ヒラリー・クリントン
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名前のこだわり
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アメリカでは、夫婦別姓も可能で、近年では多くの女性が夫婦別姓を実践するようになっており、また、それ以外の場合でも旧姓のあとに夫の姓をつけたものを正式な名前とすることも多く、伝統的な夫の姓を使用する女性は減少しつつある。しかしながら、ヒラリー以前のファーストレディーは伝統的な夫の姓を用いることが多かった。ヒラリーは、アーカンソー時代に「ヒラリー・ローダム・クリントン」を名乗り始めて以来、一貫してこの「旧姓込み」の名前を使用している。ホワイトハウス時代にもファーストレディーとしては異例の「The First Lady Hillary Rodham Clinton」と呼ばれることが多く、ここでもヒラリーは他の保守的なファーストレディーとは一線を画していた。このヒラリーの旧姓へのこだわりは、保守派には「典型的なリベラル」とか「70年代のウーマン・リブを思わせる」などと評判が悪かったが、一般には「いかにも自己を埋没させようとはしないヒラリーらしい」と肯定的に受け止められていた。
2000年の上院選挙に出馬を表明した頃には、これを機会にまた元の「Hillary Rodham」に戻すのではないか、という憶測も流れたが、ヒラリーはためらうことなく「Hillary Rodham Clinton」を維持した。ただし選挙戦では、ポスターからテレビ広告に至るまで、ありとあらゆる媒体に「Hillary」の一語のみを使用した。「Clinton」はビルを連想させて余りある、というイメージ戦略が公の理由だが、これもヒラリーの「自己へのこだわり」なのだと一般には解釈された。
このようにファーストネームで選挙戦を戦うというのは極めて異例である。今日ではマスメディアの多くが彼女のことを一般に「Hillary」と呼ぶようになっている。上院議員としての呼称や敬称をつけた名称こそ「Senator Clinton」だが、彼女が「Hillary Clinton」と呼ばれることが比較的稀であることに変わりはなかった。ところが2007年1月に大統領戦に正式に立候補すると、ヒラリー陣営では今度は意識的に「Rodham」を抜いた「Hillary Clinton」を前面に打ち出すようになった。メディアではこれを一様に「保守層への気兼ね」などと分析しているが、これが「ローダム色」の払拭を狙ったものなのか、あるいは「クリントン色」の上塗りを意図したものなのか、その辺の事情については依然として推測の域を出ていない。
- ^ インドネシアではオバマ大統領の母校に訪問。またテレビ番組にも出演した。それにはイスラム社会との冷え切った関係修復があると言われている。
- ^ Barone, Michael; Cohen, Richard E. (2008). The Almanac of American Politics. p. 1126を参照。2006年版はp1152。個々年のスコアは「リベラル度(保守度)」の表記で次の通り。2003年:経済90(7)、社会85(0)、外交79(14)、平均85(7)。2004年度は経済63(36)、社会82(0)、外交58(41)、平均78(18)。2005年度は経済84(15)、社会83(10)、外交66(29)、平均78(18)。2006年度は経済63(35)、社会80(14)、外交62(35)、平均68(28)
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