バーザム バージム

バーザム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/08 05:45 UTC 版)

バージム

BR-GM[43]

福地仁が、漫画『ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム』と平行して『MJ』で連載していたメカ紹介コーナー「MS90'S」にて、オマケとして描いたのが初出(型式番号:MSA-008 / RGM-87)。初出時には「BR-GM」という英文表記と「バーザム」というカタカナ表記のみがあり、カタカナでの「バージム」表記は『ENTERTAINMENT BIBLE.3』が初出となる。

バーザムのエゥーゴやカラバ仕様で、のちに地球連邦軍に制式採用された[43]。画稿は前向きの白黒イラストが1枚のみであるが、テレビ版バーザムのデザインを元に、頭部のゴーグル型のセンサーをはじめ、ジム系の特徴が多く見られる。その後、『ダブルフェイク』本編でもサイド2のコロニー内の防衛隊として、数コマ登場している。

掲載された資料がほとんどなく、開発経緯や採用時期などの大部分が明らかにされていなかった。『ENTERTAINMENT BIBLE.3』ではバーザムの「発展型」という表現がある[44]。ゲーム『SDガンダム GGENERATION-F』ではバーザムの「発展改良型」であるが「汎用試作型」ともされる(同ゲームでは、バーザムのものと異なるビーム・ライフルと、ビーム・サーベルを装備)。初出から34年後、雑誌『ガンダムエース』掲載の「月刊モビルマシーン」(漫画『機動戦士ガンダムF90 ファステストフォーミュラ』の関連企画)において、下記の設定が発表された。

量産を想定した初の連邦製第2世代MSであるバーザムは、連邦正規軍によって第一次ネオ・ジオン戦争でも運用される。そのままの仕様で投入された機体も少なくないが、現場はティターンズの兵器を使うことを嫌ったため、ブッホ・エアロダイナミクス社と、コロニー公社を通じて同社と深い関わりのあるサイド2のナムスド研(0107年にサナリィに吸収)によって改修がおこなわれる。バーザムは機体が高度にモジュール化されており、頭部レイアウトを容易にジム・カスタムに近付けることが可能であった。0088年3月にエゥーゴおよびカラバがMSA-008として採用、やや遅れて正規軍がRGM-87として制式採用する。頭部ユニットのみを小改造した機体はA型、ジムIIIとのパーツの共用性を高めて再設計したものはB型と呼ばれる[45]

バージム(C2型)

諸元
バージム
BR-GM
型式番号 RGM-87C2
開発 ナムスド研
全高 19.4m[45]
全備重量 58.9t[45]
武装 ビーム・サーベル
ビーム・ライフル
ミサイル・ランチャー
(シールド内蔵)
ハイパー・バズーカ
バルカン・ポッドほか[45]
搭乗者 ギデオン・ブロンダン

漫画『ファステストフォーミュラ』に登場。

0093年10月にブッホ・エアロダイナミクス社がサナリィと提携したあと、TR計画研究者を多く受け入れたナムスド研が、精鋭部隊向けでなく、整備やパーツ調達も容易な第2世代MSとしてさらに再設計したC型を[注 24]ジェガンJ型に準じる形でジェネレーターを換装した近代化改修機。オールズモビル戦役でも後方のコロニーに数機配備され、0146年当時でもサイド2連合で運用している国家も少なくない[45]。外観は『A.O.Z Re-Boot』版がベースになっており、バージムと比較して胸部など原型機そのままの部分が多い。カラーリングはジム系を踏襲し、白と赤を基調に一部黄色で塗り分けられている。

作中での活躍
宇宙世紀0115年末、特殊部隊「ファステストフォーミュラ (FF)」の旗艦「フェア・レディ」の危機に際してギデオン・ブロンダン大尉が搭乗し[注 25]、サイド2コロニー「アメリア」から94式ベースジャバーに乗ってリー・シャオメイ少佐のギラ・ドーガ改とともに駆け付ける。武装はジェガンのビーム・ライフルと、ビーム攪乱幕弾などを装填したハイパー・バズーカを携行する。
0116年にはサイド1コロニー「バーラト」で暴動を起こしたエゥーゴOBのMSとして、鎮圧に出撃したFF隊をガンキャノン・ディテクターネモIIIとともに宇宙で迎え撃つが、パイロットは投降する。武装はガンダムTR-1[ヘイズル・ラー]のロング・ブレード・ライフルと、ネモのシールドを携行する。モノクロで詳細は不明だが、カラーリングは上記と異なる。

バージム・マハウス

漫画『ファステストフォーミュラ』に登場(型式番号:RGM-87CR)。名称はケルト神話に因む[45]

C2型をベースに、左目にジェガン(バーナム所属機)と同様のブッホ・エアロダイナミクス社製センサー・アイを増設した機体。初期モデルのジェガンに匹敵あるいは凌駕する性能を発揮したとされる。0116年仕様はビーム・ランスを装備する[45]。カラーリングはジェガン(バーナム所属機)同様、濃淡の紫を基調に一部グレーで塗り分けられている。

作中での活躍
0114年に「バーナムの森」が、少なくとも3機運用している。ジェガンのビーム・ライフルとシールドを携行する。

注釈

  1. ^ a b 『ENTERTAINMENT BIBLE』シリーズでは後者の値。『MS大全集』シリーズでもしばらく後者が記載されていたが、2003年版から前者に改訂された(ただしカラー頁での本体重量は後者)。
  2. ^ 『ENTERTAINMENT BIBLE.2 機動戦士ガンダムMS大図鑑 PART.2 グリプス戦争編』の掲載イラスト[9]
  3. ^ ゲーム『SDガンダム G GENERATION』シリーズなど。
  4. ^ 小説版は未単行本化であり、ウェブサイトでの公開も終了している。
  5. ^ 『データコレクション』(メディアワークス)、『ガンダムファクトファイル』(デアゴスティーニ)などの多数。
  6. ^ ただし、1998年においてバンダイから発売されたカードダス『モビルパワーズ』ブースター2弾の収録カードには、ガンダムMk-IIの後継機とするフレイバー・テキストが書かれていた。
  7. ^ ムック『GREAT MECAHNICS 22』(双葉社、2006年)掲載の近藤和久のインタビューに、自作の独自設定だった旨の発言がある。
  8. ^ 『ニュータイプ100%コレクション4 機動戦士Ζガンダム メカニカル編 2』、『ENTERTAINMENT BIBLE.2 機動戦士ガンダムMS大図鑑 PART.2 グリプス戦争編』のいずれも見られない。
  9. ^ Gジェネレーション』シリーズ、『ガンダム・ファクトファイル』No.14[要ページ番号]など。
  10. ^ 『ガンダム パーフェクト・ファイル』No.143[要ページ番号]や、ROBOT魂バーザムの設定[16]など。2014年にPHP研究所から発刊されたムック『ガンダムMS&人物列伝 機動戦士ガンダム・機動戦士Ζガンダム編』では、「MSの開発史的にはガンダムMk-IIの量産機」や「ガンダムMk-IIのデータがフィードバックされている」との記述が見られる[17]
  11. ^ 『機動戦士Ζガンダムフィルムブック パート2』204ページ。ティターンズ系による設計変更という表現は他にも『総解説ガンダム辞典 Ver.1.5』や『FW GUNDAM CONVERGE』の箱など、複数資料で見られる。
  12. ^ この作例は草刈健一の手によるもので、制作にあたっては親交のあった岡本からグレネードランチャーのデザインを提供されたほか、腕関節の構造についてもアドバイスを受けている。
  13. ^ タカハシは岡本の娘のおかもとえみと親交があり(共に別のバンド科楽特奏隊に参加している)、この縁で岡本と知り合っている。
  14. ^ 模型作例は射水宏の手による。『電撃ホビーマガジン』2012年4月号に掲載。『ADVANCE OF Ζ 刻に抗いし者 エゥーゴの蒼翼ビジュアルブック コンプリートファイル』に再掲。
  15. ^ パッケージの決定経緯は月刊モデルグラフィックス2017年8月号特集28-29頁に詳しい。
  16. ^ 『ガンダム・センチネル』302ページでの表記。67ページの目次では「リファイン・ヴァージョン」。124ページと204ページでは「REFINE TYPE」。『センチネル』でもデザインの調整に留まっているガザCはリファイン版とされていない。
  17. ^ 地球至上主義という設定に反しているが、設定中で特に指摘はされていない。
  18. ^ 推力はガンダムMk-IIと同じ数値である。
  19. ^ 『MS大全集』シリーズをはじめとする『センチネル』を扱う資料集でも掲載していない。
  20. ^ MS/ステージ バーザム改”. 【PS5/PS4】機動戦士ガンダム バトルオペレーション2. 2022年9月27日閲覧。
  21. ^ ホビージャパン2013年11月号、2015年11月号のイラストでは共にスペック表にSHILEDママ〕の表記があった。ROBOT魂の商品箱にも武装にSHIELDの記載あり。
  22. ^ 胸部装甲はハイザック・キャノン用として開発されている。
  23. ^ 言及はされていないが、テール・スタビレーターも酷似している。
  24. ^ 真偽不明ながら、「再設計」と言っても単なるTR計画への差し戻しであるとする説もある[45]
  25. ^ 雑誌掲載時、型式番号は "RGM-89C" と誤記されている[46]が、単行本化に伴いRGM-87C2へ訂正されている[47]。「RGM-89」はジェガンの型式番号。
  26. ^ HOBBY JAPAN 1986年10月号掲載。小説と模型作例とイラストからなる作品。

出典

  1. ^ a b 『GUNDAM WARS PROJECT Ζ』大日本絵画、1986年3月、1988年12月(新装版)、96-97頁。(ISBN 978-4499205252)
  2. ^ a b c d e f g h i 『ジ・アニメ特別編集 機動戦士Ζガンダム PART2』近代映画社、1986年1月、103頁。
  3. ^ a b c 『ジ・アニメ特別編集 機動戦士Ζガンダム PART3』近代映画社、1986年4月、84頁。
  4. ^ 『ENTERTAINMENT BIBLE .2 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.2 グリプス戦争編】』バンダイ、1988年3月、50-51頁。
  5. ^ a b 『ニュータイプ100%コレクション4 機動戦士Ζガンダム メカニカル編 2』角川書店、1986年11月、1998年8月(復刻版)、83頁。(ISBN 978-4048529815)
  6. ^ a b 『ニュータイプ100%コレクション4 機動戦士Ζガンダム メカニカル編 2』角川書店、1986年11月、1998年8月(復刻版)、42頁。
  7. ^ 『ENTERTAINMENT BIBLE .2 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.2 グリプス戦争編】』バンダイ、1988年3月、102頁。
  8. ^ a b c d AOZ ReBoot24 2016.
  9. ^ 『ENTERTAINMENT BIBLE .2 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.2 グリプス戦争編】』バンダイ、1988年3月、10頁。
  10. ^ 『ホビージャパン』2013年10月号[要ページ番号]
  11. ^ 『ニュータイプ100%コレクション4 機動戦士Ζガンダム メカニカル編 2』角川書店、1986年11月、1998年8月(復刻版)、43頁。
  12. ^ a b 『データコレクション4 機動戦士Ζガンダム 上巻』角川書店、1997年5月、34頁。(ISBN 978-4073063025)
  13. ^ 「【機動戦士Zガンダム外伝 審判のメイス】作戦の主力を担うはバーザム!その開発経緯と武装を大分析!!」電撃ホビーウェブ、KADOKAWA、2018年2月27日。
  14. ^ a b #センチネル122ページより。
  15. ^ a b “『オワリカラ・タカハシヒョウリのサブカル風来坊!!』 バーザムの真実に迫る&岡本英郎全仕事史インタビュー前編”. SPICE (eplus). (2017年5月20日). https://spice.eplus.jp/articles/124374 2022年10月27日閲覧。 
  16. ^ ROBOT魂 <SIDE MS> バーザム”. プレミアム バンダイ. バンダイスピリッツ. 2022年3月21日閲覧。
  17. ^ レッカ社『ガンダムMS&人物列伝 機動戦士ガンダム・機動戦士Ζガンダム編』PHP研究所、2014年、ISBN 978-4-56-982152-8、p.315
  18. ^ 『機動戦士ΖガンダムIII A New Translation -星の鼓動は愛-』パンフレット。
  19. ^ a b 『HGUC 1/144 バーサム』バンダイ、2017年5月、説明書。
  20. ^ 『月刊モデルグラフィックス』2017年8月号、大日本絵画、16頁。
  21. ^ @TakahashiHyouriの2015年12月23日のツイート2022年3月21日閲覧。
  22. ^ @NISHINOBの2017年5月20日のツイート2022年3月21日閲覧。
  23. ^ 『ADVANCE OF Ζ 刻に抗いし者』4巻、アスキー・メディアワークス、2011年11月、143-144頁。(ISBN 978-4-04-886123-6)
  24. ^ 『ADVANCE OF Ζ 刻に抗いし者 エゥーゴの蒼翼』3巻、アスキー・メディアワークス、2012年9月、あとがき。(ISBN 978-4-04-886944-7)
  25. ^ 『ADVANCE OF Ζ 刻に抗いし者 エゥーゴの蒼翼』4巻、アスキー・メディアワークス、2012年12月、127頁。(ISBN 978-4-04-891213-6)
  26. ^ a b c d e f g h i j k l AOZ ReBoot23 2016.
  27. ^ HHイメージングビルダーズ Vol.33 Gクエスト” (pdf). 創通・サンライズ. 2022年3月21日閲覧。
  28. ^ 『SUPER MJ 機動戦士ガンダム最新MS造形資料集』バンダイ、1992年8月、111頁。(ISBN 978-4891892753)
  29. ^ 諸元は『ガンダム・センチネル』122ページのもの。日本語名は67ページの表記とした。
  30. ^ 諸元とアルファベット表記はホビージャパン誌上でも確認できたが、ROBOT魂「バーザム改」の箱で正式に記載。
  31. ^ #センチネル244ページ
  32. ^ ガシャポン戦士NEXT プレミア02
  33. ^ 『ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに Vol.5』メディアワークス、2007年2月、71頁。(ISBN 978-4840237802)
  34. ^ a b c d e f g h i AOZ ReBoot38 2017.
  35. ^ a b c AOZ ReBoot26 2016.
  36. ^ a b c d e f AOZ ReBoot79 2023.
  37. ^ a b c d AOZ ReBoot SP1 2022.
  38. ^ a b c d AOZ ReBoot80 2023.
  39. ^ a b AOZ ReBoot SP4 2023.
  40. ^ AOZ ReBoot39 2017.
  41. ^ WEB特集HGアクアハンブラビII 2023.
  42. ^ a b c AOZ ReBoot78 2023.
  43. ^ a b 『MJ 模型情報 VOL.109』1988年8月号、バンダイ、35頁。
  44. ^ 『ENTERTAINMENT BIBLE.3 機動戦士ガンダムMS大図鑑 PART.3 アクシズ戦争編』バンダイ、1989年6月、123頁。
  45. ^ a b c d e f g h ガンダムエース11 2022, p. 248-249.
  46. ^ 月刊ガンダムエース2022年5月号239頁
  47. ^ 機動戦士ガンダムF90 ファステスト・フォーミュラ 7巻 19頁
  48. ^ U.C.ENGAGE公式Twitter 2022.
  49. ^ a b c ガンダムエース07 2022, p. 14.
  50. ^ a b UC ENGAGE公式MS 2022.
  51. ^ 『HOBBY JAPAN』1986年10月号、39頁。






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