パイナップル 歴史

パイナップル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/13 06:10 UTC 版)

歴史

原産地はブラジルパラナ川パラグアイ川の流域地方であり、この地でトゥピ語族グアラニー語を用いる先住民により、果物として栽培化されたものである。15世紀末、ヨーロッパ人が新大陸へ到達した時は、既に新世界の各地に伝播、栽培されていた。 クリストファー・コロンブスの第2次探検隊が1493年11月4日、西インド諸島グアドループ島で発見してからは急速に他の大陸に伝わった。 1513年には早くもスペインにもたらされ、次いで当時発見されたインド航路に乗り、たちまちアフリカアジア熱帯地方へ伝わった。当時海外の布教に力を注いでいたイエズス会の修道士たちは、この新しい果物を、時のインド皇帝アクバルへの貢物として贈ったと伝えられる。 次いでフィリピンへは1558年、ジャワでは1599年に伝わり広く普及して行った。そして1605年にはマカオに伝わり、福建を経て、1650年ごろ台湾に導入された。日本には1830年東京の小笠原諸島父島に初めて植えられたが、1845年にオランダ船が長崎へもたらした記録もある。

生産

市場に出回るパイナップル(レユニオン

植付け後15-18か月で収穫が始まる。自然下の主収穫期は、たとえば沖縄では7-9月と11-翌年2月である。1年を通した生産面の労働力の分配や缶詰工場の平準化を図り、植物ホルモンであるエチレンアセチレンカーバイドに水を加えて発生させる)、エスレル(2-クロロエチルホスホン酸[注釈 1])、を植物成長調整剤として利用し、計画的に花芽形成を促して収穫調節を施している。

栽培適地は年平均気温摂氏20度以上で年降水量1300mm内外の熱帯の平地から海抜800mくらいまでの排水の良い肥沃な砂質土壌である。世界生産量の約5割がアジア州で、残りの5割はアフリカ州、北アメリカ州、南アメリカ州の間でほぼ均等に分かれている。

主要生産国

パイナップルが盛んに生産されるようになったのは缶詰の製造が行われるようになった19世紀末から20世紀初頭である[4]

2002年時点のFAOの統計によると世界生産量は1485万トン。1985年時点に比べて60%以上拡大している。主要生産国はタイ (13.3%)、フィリピン (11.0%)、ブラジル (9.9%)、中国 (8.6%)、インド (7.4%)、コスタリカナイジェリアケニアメキシコインドネシアである。1985年の世界総生産は923万トンで、主産地はタイ、フィリピン、ブラジル、インド、アメリカ、ベトナムなどである。1985年から2002年までのシェアの推移をたどると、米国のシェアが6%から2%までじりじり下がっていることが特徴である。既に米国は上位10カ国に含まれていない。

日本では沖縄県が主産地で2002年時点では1万トンである。日本で流通しているパイナップルの大半はフィリピンからの輸入物である[4]

国別の生産量

2014年における国別の生産量は以下の通りである[5]

順位 国名 生産量(千トン) 全世界に占める割合(%)
1 コスタリカの旗 コスタリカ 2,916 11.5
2 ブラジルの旗 ブラジル 2,646 10.4
3 フィリピンの旗 フィリピン 2,507 09.9
4 タイ王国の旗 タイ 1,915 07.5
5  インドネシア 1,835 07.2

果実の成分

パインアップル 生[6]
100 gあたりの栄養価
エネルギー 213 kJ (51 kcal)
13.4 g
食物繊維 1.5 g
0.1 g
0.6 g
ビタミン
ビタミンA相当量
(0%)
3 μg
(0%)
30 μg
チアミン (B1)
(7%)
0.08 mg
リボフラビン (B2)
(2%)
0.02 mg
ナイアシン (B3)
(1%)
0.2 mg
パントテン酸 (B5)
(6%)
0.28 mg
ビタミンB6
(6%)
0.08 mg
葉酸 (B9)
(3%)
11 μg
ビタミンC
(33%)
27 mg
ミネラル
カリウム
(3%)
150 mg
カルシウム
(1%)
10 mg
マグネシウム
(4%)
14 mg
リン
(1%)
9 mg
鉄分
(2%)
0.2 mg
亜鉛
(1%)
0.1 mg
(6%)
0.11 mg
他の成分
水分 85.5 g
水溶性食物繊維 0.1 g
不溶性食物繊維 1.4 g
ビオチン(B7 0.2 µg
有機酸 1.0 g

別名: パイナップル。廃棄部位: はく皮及び果しん部
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDIの割合。
スライスしたパイナップル

パイナップルの果実は芳香があり、多汁でさわやかな酸味と甘みに富み、生果肉100g中全糖分として10%、クエン酸リンゴ酸など類を0.8-1.2%、カルシウム13mg、カリウム109mgを含み、ビタミンCを48mgのほかビタミンBも含んでいる。果汁中にはタンパク質分解酵素ブロメラインを含み、肉類の消化を助ける。ブロメラインはタンパク質の一種であるゼラチンを分解してしまうため、生の状態のパイナップルを入れたゼラチンのゼリーは作ることができない。一方、海藻から作られる寒天は、タンパク質ではなく食物繊維多糖類でできているため、分解されること無くゼリーを作ることが可能である[7]

未熟な果実には多量の酸の他、シュウ酸カルシウムの針状結晶などを含むため、食べ過ぎると口内は荒れ、さらに先述のブロメラインの酵素作用によって組織のタンパク質が分解され、出血にまで至ることがある。


注釈

  1. ^ CAS登録番号 16672-87-0

出典

  1. ^ a b c 『英語語源辞典』、1069頁。
  2. ^ a b c 『シップリー英語語源辞典』、465頁。
  3. ^ スウィーティオ エコパイン”. ドール. 2015年6月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年10月6日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h パイナップル”. 丸果石川中央青果. 2019年10月19日閲覧。
  5. ^ 地理 統計要覧 2018年版 ISBN 978-4-8176-0429-3 P,60
  6. ^ 文部科学省 「日本食品標準成分表2015年版(七訂)
  7. ^ フルーツ寒天”. キユーピー3分クッキング (2012年7月16日). 2018年6月9日閲覧。
  8. ^ 減価償却資産の耐用年数等に関する省令(昭和四十年大蔵省令第十五号)別表第四「生物の耐用年数表」”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局 (2018年3月31日). 2020年1月10日閲覧。 “2018年4月1日施行分”


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