フォーンプラグ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/11 22:52 UTC 版)
フォーンという名称は、19世紀に手動のパッチパネルによる電話交換台で交換手が操作したコネクタの規格であることから呼ばれる。フォーン端子などの呼び名もある。
「標準」「ミニ」といったサイズと、2極や3極[1]といった極数により、バリエーションがある。
「モノラル」「ステレオ」といった用途による呼び分けもある。
形状はアメリカ電子工業会(EIA)でEIA-453として規格化されている。
特徴など
接続が容易であり頻繁に抜き挿しする用途に向く。一般的には2極(モノラル入出力)あるいは3極(ステレオ入出力)の接続で用いられ、プラグ先端の極をチップ (tip)、根元の極をスリーブ (sleeve)、チップとスリーブの間にさらに極がある場合はすべてリング (ring) と呼ばれる。2極は「TS」、3極は「TRS」、4極は「TRRS」というように規則的に呼ばれる。
挿抜の際には端子同士がショートすることがあり、電源が入った状態での抜き挿しが想定される場合には機器側での対応が必要である。
主な用途
マイクロフォン、ヘッドフォン、電子楽器等の端子に多用される。「ヘッドホン端子」や「イヤホン端子」の通称もある。
楽器用途において、両端にフォーンプラグが取り付けられたケーブルが慣用的に広く「シールド」と呼ばれる。この「シールド」とは「シールドケーブル」を指しており、両端の端子の種類形状とは本来は無関係である。
独自仕様の製品
ステレオヘッドホンにマイクを追加した製品や、小型のステレオコンデンサマイクなどの用途に4極(TRRS)プラグが使われている。他にも映像やコントロール信号の伝送に4極目(2つ目のRing)をあてがう製品がある。このような製品では、一般のTRSプラグのヘッドホンを利用できる場合がある。
3極でも、インサーションケーブルのように本来2系統に分かれていた入出力をたばねて一つのコネクタで運用するといった、独自仕様の製品が見られる。
サイズ
- 6.3mm(1/4インチ)
- いわゆる標準サイズの端子。一般的な収録機器/音楽機器類(業務用、民生用)で使用されている。元は電話交換台用。
- 4.4mm
- 2016年にJEITAがバランス接続用途として5極 (TRRRS) プラグ・ジャックを規格化した[2]。
- 3.5mm
- ミニ(ミニプラグ)と呼ばれているサイズの端子。小型のコンポや携帯音楽プレイヤー、パソコンなどで使用されている。
- 2.5mm
- ミニミニ(ミニミニプラグ)などと呼ばれているサイズの端子。ポータブル機器(DAPのバランス接続やカード型ラジオ)、データレコーダ・ICレコーダーのコントロール端子に使用されている[3]。
ソニー・ウォークマン用「マイクロプラグ」(左、これはフォーンプラグではない)と3.5mm 3極(ステレオミニプラグ)(右)
- ^ 2極のものを、それぞれの極の形状 Tip と Sleeve から「TS」、3極ではそれに Ring を加えて「TRS」などとも言う。
- ^ ヘッドホンのバランス端子がついに統一? JEITAが規格化「5極φ4.4mmプラグ」の詳細を聞く(2016年4月25日付 PHILE WEB)
- ^ 【第124回】超複雑な最近のヘッドホン&イヤホン端子をわかりやすくまとめてみた(2015年5月1日付 PHILE WEB)
- ^ スマホ用のイヤホンマイクが機種によって使えたり使えなかったり・・・ 2014年6月19日 ラジオショックブログ
- ^ “4極ミニプラグのピンアサイン”. 2014年8月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年3月7日閲覧。
- ^ MDネットワークコード RP-CAM9G15
- ^ 変換ケーブル|フジパーツ商会
- 1 フォーンプラグとは
- 2 フォーンプラグの概要
- 3 構造と接続
- 4 脚注
フォーンプラグと同じ種類の言葉
- フォーンプラグのページへのリンク