ヒュー・ジャックマン ヒュー・ジャックマンの概要

ヒュー・ジャックマン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/30 02:36 UTC 版)

ヒュー・ジャックマン
Hugh Jackman
2019年撮影
本名 ヒュー・マイケル・ジャックマン
生年月日 (1968-10-12) 1968年10月12日(55歳)
出生地 オーストラリア
ニューサウスウェールズ州シドニー
国籍 オーストラリア
イギリス
活動期間 1994年 -
配偶者 デボラ=リー・ファーネス(1996年 -2023年
主な作品
X-MEN』シリーズ
ニューヨークの恋人
ヴァン・ヘルシング
ファウンテン 永遠につづく愛
プレステージ
ハッピー フィート
オーストラリア
ウルヴァリン』シリーズ
リアル・スティール
ガーディアンズ 伝説の勇者たち
レ・ミゼラブル
プリズナーズ
チャッピー
グレイテスト・ショーマン
フロントランナー
ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒
バッド・エデュケーション
 
受賞
MTVムービー・アワード
最優秀スクリーン・デュオ賞
2017年LOGAN/ローガン
エミー賞
最優秀個人パフォーマンス賞(バラエティ/音楽番組部門)
2005年第58回トニー賞受賞式』
グラミー賞
最優秀編集サウンドトラック・アルバム賞(映画・テレビ・その他映像部門)
2018年グレイテスト・ショーマン
ゴールデングローブ賞
男優賞(ミュージカル・コメディ部門)
2012年レ・ミゼラブル
トニー賞
ミュージカル主演男優賞
2004年『The Boy from Oz
特別賞
2012年
その他の賞
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生い立ち

オーストラリア連邦ニューサウスウェールズ州州都であるシドニーで、5人兄弟の末っ子として生まれる。両親は共にイングランドの出身で、父親のクリスはケンブリッジ大学の会計学士を持つ会計士。ヒューが8歳の時に両親は離婚。母親のグレース・グリーンウッドは娘2人を連れてイギリスに戻り、彼は兄弟と共に父の元に残った。母は再婚相手との間に娘を生んでおり、ジャックマンにとって異父妹となる。

地元ワールーンガの男子高校ノックス・グラマー・スクールで生徒会長を務めた後、シドニー工科大学でコミュニケーション(ジャーナリズム学士を取得。大学在学中に卒業認定単位を取得するためにたまたま履修した演劇クラスで演劇の面白さに目覚め俳優を志すことになった。親戚の遺産が入ったことで彼はさらに演技を学ぶためエディス・コーワン大学の西オーストラリア演劇学校に進学、1994年に26歳で卒業した。俳優としてブレイクする前の1987年には、イギリスの寄宿制私立学校アッピンガムスクールで体育の補助教員として働いていた[4]

経歴

初期の経歴

『アースキンヴィル・キングス』『ペーパーバック・ヒーロー』(1999)などの映画に出演しつつ、『ロー・オブ・ザ・ランド』『ブルー・ヒーリーズ』などのテレビ・ドラマにも出演するというものだった。1996年の『ザ・マグレガー・サガ』というドラマではダンカン・ジョーンズという役でそのシーズンのレギュラー出演者となった。また、ミュージカルの『美女と野獣』や『サンセット大通り』などに出演し人気を博した。メルボルンで上演された『キャロルス・バイ・キャンドルライト』、シドニーの『キャロルス・イン・ザ・ドメイン』では主役を務めた。

国際派として

最初に外国で知られるようになったのは、1998年にイギリスの王立劇場での舞台『オクラホマ!』で主役カールを演じたことに始まる。この演技はローレンス・オリヴィエ賞にノミネートされ、テレビ用に録画されたDVDがリリースされた。

2003年

ミッション:インポッシブル2』の撮影が2ヶ月延長され疲れきっていたダグレイ・スコットに変わり『X-メン』の主役ウルヴァリン役に抜擢された。ブライアン・シンガー監督は最初はラッセル・クロウにウルヴァリン役をオファーしていたが、クロウが『グラディエーター』をやったばかりという理由で断り、その際に同郷(クロウはニュージーランド生まれだが、幼少期からオーストラリアに移住している)のジャックマンを推薦していたという経緯があった(オーストラリアのラジオ番組トリプルM104.9FMでのジャックマン本人談より)。『X-メン』の原作出版社であるマーベル・コミックによるとジャックマンの身長(189cm)は原作のウルヴァリンよりも背が高いため(原作では160cm前後)、撮影ではバストショットをメインに使うなどのテクニックを駆使し、彼を実際の身長よりも低く見せることが必要とされた。『X-メン』は公開と同時に大ヒットとなり、ジャックマンはスターダムを駆け上がった。後に製作された続編でも彼は主役を演じた。ウルヴァリンを演じるにあたり、ボディ・トレーニングを必要とし、『メンズ・ヘルス』誌によると、彼は撮影が終わった時にはベンチプレス140kg、レッグプレス480kgを持ち上げられる程になっていた。

2004年にジャックマンはオーストラリア人作曲者兼俳優のピーター・アレンの生涯を描いたブロードウェイ・ミュージカル『ザ・ボーイ・フロム・オズ』でトニー賞 ミュージカル主演男優賞を受賞。彼の卓越したパフォーマンスは多くの賞賛と共に2004年・2005年と同賞の主役となった。また、第58回トニー賞の司会を務め、エミー賞のIndividual Performance(Variety/Music Program)を受賞した。

2006年

2007年10月からCBSにてテレビドラマ『Viva Laughlin』のプロデュースを行うが、わずか2回の放送で打ち切られてしまった。これは2006年に放送されたABCの『エミリーの恋愛バイブル』に次ぐ最速記録でもある。

2008年の『ピープル』誌の「最もセクシーな男」に選出された。

2009年に第81回アカデミー賞の司会を務めた。同年4月21日にハリウッド・ウォーク・オブ・フェームに名前が刻まれた。

2011年

2012年には、同名のミュージカルを映画化した『レ・ミゼラブル』に主人公のジャン・バルジャン役で出演した。本作品でゴールデングローブ賞主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞し、アカデミー賞主演男優賞にもノミネートされた。同映画のプレミアでは、トム・フーパー監督、キャメロン・マッキントッシュアン・ハサウェイアマンダ・サイフリッドらと共に、来日も果たした。

2013年、サン・セバスティアン国際映画祭ドノスティア賞(功労賞)を受賞した。2014年には、トヨタクラウン』のCMに起用され、『あの素晴しい愛をもう一度』『キセキ』の英語版を歌っている。

2015年

2015年にマルコ・ポーロ(リボーン2015)として登場している。

2017年

2017年に『LOGAN/ローガン』に出演し、自身最後となるウルヴァリン役を演じた。同作に出演したことにより、共演したプロフェッサーX役のパトリック・スチュワートと共に2000年の『X-MEN』から2017年の『LOGAN/ローガン』までの16年232日の最も長期でマーベルのキャラクターを演じた俳優として当時ギネス世界記録に認定された[注 1]

2018年には、『グレイテスト・ショーマン』にて、グラミー賞サウンドトラック・アルバム賞を受賞。ゴールデングローブ賞 映画部門 主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)にノミネートされた。

2022年9月28日に2024年に公開予定の『デッドプール3』でウルヴァリン役に復帰することを、主演のライアン・レイノルズがYouTubeチャンネル上で発表した。

私生活

ジャックマンにとって初めてのテレビの仕事だった『コレリ』でオーストラリア人女優デボラ=リー・ファーネス(Deborra-Lee Furness)と出会い1996年4月に結婚。このストーリーは険悪な囚人(ジャックマン)がカウンセラー(デブラ)に恋するというものだった。ジャックマン夫婦は2度の流産を経験しており、現在は養子のオスカー・マクシミラン(男・2000年5月15日生まれ)とアヴァ・エリオット(女・2005年7月10日生まれ)と共にメルボルンで暮らす。

ジャックマンは自身がデザインした婚約指輪をデブラに贈り、そこにはサンスクリット語で「Om paramar mainamar」と刻まれており、翻訳すると「私達はこの絆を偉大なる原典に捧げる」となる[6]

2005年に長年のアシスタントであったジョン・パレルモと共に映画制作会社シード・プロダクションズに参加。同プロダクションの処女作は2007年公開の『Viva Laughlin』。妻デブラも同プロダクションに参加している。

オンライン掲示板「NNDB」によると、ジャックマンは非常に視力が悪く、コンタクトレンズを付けていなければメニューすらろくに読めないという。左利きで、ピアノギターバイオリンを演奏する。寿司が大好物。5個のボールをジャグリングすることができる。非常な嫌煙家で私生活のみならず劇中でもタバコを吸うことを拒んでいる。『X-メン』シリーズでは葉巻をしばしば吸っているシーンがあるが、これは自身が演じるウルヴァリンのキャラクターに合わせて演技の時のみ吸っている。

熱烈なクリケットファンとして知られる。好きなクリケット選手はインドヴィラット・コーリであり、コーリのファンクラブに入会している[7]。コーリはInstagramアカウントのフォロワー数がアジア人で最も多い人物でもあり、2023年時点でフォロワーが2億6000万を超えている世界的スター選手である[8]

ナショナル・ラグビー・リーグマンリー=ワーリンガー・シー・イーグルス英語版のサポーター。

ユーモアに溢れ、紳士的な性格である。食わず嫌い王決定戦に出演した際にアカデミー賞で階段で転んだジェニファー・ローレンスをいち早く助けた事を石橋貴明に讃えられ「あなただってあの場所にいたら助けていますよ。」と答えた後に「彼女は僕にトロフィーを取られたくないからすぐに立ち上がったよ」と笑いをとった。また、出演時に自ら子供の話をしており、息子と富士山に登ったエピソードや、嘘を見抜くために子供たちを叱る際に「パパは嘘をつく仕事をしているんだ。一日中何かを演じているから目を見たら嘘がわかるんだ」という事を語っていた。また共演者に食べ物を分けてあげたり、共演者の食べ物をもらったりしていた。(この時は体作りのために食事制限をしていたが、もらったものを残さず食していた。)しかし、番組では本人が思わず本音を話してしまい、一回戦で負けてしまった。

彼の父はイギリス軍のボクシングチャンピオンであった。『リアル・スティール』撮影の際に、ジャックマンがシュガー・レイ・レナードに指導を受けた事を父に話した所「いままで見たこともないくらい」興奮したとジャックマンがメイキングで語っている。

2019年

2017年、鼻に出来た皮膚癌を除去し、80針を縫ったが『グレイテスト・ショーマン』に出演。命にかかわる可能性があるにもかかわらず歌ってしまっていたと語られた[9]

2023年9月16日、27年間連れ添ったデボラ=リー・ファーネスと離婚したことを発表。[10]


注釈

  1. ^ 2021年スパイダーマン役のトビー・マグワイアグリーン・ゴブリン役のウィレム・デフォーが『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』に出演したことによって、2002年の『スパイダーマン』から2021年の『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の19年と225日でギネス世界記録を更新した[5]
  2. ^ 出典には山路が同作のピーターの吹き替えを務めたと記載されているが、本作は映像ソフトやVODに日本語吹替版は収録されておらず、誤表記によるものか、お蔵入りになった日本語吹替が存在するのかは不明である。

出典

  1. ^ “Monitor”. Entertainment Weekly (Time Inc.) (1228/1229): p. 23. (2012年10月) 
  2. ^ Internet Movie Database - Hugh Jackman
  3. ^ Nast, Condé (2023年9月19日). “結婚27年のヒュー・ジャックマンとデボラ=リー・ファーネスが離婚”. Vogue Japan. 2024年1月7日閲覧。
  4. ^ ヒュー・ジャックマン、取材記者が昔の教え子だったことに気づく MovieWalker 2013-10-07
  5. ^ Sanj Atwal (2022年1月25日). “Spider-Man stars Tobey Maguire and Willem Dafoe break Marvel record” (英語). Guinness World Records. 2022年1月29日閲覧。
  6. ^ Enough Rope with Andrew Denton
  7. ^ Hugh Jackman joins Indian cricketer Virat Kohli's fan club The Express Tribune 2023年10月14日閲覧。
  8. ^ Top 10 Indians with highest followers on Instagram in 2023 India Forbes 2023年10月14日閲覧。
  9. ^ “ヒュー・ジャックマン、皮膚がん摘出後も医師のストップ振り切り熱唱!『グレイテスト・ショーマン』“From Now On”ビハインドストーリー映像”. 映画ランドNEWS (映画ランド株式会社). (2018年2月23日). https://eigaland.com/topics/?p=70077 2019年12月25日閲覧。 
  10. ^ ヒュー・ジャックマン、離婚へ”. 2023年9月16日閲覧。
  11. ^ “レオ様、ハリソン・フォードら大物俳優の日本CM”. 日刊スポーツ. (2016年4月10日). https://www.nikkansports.com/entertainment/news/1628767.html 2016年4月11日閲覧。 
  12. ^ 『レミニセンス』山路和弘が長年吹替を務めてきた俳優・ヒューを語る”. エキサイト. 2023年3月4日閲覧。
  13. ^ 【声のお仕事】山路和弘さん#2「ヒュー・ジャックマン本人のアフレコ映像を見たとき、心の中で謝ったよ」”. フムフムニュース. 2023年3月4日閲覧。
  14. ^ 映画『The Son/息子』ヒュー・ジャックマンらの本編ダンスシーンが解禁—心の病と日々向き合う精神科医らも鑑賞し推薦”. サピエンストゥデイ (2023年3月17日). 2023年11月30日閲覧。


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