 | 2017年12月10日新規申込終了、2019年1月31日サービス終了、フレッツ 光マイタウン ネクストへ移行 |
愛媛県 | 越智郡上島町 | 2009年5月1日 | 2017年12月10日新規申込終了、2019年1月31日サービス終了、フレッツ 光マイタウン ネクストへ移行 |
大分県 | 豊後高田市 | 2008年2月1日 | 2018年2月28日新規申込終了、2019年1月31日サービス終了、フレッツ 光マイタウン ネクストへ移行 |
サービス内容は概ねフレッツ・光プレミアムに準じているが、付帯サービスの有無や料金は各自治体側の設備や契約内容により異なっている。
サービス名 | 概要 |
---|---|
ファミリータイプ | 地域IP網へ接続するサービス。その先PPPoE接続できるプロバイダは府県ごとに異なる。 |
ファミリーライトタイプ | 自治体が用意する特定プロバイダ(地域によってはひかり電話を含む)へのみ接続するサービスであり、NTT西日本提携プロバイダへは接続できない代わりに、安価で提供している。 |
フレッツ 光マイタウン ネクスト
フレッツ・光マイタウンのNGN版。ファミリータイプ及びファミリーライトタイプがある。2018年4月26日からファミリー・スーパーハイスピードタイプ 隼が提供開始した。(福島県耶麻郡磐梯町を除く。)
2010年(平成22年)6月18日、島根県の邑智郡川本町・美郷町、隠岐郡海士町より開始、以後続々と開始自治体が増えている。
府県 | 市町村 | サービス開始日 | 備考 |
---|---|---|---|
福島県 | 耶麻郡磐梯町 | 2010年9月27日 | |
福井県 | 大飯郡おおい町 | 2017年8月1日 | |
鳥取県 | 八頭郡若桜町・智頭町、日野郡江府町 | 2010年7月7日 | |
島根県 | 邑智郡川本町・美郷町、隠岐郡海士町 | 2010年6月18日 | |
隠岐郡西ノ島町 | 2012年5月23日 | ||
隠岐郡知夫村 | 2015年1月5日 | ||
岡山県 | 久米郡久米南町 | 2010年12月1日 | |
勝田郡奈義町 | 2010年12月1日 | 2023年7月31日新規申込終了、2024年8月31日サービス終了 | |
真庭郡新庄村 | 2018年3月1日 | ||
広島県 | 庄原市庄原地区 | 2015年10月21日 | |
庄原市東城地区 | 2015年11月21日 | ||
庄原市山内地区 | 2015年12月21日 | ||
庄原市帝釈地区 | 2016年7月1日 | ||
庄原市小奴可地区 | 2016年8月1日 | ||
庄原市川鳥地区 | 2016年9月1日 | ||
庄原市西城地区 | 2017年4月1日 | ||
庄原市八鉾地区 | 2017年5月1日 | ||
庄原市赤川地区 | 2017年9月1日 | ||
呉市の一部(豊浜町(斎島を除く)及び豊町)区域 | 2022年3月30日 | 2023年3月31日新規申込終了、2023年6月30日サービス終了 | |
徳島県 | 美馬郡つるぎ町 | 2010年11月1日 | |
三好郡東みよし町 | 2017年12月11日 | ||
愛媛県 | 南宇和郡愛南町 | 2010年11月22日 | |
越智郡上島町 | 2017年12月11日 | ||
高知県 | 土佐郡土佐町、長岡郡本山町 | 2010年12月16日 | |
安芸郡東洋町 | 2012年11月1日 | ||
大分県 | 豊後高田市 | 2018年3月1日 | |
宮崎県 | 西臼杵郡高千穂町 | 2011年10月1日 | |
児湯郡新富町 | 2014年2月1日 | 2023年11月14日新規申込終了、2025年3月31日サービス終了 |
光ポータブル
NTT東日本のBフレッツ契約者に対し、右の光ポータブルといわれる小型WiFiルータがレンタルされている。本端末はフレッツ光やADSLといったブロードバンド回線のルータとしてだけではなく、FOMAハイスピードなどのモバイル回線や後述のフレッツスポット、NTTドコモのdocomo Wi-Fiなども親回線としたWiFiルータとなる。2017年5月31日をもって提供を終了した。 NTT西日本も2010年12月より「光ポータブル」(3G)(2020年9月30日終了)、2013年8月より「光ポータブルLTE」(2022年9月30日終了)のレンタルを開始した。
光iフレーム
光iフレームは、2010年11月より開始された、フレッツ光契約者向け、Android OS搭載のタブレット型端末とフレッツマーケットといわれるアプリケーション・コンテンツマーケットを使った情報配信サービスとなる。端末はレンタルと買取とあるが、フレッツ光ユーザー限定の販売となる。
長延化GE-PON
GE-PONを採用するフレッツ光のサービスにおいて、標準的なONU-OLT間のリーチは7km程度であるが、20km以上のリーチ延長に対応した技術が開発されている。これにより、コスト上FTTHのエリア化が難しかった僻地や山間部への展開を容易にし、またOLTを設置する設備センタ[注 5]の集約、統廃合に貢献している[25]。
フレッツ・ADSL
利用者から地域IP網までの間を、既存の電話線を利用するADSL。1999年(平成11年)12月から試験提供していたADSLサービスを元に、2000年(平成12年)12月末から正式に提供開始した。
サービス提供に必要な物品の製造が既に終了しており、メンテナンス物品の在庫の枯渇が見込まれることから、新規申し込みの受付をフレッツ 光ネクストが提供されていない地域を除いて2016年6月30日をもって終了した[26][27][28]。2023年1月31日を以って「フレッツ光」提供エリアにおいてフレッツ・ADSLをサービス提供を終了する[29][30]。実際には、フレッツ・ADSLでインターネット接続サービスを提供するプロバイダがいなくなればサービスが終了になるので、「フレッツ光」が未提供エリアであってもサービスが終了する見込みであったが、その後「フレッツ光」の提供開始が2022年2月 - 2023年1月になる地域についてはサービス終了が2025年1月31日に延期された[31][32]。
さらに2023年2月1日以降に「フレッツ光」が提供されたエリアと「フレッツ光」未提供エリアについても、東日本は2025年1月31日、西日本は2026年1月31日を以ってフレッツ・ADSLの全てのサービスを終了する事が発表された[33][34]。インターネットサービスは電気通信事業法に基づくユニバーサルサービス提供義務の対象外であり、「フレッツ光」未提供エリアについてはモバイルサービス等への移行が推奨されている。
公称速度は以下の通り(下り/上り)であるがベストエフォートサービスであり、平均的実効速度はその20 - 70%程度となる(契約の如何によらず、速度は電話交換局からの線路長に決定的に依存する)。なお、サービスの名称はNTT東日本でのもの。【括弧】内はNTT西日本での名称。
- フレッツ・ADSL モアIII【モアスペシャル】 - 47Mbps/5Mbps
- フレッツ・ADSL モアII【モア40、モア24】 - 40Mbpsまたは24Mbps/1Mbps
- フレッツ・ADSL モア - 12Mbps/1Mbps
- フレッツ・ADSL 8Mタイプ【8Mプラン】 - 8Mbps/1Mbps
- フレッツ・ADSL 1.5Mタイプ【1.5Mプラン】 - 1.5Mbps/512kbps
- フレッツ・ADSL エントリー - 1Mbps/512kbps ※東日本のみ
フレッツ・ISDN
ISDN網を使用する民生用定額通信サービスとして、2000年(平成12年)5月11日より「IP接続サービス(通称:フレッツ・アイ、flet's ISDN )」の名称で東京03と大阪06MAを中心に商用サービスを開始した。なお、7月18日より諸事情[35]により正式名称を「フレッツ・ISDN(通称:FLET's ISDN)」に変更した[36][37](→名称)。いわば「フレッツ」シリーズの起源にあたる。ISDNのデジタル通信モードは2020年以降に廃止される予定が公表されており[38][39]、フレッツ・ISDNも2018年11月30日を以って「フレッツ光」提供エリアにおいてフレッツ・ISDNの新規受付を終了し[40][41]、 2026年1月31日(土)をもってサービス提供を終了する。[42][43]
ISDNの1チャンネル(64kbps)を利用して特定用途の識別番号「1492」にダイヤルアップ接続を行い、NTT収容局を介してISPへ接続する。ISDN交換機のISM折り返し機能により電話網の資源を消費しないため定額制が可能となった。接続には収容局から地域IP網を経由してISPのアクセスポイントへ接続する「タイプ1」と、ISP側の負担でアクセスポイントから収容局まで専用線を敷設する「タイプ2」という方式が存在したが、後のフレッツ・ADSLおよびフレッツ光ではタイプ1相当の地域IP網経由が主流となる。通信速度についてはINSネットでの同期接続とは異なるベストエフォート方式であり、速度は保証されない。
サービスそのものは1999年11月から「IP接続サービス」の名称で東京都新宿区・渋谷区・大田区と大阪市中央区・北区・吹田市の一部エリアで試験提供を開始していたが、「フレッツ・ISDN」としてサービスイン後は対応エリアを順次全国に拡大し、また、法人向けサービスとしてフレッツ・ISDNにおいてVPNを接続先とする「FLET's OFFICE(フレッツ・オフィス)」の提供も2000年7月17日より開始した。なお、従量制通信のINSネットとは別サービスのため、従前からの利用者は契約変更が必要となる。
定額制・常時接続の民生向サービスとしては、専用線接続のOCNエコノミーが先行提供されていたが、フレッツ・ISDNの料金はサービスイン当初でタイプ1が4500円(試験サービス時代は8000円)・タイプ2が2500円と低廉価であり、フレッツ・ISDNの接続環境(サービスエリア内のISDN回線・対応ターミナルアダプタ)を用意すれば利用できること、OCN以外の各ISPがフレッツ・アイ用のアクセスポイントを開設したことから、2001年1月時点で50万回線、同年8月時点で100万回線契約を突破することになった。なお、2001年に幾度か値下げが行われ、12月1日よりタイプ1の料金が現行の2940円となっている。
スタートダッシュにより急速に普及したものの、IP接続サービス開始時点の1999年後半より大都市圏の一部においては、既にCATVインターネットや東京めたりっく通信などのADSLといった非NTT系事業者による民生向けブロードバンドの展開が始まっていた。そして2000年12月26日からはNTTも「フレッツADSL」による民生向けブロードバンド通信に参入したことにより、各ブロードバンドのサービスエリアが拡大した2002年以降、料金と速度による費用対効果の面で優位性を失ったため利用者は大幅に減少することになる。
このISDN接続を応用したサービスとして、2003年よりドコモPHSがモバイルデータ通信定額制サービス「@Freed」を提供していた。
現在の利用者層はいわゆる光収容回線であったり電話局から距離が長いなどでADSLを利用できず、かつ他の手段(FTTHやCATV等)も提供されていない地域(町村・離島など)に在住している場合や、その他の理由(電話機接続のためISDNが必要、光ファイバーを引き込めないが通信安定性が必要なためADSLは利用できない、など)があるユーザに限られつつある(ISDN#日本での歴史と現状も参照)。
日本全国(全ての市町村)で提供されているわけではなく、NTT西日本管轄の一部やNTT東日本管轄の離島の一部、特に和歌山県の山間部や小笠原諸島などでは当初は国や自治体の情報格差対策が施行されるまでなかなか提供されなかった[注 6]。モバイルデータ通信定額制などその他の定額制接続の手段が無い限りにおいてはいずれの常時定額接続手段も存在しない地域が存在する。(情報格差も参照)。
また、当サービスの基盤となるISDN網自体も全国遍くカバーされているわけではなく、収容局から加入者敷地までの線路長が8 - 10kmを超えるような場合にはISDN回線すらも提供がほぼ不可能であり上記と同様な問題が起きる。
フレッツ・スポット
当初、NTT東日本においては「Mフレッツ」の名称でNTT自らは無線アクセスを提供せずフレッツ網を利用して無線アクセスを提供する飲食店やホテルなどの事業者(Mフレッツホスト)と無線アクセスの利用者(Mフレッツメイト)を募集するという独特な形態のサービスを実施していたが、後に一般的な公衆無線インターネットサービスでありNTT西日本ですでに提供されていた「フレッツ・スポット」を導入した。その後、2005年(平成17年)10月26日よりNTT東日本・NTT西日本の各契約ユーザがNTT西・東のいずれのサービスエリアでも利用可能となるローミングサービスを開始している。
サービス開始時は、無線接続を介したPPPoE接続を使う「端末認証方式(PPPoE接続によるMACアドレスで接続認証する方式)」を採用していたため、PPPoEが実装されていない携帯端末(Androidスマートフォン、アップルのiOS搭載端末、任天堂のニンテンドーDSなど)ではアクセスできなかったが、2012年よりPPPoEを必要としない「Web認証方式(NTT-BPのローミングサービスとしての提供であり、NTT東西会社が発行するID(フレッツ・スポット認証ID)とパスワード(フレッツ・スポット認証パスワード)を使って接続認証する方式)」が開始され、大多数のWi-Fi対応端末で接続が可能になった。
サービスの縮小が進んでおり、NTT東日本エリアでは2014年3月10日で「端末認証方式」の提供を終了[44]、2016年4月28日をもって新規の加入申込受付を終了した[45]。NTT西日本エリアでも2017年5月31日をもって新規の加入受付を終了した[46]。
- エリア
- NTTブロードバンドプラットフォームの公衆無線LAN設備を利用し、NTTドコモが提供するdocomo Wi-Fi、d Wi-Fiとアクセスポイントを共有していることが多い。また利用エリアはパソコンのほか、携帯電話などから探すことができる。
- スターバックスコーヒー、ドトールコーヒー、エクセルシオールカフェ、ロッテリア、バーガーキング、モスバーガー、ファーストキッチン、ケンタッキーフライドチキン、タリーズコーヒー、プロント、サンマルクカフェ、ガストなどに使えるアクセスポイントが多い。そのほか空港、地下鉄、JR、私鉄駅構内などで利用ができる。
- 料金
- NTT東日本、NTT西日本ともにフレッツ契約をしていると、月額210円(税込み)で利用することができる。フレッツ非契約者の場合同945円となる。
光ステーション
NTT東日本が店舗・施設オーナー向けに提供するWi-Fiルーターで、店舗の情報やサービス等のオリジナルコンテンツをWi-Fi経由で配信する「フレッツ・ポータル」を提供できる他、フレッツ・スポット契約者には無制限の、非契約者には1日2回・最大15分の公衆無線LANサービスを提供する。
ちなみにNTT西日本エリアでは、NTTメディアサプライが提供しているDoSPOTがほぼ同様のサービスを行っている。
- ^ a b 回線を共有しているため、通信路の伝送路容量(転送可能なビットレート)と、実際に単位時間あたりに送受信できるデータ量である(実効)スループットとの間には大きな乖離がある。1つの回線は、最大32件のユーザで1.25Gbpsの回線を共有している(GE-PON IEEE 802.3ah)。インターネットの利用については、IPv4では「都道府県」単位で1か所、IPv6では西日本と東日本の単位で1か所(ただしIPv6 IPoEのVNE事業者によっては地域ブロック単位や都道府県単位)あるPOI(Point of interface)と呼ばれるNTTとプロバイダ間の接続点を経由するため、これらのPOIにおける帯域を、同じ地域の同じプロバイダを利用する全ユーザで共有することになる。そのため、伝送路容量が1Gbpsであるために最大通信速度が概ね1Gbpsであるとしているが、同じ回線を共有する他のユーザの使用状況や、同じ地域の同じプロバイダを利用する他のユーザの使用状況など、他のユーザの使用状況によって、実効スループットが大きく左右される。例えば、同一県内で同じプロバイダを利用する1万のユーザが同時に通信すれば、1ユーザあたりの実効通信速度の期待値は1Mbpsとなる。なお、NTTはCM等で1Gbpsが提供可能な実効スループットではないことを注意喚起している(ちなみに、POIやIXにおいて相互接続するゲートウェイ・ルーターの帯域幅は1装置当たり1200Gbps程度であり、フレッツに限らず、そもそも、すべてのユーザが1Gbpsで通信できるだけのインターネットの通信帯域は、存在していない)。
- ^ 『ファミリー・ハイスピードタイプ』と『ファミリー・スーパーハイスピードタイプ 隼』との差は、実質的にNTTからレンタルされている宅内装置で課している通信速度制限が有効か無効かの違いでしかない。そのため、回線を共有している他のユーザによる通信量が多いために『ファミリー・ハイスピードタイプ』で通信速度が出ていない状況では、『ファミリー・スーパーハイスピードタイプ 隼』に変更しても、平均通信速度が向上することはない。瞬間的に回線が空いている状況で通信速度が上がるのみである。これは、NTTが「規格速度がより高速なタイプに変更した場合であっても、お客様の設備状況等により、実効速度が向上しない場合があります」としている理由の一つとなっている。
注釈
- ^ 「日本電信電話株式会社等に関する法律第2条第3項第1号の区域を定める省令」による47の地域区分名であり、地方自治法上の都道府県とは必ずしも一致しない。
- ^ a b なお、フレッツ・ADSLにおいてはPPPoEはユーザー側からDSLAMまで施行され、DSLAMから地域IP網を経てPOIまではPPP over L2TPで通過する。
- ^ 北陸地方を除き、電力系事業者の家庭向けFTTHサービスと競合している。
- ^ フレッツ・テレビ伝送サービスは、ラストワンマイルのFTTHアクセス回線(GE-PON)にRF搬送波を重畳している。またNTT東西が別途提供する映像通信網サービスを経由する(詳細は非公開)[1]。
- ^ 収容局(GC局)や端局(EO局)、RT(Remote Terminal)に設置される
- ^ なお、小笠原諸島の父島、母島ではFTTHが提供されている。フレッツ・ISDNについては不明。
- ^ 2014年2月28日にサービスを終了したダイヤルQ2はかけられなかったが、放送事業者が義捐金募集のために行う番組向けの代替サービスである災害募金サービスはかけられるようになった(ただしビジネスタイプは不可)。
- ^ ただし、近年は局給電に非対応の安価な固定電話機が増えている。
- ^ 利用者の屋内配線末端からNTT局舎までの経路途中にある電源が必要なNTT機器(例:FTTBにおける集合VDSL装置等)も同様に電源対策が必要となる。
- ^ ISDN(INSネット)においては乾電池等による対策も可能であるが(ターミナルアダプタやルータの一部にバックアップ用乾電池を装着できるものがある)ひかり電話のIP端末機器の場合、回線終端装置などの消費電力が1アンペア程とISDNより遙かに大きく、乾電池等による対策も困難である(近年、オキシライド乾電池を使った電源バックアップのできるONU一体型ルータ「PR-200NE」も登場した)。
出典
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- ^ 「フレッツサービス」および「ひかり電話」のご利用できない状況について
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- ^ 3秒で2000ルータがダウン、NTT東フレッツ障害の原因は
- ^ NTT東のフレッツ・トラブル、「ルート再計算により…」の真相
- ^ 株式会社インプレス (2023年4月3日). “45万件弱に影響したフレッツ光の障害。特定パケットに起因、攻撃の可能性はほぼなし”. PC Watch. 2023年5月9日閲覧。
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