フランス語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/11 22:05 UTC 版)
文法
単数 | 複数 | |
---|---|---|
一人称 | je chante | nous chantons |
二人称 | tu chantes | vous chantez |
三人称 | il chante | ils chantent |
- 動詞は主語の人称・数などに応じて活用する。例えば chanter (歌う)の現在形は表のように活用する。詳しくはフランス語の動詞を参照すること。
- 名詞に性(男性・女性)がある。性に合わせて、冠詞・動詞の過去分詞・形容詞に男性形・女性形がある。
- 形容詞・冠詞は性・数によって変化する。
- 基本的に後置修飾である。例えば「赤ワイン」は « vin rouge » 。ただしpetit(小さな)、grand(大きな)のように使用頻度の高い形容詞に関しては前置修飾となる場合もある。例えば「小さな子供(単数)」は « petit enfant »(プティタンファン)となる(複数の場合は « petits enfants »(プティザンファン)) 。
敬称
- Monsieur [məsjø](ムスュー)(男性)(氏) *日本では「ムッシュ」と書かれることが多い。
- Madame[madam](マダム)(既婚女性)(女史)
- Mademoiselle [madmwazɛl](マドムワゼル)(未婚女性)(嬢)
言語変種
方言と現地語
ヨーロッパ(フランスとその周辺)
- アルピタン語(フランス・イタリア・スイス国境付近)
- アオスタ現地語(アオスタ語)
- アンジュー現地語
- シャンパーニュ現地語(シャンパーニュ語)
- スイス現地語(スイス・フランス語)
- ノルマンディー現地語(ノルマン語)
- パリ現地語(フランシアン語)
- ピカルディー現地語(ピカルディ語)
- フランシュ・コンテ現地語
- ブルゴーニュ現地語
- ブルボン現地語
- ベリション現地語
- ポワトゥー=シャラント現地語(Saintongeais、ポワトゥー=シャラント地域圏)
- ロレーヌ現地語
- ワロン現地語(おもにベルギー(ベルギー・フランス語)で話され、ワロン語とも称する)
- ガロ語(ブルターニュ東部)
北アメリカ
- カナダ方言(カナダ・フランス語)・アメリカ方言(French language in the United States)
- ケベック方言(ケベック・フランス語)
- アカディア方言(français acadien)
- シャック(ニューブランズウィック州南東部のアカディア方言、Chiac、フラングレの一種)
- セント・メアリーズ・ベイ方言(St. Mary's Bay French)
- オンタリオ方言(Franco-Ontarien、オンタリオ州)
- ケイジャン方言(ケイジャン・フランス語)
アフリカ
フランス南部で用いられるオック語をフランス語方言とすることもあるが、言語学的には通常別系統の言語として扱う。
フランス系クレオール言語
混合言語
など(French-based creole languagesを参照)。
他言語との混成言語
歴史
紀元前58年から紀元前51年にかけて、共和政ローマのガイウス・ユリウス・カエサルがガリア戦争を行い、現在のフランスの領域のほぼ全域をローマ領としたことが、この地域にフランス語の祖語であるラテン語が本格的に導入されるきっかけとなった。ガリア戦争以前には、この地域ではおもにケルト語系のゴール語が用いられていたが、ローマの支配が定着するにつれてラテン語が優勢となっていき、ガロ・ロマンス語と呼ばれるラテン語の方言群が成立した。この言語は基本的にラテン語の影響が強く、その一方言と呼べる存在であったが、ケルト語からいくつかの音韻的な影響を受けたものだった[9]。その後、ローマ帝国の崩壊とともにフランク王国がこの地域を支配すると、彼らの言語であったゲルマン系の古フランク語が持ち込まれ、その影響を受けてこの地域のラテン語は大きく変容し、9世紀ごろにはラテン語から完全に分離した古フランス語が成立した[10]。その後、14世紀ごろには中世フランス語へと変化し、17世紀にはアカデミー・フランセーズによってフランス語の純化・整備が行われて現代フランス語が成立した。
注釈
- ^ フランスの地理学者オネジム・ルクリュが、著書 France, Algérie et colonies (1880) において使用したことに始まる。[6]
- ^ なお、似て異なる概念として「フランコフィル(francophile)」が存在する。
出典
- ^ フランス語使用者減少で最大50万人の雇用にリスク、リポート分析で
- ^ a b 文部科学省 基礎データ
- ^ “Académie française” (フランス語). 2007年9月28日閲覧。
- ^ 「改訂版 世界の民族地図」P387 高崎通浩著 1997年12月20日初版第1刷発行
- ^ 筑波大学外国語センター
- ^ 西山教行「フランコフォニーの成立と展望」『フランス語教育』特別号、2003年、22ページ。
- ^ Ziegler, Johannes C.; Jacobs, Arthur M.; Stone, Gregory O. (1996), “Statistical analysis of the bidirectional inconsistency of spelling and sound in French”, Behavior Research Methods, Instruments, & Computers 28: 504-515
- ^ フランス語の数体系
- ^ 「フランス語学概論」p44 髭郁彦・川島浩一郎・渡邊淳也著 駿河台出版社 2010年4月1日初版発行
- ^ 「フランス語学概論」p45 髭郁彦・川島浩一郎・渡邊淳也著 駿河台出版社 2010年4月1日初版発行
- ^ 「フランス語学概論」p53 髭郁彦・川島浩一郎・渡邊淳也著 駿河台出版社 2010年4月1日初版発行
- ^ 「フランス語学概論」p33 髭郁彦・川島浩一郎・渡邊淳也著 駿河台出版社 2010年4月1日初版発行
- ^ 「図説スイスの歴史」p86 踊共二 河出書房新社 2011年8月30日初版発行
- ^ a b 森田安一『物語 スイスの歴史』中公新書 p198 2000年7月25日発行
- ^ 「図説スイスの歴史」p111 踊共二 河出書房新社 2011年8月30日初版発行
- ^ ルワンダ基礎データ | 外務省 令和元年5月31日 2019年8月4日閲覧
- ^ 『アフリカを知る事典』、平凡社、ISBN 4-582-12623-5 1989年2月6日 初版第1刷 p.411
- ^ 「フランス語学概論」p41 髭郁彦・川島浩一郎・渡邊淳也著 駿河台出版社 2010年4月1日初版発行
- ^ 「フランス語学概論」p38 髭郁彦・川島浩一郎・渡邊淳也著 駿河台出版社 2010年4月1日初版発行
- ^ 「フランス語学概論」p37 髭郁彦・川島浩一郎・渡邊淳也著 駿河台出版社 2010年4月1日初版発行
フランス語と同じ種類の言葉
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