バングラデシュ 軍事

バングラデシュ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/01 22:05 UTC 版)

軍事

PKOで活動中のバングラデシュ軍

軍隊志願兵制度であり、兵力はおよそ14万人。バングラデシュ軍はPKOに積極的に人員を送っている。バングラデシュ軍は過去何度か軍事政権を樹立し、現在でも政治に大きな発言力を持つ。2006年にはBNP政権を退陣させ、アハメド選挙管理内閣を発足させた。

国際関係

南部の一部を除き大部分の国境を接するインドとは、独立戦争時の経緯や独立時の与党アワミ連盟が親インド政党だったこともあり独立当初は友好的な関係だったが、元々、ムスリムとヒンドゥー教徒の対立がパキスタンへの編入を促した事情もあり、やがて関係は冷却化した。バングラデシュ民族主義党はやや反インド的な姿勢をとり、逆にアメリカ中国との友好関係を重視する傾向がある。

中国とは戦車戦闘機軍艦が供与されているなど軍事的な繋がりがあり、経済的にも中国の存在感が強まっており、中国からの輸出額は7年で4.5倍に増えた。インフラ整備の面でもバングラデシュ最大の港湾都市チッタゴンから首都ダッカに通じる幹線道路の拡幅工事は中国の支援の下、全長190kmの工事区間のうち70パーセントを中国企業が請け負っている。その他、発電所の建設や橋の整備等官民あげてバングラデシュへの関与を強めている。[18]

バングラデシュは多くの難民を受け入れ、また送り出す国である。東パキスタンとして独立した時には両国内の非主流派の信徒がお互いに難民として流れ込み、またバングラデシュ独立時にもパキスタン軍の侵攻を逃れて100万人近いバングラデシュ人が難民となってインド領へと流れ込んだ。さらに、チッタゴン丘陵地帯では政治的緊張が続いており、この地域の仏教系先住民がインドへと多く難民として流出している。一方で、バングラデシュは南のミャンマーからムスリムのロヒンギャ難民を多く受け入れている。

バングラデシュは貧困国であるため、世界各国から多額の経済援助を受け取っている。日本は最大の援助国の一つであるが、近年は援助額がやや減少気味である。他に、アジア開発銀行やアメリカ、イギリス、世界銀行ヨーロッパ連合などからの援助が多い。

地理

バングラデシュの標高図。
バングラデシュの地図。

バングラデシュの国土の大部分はインド亜大陸ベンガル湾沿いに形成されたデルタ地帯である[19]。このデルタ地帯を大小の河川やカールと呼ばれる水路が網の目のように走っている。沼沢地とジャングルの多い低地[20]であり、ジャングルはベンガルトラの生息地として知られる。北をヒマラヤ山脈南麓部、シロン高原(メガラヤ台地)、東をトリプラ丘陵やチッタゴン丘陵、西をラジュモホル丘陵に囲まれ、南はベンガル湾に面している[21]。東部や東南部に標高100〜500mの丘陵が広がる。

ヒマラヤ山脈に水源を持つ西からガンジス川(ベンガル語でポッダ川)、北からブラマプトラ川(同ジョムナ川)が低地のほぼ中央で合流し、最下流でメグナ川と合流して、流域面積173万平方キロメートルものデルタ地帯を作っている。デルタ地帯は極めて人口密度が高い。バングラデシュの土壌は肥沃で水に恵まれることから水田耕作に適しているが、洪水旱魃の双方に対して脆弱であり、しばしば河川が氾濫し多くの被害を及ぼす。国内の丘陵地は南東部のチッタゴン丘陵地帯(最高地点:ケオクラドン山、1230m)と北東部のシレット管区に限られる。

北回帰線に近いバングラデシュの気候熱帯性で、10月から3月にかけての冬季は温暖である。夏季は3月から6月にかけて高温多湿な時期が続き、6月から10月にかけてモンスーンが襲来する。ほぼ毎年のようにこの国を襲う洪水サイクロン竜巻海嘯といった自然現象は、一時的な被害にとどまらず、森林破壊、土壌劣化、浸食等を引き起こし、さらなる被害を国土に対して及ぼしている。

地形の大部分が平坦なこと、洪水による地形の変化が多いことなどは、バングラデシュの国土測量を極めて難しいものとしている。日本の国土地理院の協力により、1/25,000の地形図の作成が試みられているが、2016年段階でも詳細な全国地図は完成に至っていない[22]

国内最大の都市首都ダッカである。他の主要都市はチッタゴンクルナラジシャヒである。チッタゴンの南に位置するコックスバザールは世界最長の天然のビーチとして知られる。




  1. ^ バングラデシュ人民共和国基礎データ”. 外務省. 2018年11月5日閲覧。
  2. ^ a b c d e World Economic Outlook Database, April 2014”. IMF (2014年4月). 2014年9月28日閲覧。
  3. ^ ムガル帝国の時代には経済的に一番豊かな州の一つであり、イギリスによる植民地支配期には英領インドで最も早く西欧文化の影響を受け、西欧化・近代化の先頭に立っていた地域である。(中里成章「新しい国の古い歴史」/大橋正明・村山真弓編著『バングラデシュを知るための60章【第2版】』明石書店 2009年 20ページ)
  4. ^ 農村の国であり、2000年の統計では全人口の75%が農村で暮らしている。(長畑誠「農村の貧困問題」/大橋正明・村山真弓編著『バングラデシュを知るための60章【第2版】』明石書店 2009年 222ページ)
  5. ^ “バングラで多国間PKO演習 自衛隊から4人が参加”. 朝雲新聞. (2012年2月9日). http://www.asagumo-news.com/news/201202/120214/12021405.html 2012年2月9日閲覧。 
  6. ^ “非常任理事国の選挙、日本を支持…バングラ首相”. 読売新聞. (2014年9月6日). http://www.yomiuri.co.jp/politics/20140906-OYT1T50124.html 2014年9月7日閲覧。 
  7. ^ 国連安保理非常任理事国選挙 我が国の過去の選挙結果(外務省)
  8. ^ 清水憲司 (2014年5月27日). “バングラデシュ首相:日の丸参考に国旗…親日アピール”. 毎日新聞. http://mainichi.jp/select/news/20140528k0000m030031000c.html 2014年5月29日閲覧。 
  9. ^ 1204年、トルコ系ムスリム奇襲によってムスリム王権が成立した
  10. ^ 臼田雅之「イスラーム教徒が増えた時期」/ 『バングラデシュを知るための60章』[第2版] 28ページ
  11. ^ 臼田雅之「イスラーム教徒がふえた時期」/ 大橋正明ほか 28-29ページ
  12. ^ 中里成章「新しい国の古い歴史」(参考文献『バングラデシュを知るための60章』[第2版]22ページ
  13. ^ a b 佐藤宏「議会制民主油主義のゆくえ」/ 大橋正明、村山真弓『バングラデシュを知るための60章』[第2版] 明石書店 2009年 40ページ
  14. ^ バングラデシュ基礎データ-日本国外務省
  15. ^ BNP=1991〜1996年、AL=1996〜2001年、BNP=2001〜2006年
  16. ^ 佐藤宏「議会制民主油主義のゆくえ」/ 大島正明ほか 41ページ
  17. ^ 暴力団や学生組織(BNP系の民族主義学生等:JCD、アワミ連盟系のバングラデシュ学生連盟:BCL、イスラーム党系のイスラーム学生戦線:JCS)佐藤宏「議会制民主油主義のゆくえ」/ 大島正明ほか 43ページ
  18. ^ NHKBS1「ワールドWaveトゥナイト」 2011年11月18日放送
  19. ^ ベンガルデルタとは、ガンジス(ポッダ)川、ブラフマプトラ(ジョムナ)川、メグナ川の3大河川の堆積作用によってできた大地である。
  20. ^ ベンガル低地、東西約400km、南北約560kmの広がり、標高は北部で40〜50m、南部で2〜3m、洪積台地と沖積低地に大きく分けられ、台地は中央部や北西部に広がっている、首都ダッカは台地の南端に位置する。台地と低地の高低差はおよそ10メートル以下である。畑作が中心で、水田は浅い谷部分に分布する。(大橋正明、村山真弓『バングラデシュを知るための60章』[第2版] 明石書店 2009年 44〜45ページ)
  21. ^ 大橋正明、村山真弓『バングラデシュを知るための60章』[第2版] 明石書店 2009年 44ページ
  22. ^ 地図が創る未来”. 独立行政法人国際協力機構. 2017年10月10日閲覧閲覧。
  23. ^ 後発開発途上国”. 外務省. 2020年3月8日閲覧。
  24. ^ アジア開発銀行 Poverty in Asia and the Pacific: An Update Archived 2015年3月18日, at the Wayback Machine.
  25. ^ バングラデシュ”. JICA. 2020年3月8日閲覧。
  26. ^ 大橋正明、村山真弓編著、2003年8月8日初版第1刷、『バングラデシュを知るための60章』p40-41、明石書店
  27. ^ バングラデシュにおける二輪車新工場の稼働を開始本田技研工業ニュースリリース(2018年11月11日)2018年11月23日閲覧。
  28. ^ 「バングラ、台頭する造船業 船舶解体業が材料供給」『日本経済新聞』電子版(2012年4月20日)2018年11月23日閲覧。
  29. ^ バングラデシュ基礎データ 二国間関係 5在日当該国人数”. 外務省. 2020年3月8日閲覧。
  30. ^ [Statistical Yearbook of Bangladesh ]Bangladesh Bureau of Statistics 2012
  31. ^ 「船の墓場:南アジア」”. Global News View (GNV). 2018年5月3日閲覧。
  32. ^ 松澤猛男「天然ガスと電力」/大橋正明、村山真弓『バングラデシュを知るための60章』[第2版] 明石書店 2009年 133-134ページ
  33. ^ 里見駿介「リキシャからジャンボ機まで」/大橋正明、村山真弓『バングラデシュを知るための60章』[第2版] 明石書店 2009年 137ページ
  34. ^ 臼田雅之「イスラーム教徒がふえた時期」/ 大橋正明・村山真弓編著『バングラデシュを知るための60章 [第2版]』 明石書店 2009年 27ページ
  35. ^ [Statistical Yearbook of Bangladesh ]Bangladesh Bureau of Statistics 2012
  36. ^ 国勢調査、1974年7130万人、1981年8994万人、1991年1憶799万人、2001年1億2925万人、(臼田雅之「イスラーム教徒がふえた時期」/ 参考文献『バングラデシュを知るための60章』[第2版] 27ページ)
  37. ^ Report for Celected Countries and Subjects”. international monetary found. 2020年3月8日閲覧。
  38. ^ 「イスラム過激派指導者を射殺=邦人死亡テロ犯に影響か-バングラ」フランス通信社時事通信(2018年11月6日)2018年11月23日閲覧。
  39. ^ 生後3日の女児の遺体、墓から掘り出され路上に放置 バングラ”. AFPBB News (2020年7月12日). 2020年7月13日閲覧。
  40. ^ Bangladeshi Culture、Cultural Atlas.
  41. ^ Report: Flooded Future: Global vulnerability to sea level rise worse than previously understood” (英語). climatecentral.org (2019年10月29日). 2019年11月4日閲覧。
  42. ^ 藤井 孝文, モハマド マスド・カリム、「バングラディシュの地下水ヒ素汚染について」、『水工学論文集』Vol. 42 (1998) P 397-402
  43. ^ 世界で一番米を食べるのはバングラデシュ、日本は50番目”. TRIP ADVISOR (2015年4月9日). 2020年3月8日閲覧。





バングラデシュと同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

「バングラデシュ」に関係したコラム

  • 株式の取引が行われる証券取引所の一覧

    2012年6月現在の日本の証券取引所、および、世界各国の証券取引所の一覧です。▼日本東京証券取引所(東証)大阪証券取引所(大証)名古屋証券取引所(名証)福岡証券取引所(福証)札幌証券取引所(札証)TO...

  • 世界の株価指数一覧

    株価指数は、証券取引所に上場している銘柄を一定の基準で選出し、それらの銘柄の株価を一定の計算方法で算出したものです。例えば、日本の株価指数の日経平均株価(日経平均、日経225)は、東京証券取引所(東証...

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「バングラデシュ」の関連用語

バングラデシュのお隣キーワード

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   
検索ランキング



バングラデシュのページの著作権
Weblio 辞書情報提供元は参加元一覧にて確認できます。

  
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのバングラデシュ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2020 Weblio RSS