ピーマン ピーマンの概要

ピーマン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/02 17:46 UTC 版)

ピーマン
ピーマン
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: ナス目 Solanales
: ナス科 Solanaceae
: トウガラシ属 Capsicum
: トウガラシ C. annuum
栽培品種 : ピーマン C. annuum var. 'grossum'
学名
Capsicum annuum L. ‘Grossum’ group (1846)[1]
和名
ピーマン
英名
bell pepper,
sweet pepper[2]
green pepper[3]
pepper[3]
ピーマンの花
さまざまな色のカラーピーマン
さまざまな色のカラーピーマン。緑色のもの以外はパプリカとも呼ばれる
断面

名称

日本語における「ピーマン」の由来は、広義のトウガラシを指すフランス語の “piment”(ピマン[4]、あるいはポルトガル語の “pimento”(ピメント)とされる。ピマンやピーメントの語源は、「塗料」「顔料」を意味するラテン語の “pigmentum” だと言われている[4]。明治期では西洋とうがらし、甘とうがらしとも。

植物分類学上では、ピーマンはトウガラシと同種であるが、トウガラシのうち、しし群とベル群という2つの品種群が通常ピーマンと呼ばれている[4]。ベル群のうち、肉厚の大果種を特にパプリカ: Paprika)、またはジャンボピーマンの名で呼んでいる[4]。「パプリカ」の名は、ハンガリーなどでトウガラシ類を総称する言葉であるが、子供や若者に食べてもらうために、ファッション性を意識して用いられたという経緯もある[5]

英語名は、“Sweet pepper”(スイートペッパー)や、“Bell pepper”(ベルペッパー)などと呼ばれる[2]フランス語名は “poivron”(ポワヴロン)というピーマンを意味する男性名詞でよばれ[6]イタリア語名では “peperone”(ペペローネ)[7]中国名は「菜椒」[1]という。

特徴

熱帯アメリカ原産で、代表的な夏野菜の一つに数えられる。トウガラシの仲間で、果実が大きく、辛味を抑えて品種改良されたものである[8][2]。トウガラシから選抜して野菜として栽培され、アメリカで改良されたのがベル形のピーマンである[5]。オランダでさらに改良が加えられ、大形カラーピーマンの「パプリカ」も生まれている[3]

日本の店頭で食用として販売されるものは、明治初頭にアメリカから伝わったイスパニア種を品種改良した中形で緑色のものが多いが、近年はカラーピーマンも出回っている。緑色は未成熟の果実のためであり、成熟すると一般的なものは赤色のほか黄色橙色に変わるものもある。北米では大形の成熟した様々な色のものが流通する。その他に、未成熟で白色や、黒色(濃い紫色)、紫色のものもあり、黒や紫色は表面の色だけで果肉の断面は緑色である[4]。こうした未熟果は加熱すると緑色に変化し、熟すると橙色、赤色に変わる。


注釈

  1. ^ 支柱の代わりに、紐で仕立てられる場合もある[18]

出典

  1. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Capsicum annuum L. Grossum group ピーマン(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年4月25日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 90.
  3. ^ a b c d e f g h 板木利隆 2020, p. 28.
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa 講談社編 2013, p. 83.
  5. ^ a b c 板木利隆 2020, p. 32.
  6. ^ 「ピーマン」や「パプリカ」はフランス語で?野菜に関するフランス語”. Bibliette(ビブリエット). ビブリエット (2019年7月11日). 2021年7月10日閲覧。
  7. ^ a b c d e f g 講談社編 2013, p. 82.
  8. ^ a b c d e f g h i 主婦の友社編 2011, p. 16.
  9. ^ a b c d 竹下大学 2022, p. 104.
  10. ^ a b c 竹下大学 2022, p. 105.
  11. ^ a b 大竹大学 2022, p. 105.
  12. ^ a b c d e f g h i j 主婦の友社編 2011, p. 17.
  13. ^ a b c d 竹下大学 2022, p. 106.
  14. ^ a b c d 竹下大学 2022, p. 108.
  15. ^ a b c d 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 91.
  16. ^ オリーブオイルをひとまわし編集部. “ピーマンなのに甘い!【フルーツピーマン】は生で食べるのがおすすめ”. オリーブオイルをひとまわし. ディライトクリエイション. 2021年7月10日閲覧。
  17. ^ a b c d 主婦の友社編 2011, p. 20.
  18. ^ a b c d e f 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 244.
  19. ^ a b 板木利隆 2020, p. 29.
  20. ^ a b 主婦の友社編 2011, p. 21.
  21. ^ a b 主婦の友社編 2011, p. 22.
  22. ^ 板木利隆 2020, p. 31.
  23. ^ 講談社編 2013, p. 86.
  24. ^ 主婦の友社編 2011, pp. 18–19.
  25. ^ 捨てないで!ピーマンの「わた」と「種」”. RASSIC. 2020年10月7日閲覧。
  26. ^ a b c d e f g h 講談社編 2013, p. 85.
  27. ^ 「江川ピーマン北の湖」強すぎで揶揄 - 日刊スポーツ2015年11月21日
  28. ^ 「ピーマンの苦味成分」を解明”. タキイ種苗インフォメーション. 2012年5月16日閲覧。
  29. ^ こどもピーマンのひみつタキイ種苗
  30. ^ 講談社編 2013, p. 84.


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