パーソナルコンピュータ パーソナルコンピュータをめぐる市場

パーソナルコンピュータ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/28 09:43 UTC 版)

パーソナルコンピュータをめぐる市場

世界でのパーソナルコンピュータ出荷台数

1990年代前半までのNECのPC-9800シリーズ全盛時代はおおよそキーコンポーネンツ(主要部品)となるCPU(マイクロプロセッサ)の進化時期に対応した商品サイクルで半年から1年程度の商品サイクルとなっており、NECの新商品発売に少し遅れるタイミングでエプソンが対抗機種をNECより安い価格で発売する状態であったがWindows 95が本格的に立ち上がり始め多数の日本国外系メーカーが日本に参入を始めた1996年頃から商品サイクルの短期化が進み、モデル末期には希望価格の半額以下で投売りされることも多く生鮮食品に例えられるようになってきた。

現在(2013年5月時点)では各社とも年3回(春・夏・秋冬)の新モデルの発売が定着し無理なシェア争いを回避する方針となって生産量も押さえ気味(機種によっては1カ月程度で生産完了の場合もある。Qosmio Gシリーズなど)にされ、かつてのように旧モデルの在庫品などを安く購入する手法は困難となっている。また、高機能モデルを投入するために進化論で有名なガラパゴス島になぞらえてガラパゴス進化と言われている。これに対して台湾系のASUSやACERなどは新興国市場に強く、北米や欧州市場でのニッチユーズが成功してるのに対して日本メーカーは構造転換が難しく各メーカーの収益性が問われている。

またデルコンピュータゲートウェイなどアメリカ合衆国で実績を伸ばした比較的低価格で直接販売するメーカーの日本への進出(後者は一度撤退後、再進出)もあり、現在(2013年5月時点)では主要メーカーのほとんどが、家電量販店などの店頭やOAディーラなど従来の流通ルートを使った販売と、自社ウェブサイトによる直接販売(需要予測精度の向上の目的もある)の両方を行っている。

秋葉原などのパソコンショップでは、マザーボードハードウェアなどPCパーツだけでの販売もされているため、好みのパーツを購入してメーカー製にはないオリジナルのPCを完成させる人もいる(いわゆる自作PC)。PCを自作するのは、ただ単にPCが動けばいいという人とより高性能なものを求める人とに二分される。詳しくは自作パソコンを参照。

主なメーカー

主なパーソナルコンピュータのメーカーは以下の通りである。大手メーカーの多くはクアンタ・コンピュータコンパル・エレクトロニクスなどの台湾に本社を置く受託製造メーカーにOEM生産を委託しており、ノートパソコンに至っては世界の年間生産台数の約9割を台湾企業が手掛けている。

国・地域名 現存する主なPCメーカー かつて存在した主なPCメーカー
アメリカ Amazon.com
Google
マイクロソフト
アップル
HP
デル
エバレックス
インテル
アジレント・テクノロジー
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ
クレイ
コモドール(破産)
タンディ・ラジオシャック(撤退)
アタリ(撤退)
IBM(PC部門をレノボに売却し撤退)
コンパック(HPに吸収合併されブランド名として存続)
DEC(コンパックに買収)
ASTリサーチサムスンに買収)
イーマシーンズ(ゲートウェイに買収)
ゲートウェイ(エイサーに買収されブランド名として存続)
パッカードベル(NEC傘下を経てエイサーに買収)
ユニシス(撤退)
ベル&ハウエル(撤退)
日本 NEC
富士通
Dynabookシャープ東芝の持ち株比率約8:2の合弁企業)[注 4]
VAIO[16]
パナソニック
エプソンダイレクト
オンキヨー
MCJ
サードウェーブ
ロジテック(企業向けのみ)
アキア(廃業)
セイコーエプソン(エプソンダイレクトに集約)
セガ(撤退)
ソード(東芝に業務売却)
三洋電機(撤退)
トミー(撤退)
バンダイ(撤退)
プロサイド(撤退)
沖電気工業(撤退)
ソニー(VAIOに事業譲渡[16]
旧・アイワ(ソニーに吸収合併、一時期PC/AT互換機を製造販売)[注 5]
カシオ計算機(撤退)
キヤノン(撤退)
京セラ(撤退)
高木産業(撤退)
日本ビクター(撤退)
ソーテック(オンキヨーに買収、後にブランド廃止)
工人舎(オンキヨーにPC事業統合し、工人舎ブランドは撤退)
日立製作所(一般向けは撤退しセキュリティ用に特化するも現在は終了)
KOUZIRO(解散しインバースネットのブランド名として存続)
パイオニア(一時期Macintosh互換機を製造販売)
三菱電機(撤退)
東芝(2018年10月1日にシャープへ事業譲渡→Dynabook)
台湾 エイサー
ASUS
MSI
クアンタ・コンピュータ
AOpen
BenQ
Biostar
コンパル・エレクトロニクス
エリートグループコンピューター・システムズ
ASRock
マイタック(モバイル用に特化し一般向けは撤退)
UMAX(撤退)
中国 レノボ
方正
清華同方
ハイアール
シャオミ
ZOTAC
Aigo
韓国 サムスン電子
LGエレクトロニクス
トライジェム
ヨーロッパ Aleutia
CMS Computers
Bull
グルンディッヒ
IGEL
Tプラットフォーム
Wortmann
シンクレア(撤退)
アムストラッド(撤退)
ICL(撤退)
オリベッティ(PC部門を売却し撤退)
エイコーン(PC部門を廃止し解体)
ノキア(撤退)
その他 Razer
AXIOO
グラディエンテ
Itautec
Lanix

上記以外にもパソコンの製造メーカーはPCをベースとした専用機器やシステム販売、あるいは小規模なPCショップを含め多数存在するが、パソコンの内部に使われている部品は限られた企業が生産している。

  • CPUはx86アーキテクチャにおいては2015年時点でインテルが87.7%を占め、AMDが12.1%を占める[17]。ただし、2010年代に入ってから小型デバイスなどの組み込み向けを中心にARMアーキテクチャが台頭してきており、x86アーキテクチャだけで一概に推し量ることはできない[18]
  • GPUは2015年第3四半期時点でデスクトップ向けのビデオカード製品ではNVIDIAが81.1%、AMD(旧・ATI)が18.8%を占め、Matroxが1%未満となっている。チップセットやノートパソコンなどのモバイル向けGPUを含む総合ではインテルが72.8%、NVIDIAが15.7%、AMDが11.5%を占める。[19]
  • メモリサムスン電子が4割、SKハイニックス(旧・現代電子)が3割、マイクロン・テクノロジが2割を占める[20]

市場シェア

世界市場(各1〜12月、台数ベース、IDC調査)
2019年[21]
メーカー %
1 レノボ 21.3
2 HP Inc. 20.9
3 Dell 15.7
4 ASUS 7.4
5 アップル 7.1
6~ その他 27.7
日本市場(各1〜12月、出荷台数ベース、IDC調査)
2019年[22]
メーカー %
1 NEC 25.4
2 富士通 19.0
3 HP Inc. 12.4
4 Dell 12.1
5 Dynabook 11.1
6~ その他 20.0



注釈

  1. ^ 日本独自の略語である。(著書『インターネットの秘密』より)
  2. ^ ただし「PC」という略称は、特にPC/AT互換機を指す場合もある。「Mac対PC」のような用法。
  3. ^ iGPU (Intel) やAPU (AMD) 以前の世代ではGPUを含む。以後の世代ではそれらのチップが内蔵しているGPUのための周辺回路などが「オンボードグラフィック機能」である。
  4. ^ シャープにとってはMebius以来の再参入となった[15]
  5. ^ 2017年ブランド復活
  6. ^ 高木産業(現パーパス)。かつて「PURPOSE」ブランドでパソコンを販売していたが、2003年平成15年)頃に撤退)PURPOSEパソコンの廃棄について
  7. ^ コンパック製品については、合併したヒューレット・パッカードで回収を行っている。2001年平成13年)に一度日本から撤退したゲートウェイ製品については、再進出後の現日本法人で回収を行っている。

出典

  1. ^ 小項目事典, ブリタニカ国際大百科事典. “パーソナル・コンピュータとは” (日本語). コトバンク. 2021年1月10日閲覧。
  2. ^ パソコンの特徴”. 文教大学. 2020年8月26日閲覧。
  3. ^ デジタルだからできること”. 新電力ネット. 2020年8月26日閲覧。
  4. ^ どんどん賢くなる、最新デジタルサイネージでできること”. IoTNEWS. 2020年8月26日閲覧。
  5. ^ パソコン普及の起爆剤に 1995年の革命「ウィンドウズ95」の思い出”. URBAN LIFE METRO. 2020年8月26日閲覧。
  6. ^ 『マイ・コンピュータ入門 - コンピュータはあなたにもつくれる』 pp.78-118、 「第三章 マイ・コンピュータのつくり方」
  7. ^ 小林紀興「東芝の奇襲で日本電気が受けた深傷」、光文社、1990年、128頁。
  8. ^ 『日本経済新聞』 1990年7月31日朝刊、23面。
  9. ^ 塩田紳二「国産銘機列伝 : History 「そして、世界標準がやって来た」」『ASCII』第22巻第8号、アスキー、1998年、 378-379頁、 ISSN 03865428
  10. ^ 「パソコン業界のあの事件を追え!:オフィスとパーソナルコンピュータ」『ASCII』第30巻第8号、アスキー、2006年、 74-75頁。
  11. ^ インターネットの歴史概要<通信の歴史<歴史<木暮仁”. 木暮仁. 2016年11月8日閲覧。
  12. ^ 佐藤岳大 (2016年5月17日). “2015年度国内PC出荷台数、前年比21.4%減で1,000万台を割る結果に”. PC Watch. https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/757813.html 2017年10月30日閲覧。 
  13. ^ “スマホに押され…PC国内出荷が1千万台割れ”. 読売新聞. (2015年4月23日). オリジナルの2015年5月5日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150505061038/http://www.yomiuri.co.jp/it/20150423-OYT1T50119.html 
  14. ^ Digitalの14TB HDDが発売、データセンター向けの「Ultrastar DC HC530」 - AKIBA PC Hotline!
  15. ^ シャープ、パソコン事業再参入へ 東芝から買収する方針:朝日新聞デジタル
  16. ^ a b PC事業の譲渡に関する正式契約の締結について - ソニー ニュースリリース
  17. ^ How AMD is resurrecting itself as a formidable rival to Intel - PCWorld”. IDG Consumer (2016年4月22日). 2016年11月13日閲覧。
  18. ^ AMD reveals roadmap for ARM and x86 SoCs”. Rick Lehrbaum (2013年9月9日). 2016年11月13日閲覧。
  19. ^ Hassan Mujtaba (2015年11月17日). “GPU Market Share Results For Q3 2015 - AMD and NVIDIA See Increased AIB GPU Shipments as PC Gaming Market Grows”. WCCF PTE LTD.. 2016年11月13日閲覧。
  20. ^ Samsung’s Market Share Is Expected to Increase in Fiscal 2016”. Market Realist (2015年12月9日). 2016年11月13日閲覧。
  21. ^ Gartner Says Worldwide PC Shipments Grew 2.3% in 4Q19 and 0.6% for the Year
  22. ^ 2019年のPC国内出荷は前年比45.7%増の活況 IDC調べ
  23. ^ a b c d 中国「リサイクル産業の都」が払う電子ごみ処理の代償 AFP 2014年10月29日






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