フェニックス (ミサイル) フェニックス (ミサイル)の概要

フェニックス (ミサイル)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/19 15:10 UTC 版)

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AIM-54 Phoenix
F-14に装備されたAIM-54A
種類 長射程空対空ミサイル
製造国 アメリカ合衆国
設計 ヒューズ・エアクラフト
レイセオン
製造 1972-1990年[1]
性能諸元
ミサイル直径 0.38m
ミサイル全長 3.9m
ミサイル全幅 0.9m
ミサイル重量 AIM-54A 453kg[2]
AIM-54C 462kg[2]
AIM-54C+ 464kg[2]
AIM-54C ECCM/Sealed 464kg[2]
弾頭 MK 82爆風破片弾頭 60kg[3]
射程 AIM-54A 135km[1]
AIM-54C 150km[1]
推進方式 MK 47 MOD 1 固体燃料ロケット[4]
誘導方式 セミ・アクティブ
終末 アクティブ・レーダー・ホーミング(ARH)
飛翔速度 マッハ 5
価格 477,131USドル[1]
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開発

XAAM-N-10 イーグル空対空ミサイルの想像図
NA-3Aから発射されたXAIM-54A

1950年代後半のアメリカ海軍は、F6D開発計画にも見られるように、ソビエト連邦軍の大型爆撃機を目標として、長距離空対空ミサイルで迎撃することを構想していた。搭載ミサイルとしてAAM-N-10イーグル空対空ミサイルが1957年より研究されていたが、これは1960年に中止された。

一方でアメリカ空軍は、要撃機用の長射程ミサイルとして、AIM-47を開発していた。XF-108YF-12への搭載が考えられていたが、両機ともXやY番号が外れなかった事からもわかるとおり、開発は中止され実戦配備はなされなかった。

そこで、アメリカ海軍と空軍の長距離空対空ミサイル計画を統合し、新しい長距離空対空ミサイルとして、フェニックスの開発が開始された。これはAAM-N-11と呼称されたが、1963年にAIM-54に名称変更されている。フェニックスを運用する戦闘機としてF-111の海軍型(F-111B)が開発されていたが、これは1968年に中止され、実用化はなされなかった。後の搭載機となるF-14の初飛行は1970年のことである。部隊配備は1974年から開始された。一方で空軍はその後、新規の要撃機の開発を行っておらず、フェニックスの搭載機は開発されないままに終わった。

改良型のAIM-54Cは、対艦ミサイル巡航ミサイルにも対処可能なように開発された。元来ソ連からの核攻撃を含む攻撃から空母艦隊を守るために作られたミサイルであり、長大な射程は核攻撃の有効範囲外から爆撃機あるいは巡航ミサイルを破壊するために設定された。しかしながらそのような事態は発生する事はなかった。同時に大型で高価なミサイルであることから、アメリカ海軍がF-14用に配備したものの、実戦ではほとんど使用されなかった。アメリカ海軍は、2004年9月30日にフェニックスを退役させている。

NASAではフェニックスミサイルの退役した後の2006年に、データ取得のために本ミサイルを活用している。このミサイルは余剰在庫になっていたアメリカ海軍のフェニックスミサイルの弾頭を小型軽量のフライトデータ入力・送信システムや誘導システムに置き換えた弾頭に変更したもので、超音速フライトデータを取得するために利用された。このとき、フェニックスミサイルはF-14ではなくF-15に搭載・発射された[5]

設計

弾頭は通常タイプ(核弾頭ではない)。専用に開発されたレーダー/火器管制装置AN/AWG-9)は最大24目標の同時探知・追尾能力を備えており、このうち最大で6機の目標に対して、ほぼ同時発射が可能である。ただし、F-14にフェニックスを6発搭載した状態での航空母艦への着艦は重量と甲板強度の関係上不可能であり、着艦時には海上で2発投棄する必要がある。そのため、運用規定により通常はフェニックスの搭載は4発以下に制限されている(残りのハードポイントにはスパローサイドワインダーなどが搭載される)。

全天候下での運用が可能で、強力なジャミングに曝された状況でも支障はなく、近接信管もMK 334レーダー、赤外線、衝撃信管で構成される複合型であった[3]


  1. ^ a b c d e f g h i j Backgrounder - AIM-54 Phoenix Missile
  2. ^ a b c d e f US Air-to-Air Missiles
  3. ^ a b c d e f g h i j Raytheon (Hughes) AAM-N-11/AIM-54 Phoenix
  4. ^ a b c d AIM-54 Phoenix Missile
  5. ^ NASA Phoenix Missile Hypersonic Testbed 2007年1月6日
  6. ^ a b ヴィジュアルガイド大全 航空機搭載兵装 P.17-18 著トマス・ニューディック
  7. ^ “Budget estimates descriptive summaries”, Supporting data for fiscal year 1983, Department of the Navy .
  8. ^ WORLD MISSILE DIRECTORY.Hughes AIM-54 Phoenix
  9. ^ FLIGHT International, 2? May 1976
  10. ^ Iranian F-14 Tomcat’s “new” indigenous air-to-air missile is actually an (improved?) AIM-54 Phoenix replica
  11. ^ Iran Tests New Fakour 90 Air-to-Air Missile
  12. ^ JETS January/February 2015 - No.33 PERSIAN TOMCATS
  13. ^ New long-range air-to-air missile in development, boasts Iran
  14. ^ Defense.gov Transcript: DoD News Briefing January 5, 1999”. 2016年6月13日閲覧。
  15. ^ Parsons, Dave, George Hall and Bob Lawson. (2006). Grumman F-14 Tomcat: Bye-Bye Baby...!: Images & Reminiscences From 35 Years of Active Service. Zenith Press, p. 73. ISBN 0-7603-3981-3.
  16. ^ 『イラン空軍のF-14トムキャット飛行隊』大日本絵画 2016年 ISBN 978-4-499-23185-5 p26


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