ハロゲン化アルカリ金属 ハロゲン化アルカリ金属の概要

ハロゲン化アルカリ金属

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/04 18:05 UTC 版)

ハロゲン化物は、塩化ナトリウムの無機形態である。

構造

塩化ナトリウム中のナトリウムと塩素の配位の球棒モデル。ほとんどのアルカリ金属ハロゲン化物はこの構造をとる。
塩化セシウム中のセシウムと塩素の配位の球棒モデル

大部分のハロゲン化アルカリ金属は、面心立方格子状に結晶化する。この構造では、金属もハロゲンも八面体の配置となり、各々のイオンの配位数は6となる。塩化セシウム臭化セシウムヨウ化セシウム体心立方格子状に結晶化し、より大きな金属カチオン(アニオンも同様)に関して、配位数は8となる[2]

性質

ハロゲン化アルカリ金属は、無色の結晶質固体であるが、細かいものは白色を呈する。高温で溶融し、通常数百℃で無色の液体になる。その高い融点は、格子エネルギーの高さを反映している。静かで高い温度では、これらの液体は二原子分子の気体を作る。

これらの化合物は極性溶媒に溶解し、溶媒和しやすいアニオン及びカチオンを含むイオン溶液となる。アルカリ金属は、対応するアルカリ金属をかなりの量、溶かす。セシウムは融点以上の全ての温度で、完全に混和性である[3]

下の表は、各々の化合物の記事へのリンクを与えている。化合物名の横の数字は、ポーリングのスケールに基づく元素間の電気陰性度の差を示している。数字が大きいほど、固体がよりイオン性であることを表す。

  アルカリ金属
リチウム ナトリウム カリウム ルビジウム セシウム
ハロゲン フッ素 LiF (3.0) NaF (3.1) KF (3.2) RbF (3.2) CsF (3.3)
塩素 LiCl (2.0) NaCl (2.1) KCl (2.2) RbCl (2.2) CsCl (2.3)
臭素 LiBr (1.8) NaBr (1.9) KBr (2.0) RbBr (2.0) CsBr (2.1)
ヨウ素 LiI (1.5) NaI (1.6) KI (1.7) RbI (1.7) CsI (1.8)

出典

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外部リンク


  1. ^ Greenwood, N. N.; & Earnshaw, A. (1997). Chemistry of the Elements (2nd Edn.), Oxford:Butterworth-Heinemann. ISBN 0-7506-3365-4.
  2. ^ Wells, A.F. (1984) Structural Inorganic Chemistry, Oxford: Clarendon Press. ISBN 0-19-855370-6.
  3. ^ Huheey, James E.; Keiter, Ellen A.; Kieter, Richard L. (1993). Inorganic chemistry : principles of structure and reactivity (4. ed.). Cambridge, Mass. [u.a.]: Harper. pp. 377. ISBN 006042995X 


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