ハンギョレ ハンギョレの概要

ハンギョレ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/05 07:10 UTC 版)

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ハンギョレ
各種表記
ハングル 한겨레
漢字 -
発音 ハンギョレ
2000年式
MR式
英語表記:
Han-gyeore
Hankyŏre
The Hankyoreh
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概説

創刊号。1面には白頭山天池の写真が掲載された[2]

メディアとしては世界的にも珍しい「国民株方式」によって設立、創刊された。これは国民が募金という形で出資してハンギョレ株を保有し、権力や資本(広告主)からの独立を掲げた[3]

漢字は一切使わないことを売り物にする。又、同紙は発刊当初から横書きを採用した。10年後には老舗大手紙が雪崩を打って横書きを採用し、漢字をほとんど使わなくなったことを考えると、ハングル世代の立場を先取りしていたと言える。また創刊時より電算写植(CTS)を採用しているが、韓国日刊紙では初めてであった[4]

軍政時代、民主化を主張して職を追われた新聞記者が中心になり設立され、富川警察署性拷問事件などを契機とした反体制勢力の結束が強化され民主化運動の中で刊行された経緯から、朴正煕白善燁などの元軍人を批判する[5][6][7]

創刊当初、当初は韓国政府から治安上問題があるとされ、本社が家宅捜索を受けた他、外国人が所持していたら職務質問の対象になったり、果ては2000年には韓国退役軍人により本社が襲撃される事件[8]も発生したが、現在では全国紙として認知されている。盧泰愚(元軍人)や金泳三の保守派の政権には批判的だったが、その後、金大中盧武鉉と続く改革・進歩派の政権では、比較的政府に好意的であった。ただし、2006年頃から迷走した盧武鉉政権には批判的で、左派の民主労働党(現・統合進歩党)に近づいていたといわれる[要出典]。半面、経営は苦しく、盧武鉉政権下で成立した新聞法では、有償・無償の事業資金の支援を受けた[9]

2005年に日本中国韓国の研究者が編集した学校副教材未来をひらく歴史』の韓国語版をハンギョレ新聞出版部から刊行した。盧武鉉大統領は、ハンギョレ新聞出版部から見本を取り寄せ熟読して、出版記念会に祝賀メッセージを贈り、教育部は『未来をひらく歴史』を全国の中学・高校の校長に寄贈した[10]。さらに、教員たちも自費で購読するよう勧めており、韓国政府が総がかりで販売キャンペーンに協力したのは、左翼政権の盧武鉉支持で経営危機にある韓国語版の版元の左翼紙ハンギョレへの実質的な経営支援ともいわれている[10]

2017年に誕生した文在寅政権に対しては一貫して支持しており、文在寅自身もハンギョレが創刊して以降、創刊発起人、創刊委員、釜山支局長などを歴任している[11]。一方で、政権寄りの報道に対して、若手記者が抵抗する事態も起きている[12]

従来、公式の日本語サイトがなかったため、有志による日本語への翻訳ブログがあり[13][14]、韓国側公式サイトよりリンクが貼られていたが、公式サイトの日本語版が発足したことに伴い、2012年10月15日をもってハンギョレ・サランバンの更新は停止した。また2014年2月28日、ハフポストと提携して、ハフポストコリアにニュースを配信している[15]

論調

反共イデオロギーからの脱却、進歩志向の最左派の論調をとり、「偏狭なナショナリズムを打破する」として、1999年に時事週刊誌『ハンギョレ21』と共に、大韓民国国軍退役軍人会の反発を覚悟の上で、ベトナム戦争韓国軍慰安婦ライダイハン問題』を取り上げた。また、被害者の証言や当時の記録などに当たった独自の調査に基づき「ベトナム戦争参戦の一部韓国軍人が、故意にベトナム人住民を虐殺強姦した」との論陣を張り[16]、これに対して枯葉剤後遺症患者である韓国退役軍人会2000人が、ハンギョレに押しかけて、施設を破壊するなど暴力的な抗議行動が行われた[17]。しかし以後、約1年間ベトナムのライダイハン連載を続けた。

また、朴正煕元大統領の満州国軍士官時代の血判書を報道したり[5]、(満州の抗日組織を鎮圧した間島特設隊出身の)白善燁の名誉元帥への就任にも反対している[7][18]

尚、ハンギョレの論調はかつて反共主義を優先し、漢字復活を主張する保守・右派系朝鮮日報の論調とは対極をなし、ハンギョレと朝鮮日報の両紙は社説や記事などで互いを批判する関係にある。朝鮮日報の他、東亜日報についても親日派・反民族として批判し[19]、朝鮮日報・中央日報東亜日報といった保守系新聞とは全体の論調や、教科書問題で対立構図がある。


  1. ^ ハンギョレ新聞(著), 川瀬俊治(訳) & 森類臣(訳) 2012, p.391
  2. ^ ハンギョレ創刊30年 - デジタルアーカイブ
  3. ^ “「ハンギョレは時代が作り、国民の努力が成し遂げた結実」”. ハンギョレ. (2020年5月18日). http://japan.hani.co.kr/arti/politics/36664.html 2020年6月11日閲覧。 
  4. ^ 前掲書27頁
  5. ^ a b ホン・ソクチェ (2009年11月6日). “朴正熙 満州軍官学校 志願の時 "命捧げて忠誠" 血書は事実”. ハンギョレ. http://japan.hani.co.kr/arti/politics/3471.html 2014年3月12日閲覧。 
  6. ^ カン・マンギル, サンジ (2012年10月19日). “民主政府を踏みにじった満州国将校 朴正熙政権 「反歴史性」甚大”. ハンギョレ. http://japan.hani.co.kr/arti/opinion/13103.html 2014年3月12日閲覧。 
  7. ^ a b ““抗日武装軍”を討伐したその手で大韓民国の要職を接収”. ハンギョレ. (2014年3月10日). http://japan.hani.co.kr/arti/culture/16885.html 2014年3月12日閲覧。 
  8. ^ 韓国のベトナムでの蛮行暴いた新聞社 韓国軍OBに襲撃された NEWSポストセブン2014年7月17日付。
  9. ^ 『新聞発展委、報道機関12社に計157億ウォン支援』、朝鮮日報、2006年7月5日。盧武鉉は個人としてもハンギョレを支援しており、出資や増資に応じていた。また、ハンギョレが経営難を打開する為に始めた新聞発展基金運動では、大統領職の1ヶ月分の給与を提供することを約束した。『盧大統領、ハンギョレ新聞に「発展基金」寄託へ』、朝鮮日報、2005年6月29日。
  10. ^ a b 下川正晴 (2005年7月22日). “ソウル発!! 人&風(サラム&パラム) 第18回 日中韓副教材への疑問(その1)”. 毎日新聞. オリジナルの2006年6月19日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20060619160816/http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/asia/column/seoul/archive/news/2005/20050722org00m030088000c.html 
  11. ^ “ハンギョレ新聞の株主配当を受け取る文大統領”. 朝鮮日報. (2020年6月11日). http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/06/11/2020061180068.html 2020年6月11日閲覧。 
  12. ^ “【コリア実況中継!】韓国の左派系“御用新聞”で若手記者が反旗「編集局が腐った」”. 産経新聞. (2019年9月22日). https://www.sankei.com/premium/news/190921/prm1909210008-n1.html 2020年6月11日閲覧。 
  13. ^ 일본인 ‘블로그 특명’ 진실을 알려야 한다한겨레2009年3月13日
  14. ^ 日本語訳、ハンギョレ・サランバン、2009年3月14日
  15. ^ Arianna Huffington (2014年2月28日). ““ソウルからアンニョンハセヨ!――ハフポスト・コリアを紹介します”. ハフィントンポスト. http://www.huffingtonpost.jp/arianna-huffington/arriana-huffington-post-korea_b_4872045.html 2014年3月12日閲覧。 
  16. ^ ああ, 震撼の韓国軍! 「ハンギョレ21」1999年5月16日第256号)
  17. ^ 고엽제 전우회 2천여명, '한겨레 보도' 항의시위』、동아일보、2000年6月27日
  18. ^ チェ・ソンジン (2011年6月17日). ““親日”には目をつむり“功績”にだけ目を開いた「ペク・ソンヨプ (白善燁)ドキュメンタリー」”. ハンギョレ. http://japan.hani.co.kr/arti/culture/8357.html 2014年3月12日閲覧。 
  19. ^ “社説 親日・独裁を美化する教科書 検定合格”. ハンギョレ. (2013年9月6日). http://japan.hani.co.kr/arti/opinion/15555.html 2014年3月12日閲覧。 


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