ハイブリッド ハイブリッドの概要

ハイブリッド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/05 07:02 UTC 版)

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概説

Oxford Dictionariesの説明でまず挙げられているのは「種や品種が異なる植物や動物から生まれた子孫。例えばラバのようなものである。そして2番目に挙げられている意味が「ふたつの要素を組み合わせて作られたひとつのもの」とある。広辞苑でも同様の説明で、1番目に「雑種」、2番目に「異種のものを組み合わせたもの」としている。

そもそものhybridの語源ラテン語の「hybrida ヒュブリダ」(=豚とイノシシから生まれた子孫)である。Oxford Dictionariesによると、17世紀初頭から英語のhybridが使われるようになり、例えば「自由人奴隷の間に生まれた子」を呼ぶような場合に使われはじめたらしい。「hybrid」という言葉、概念は、もともとは生命のあるものに関する言葉、概念であったのだが、それが(比喩的に)製作物等にも転用されるようになったわけである。

現在の日本語ではhybridを音写した「ハイブリッド」で十分に通用しているが、あえて和語漢字漢語)表現にする場合は「かけあわせ」、「交配」、「雑種」、「混血」、「まぜあわせ」、「混成」などといった言葉になる。

工学、技術の分野で、2種の要素を組み合わせた製品がさかんに作られている。

言語におけるハイブリッドには、異種の言葉の組み合わせ、というものがある。

様々な分野でハイブリッドがあるので詳細は下の節に譲る。

生物

ゾンキーと呼ばれるロバシマウマの種間雑種。ゾンキーを含めシマウマと他のウマ科動物との雑種はゼブロイドと総称される。

前述の通り、イノブタを意味するヒュブリダを語源とするが、転じて広義の交雑種(Hybrid)または雑種を指し、生物学、生理学的な種内雑種から種間雑種まで広い範囲が含まれる。

種内雑種は稔性があり、ハイブリッドの語源となったイノブタアイガモのような家畜家禽、環境変化により自然に生じたハイブリッドイグアナ、ハイブリッドベア等[疑問点]がある。エンドウの種内雑種に関するグレゴール・ヨハン・メンデルの論文はVersuche über Pflanzen-Hybriden(普通、『雑種植物の研究』と訳される)である。

種間雑種としては、自然界でも交雑が見られるモウセンゴケ、近代科学の発達前から行われて来たウマロバの交配によるラバ、実験的な交配によるレオポン細胞融合組織培養等のバイオテクノロジーによって作出されたポマト、オレタチ等がある。個体の形成まで至らないが、細胞融合によって作出されたハイブリッドの細胞まで指す事がある。詳細は各項目参照。

  • ハイブリッドウルフ(Hybrid Wolf) - 大型犬種のひとつ。ハスキーシェパードなどの犬種と家畜化されたオオカミとを交配したものをこう呼ぶ(ウルフハイブリッドとも呼ぶ)。
  • ハイブリッドイグアナ(Hybrid Iguana) - ガラパゴス諸島オスウミイグアナメスリクイグアナの間で生まれ、両方のDNAを持つ雑種のイグアナ。地球温暖化気候変動海藻の枯渇が一部起こり、オスのウミイグアナが陸に上がり、メスのリクイグアナと交雑した結果、誕生した新たな雑種。生物は気候変動に新たな生息地を求めるが、ここでは移動ができない。移動ができなければ絶滅もあるが、ハイブリッドイグアナは新たな進化と考えられている[3]
  • ハイブリッド米 - ヘテロシス(雑種強勢)という、雑種第1代目(F1)が両親よりも優れた性質になる現象を利用した多収穫米のこと。(野菜は米よりも技術的に容易で、米に先んじて多くがハイブリッド化されている(ハイブリッド野菜))。[4]

テクノロジー、工業製品

電子工学、計算機工学、IT

放送技術

動力

交通機関の場合は、複数の動力源を組み合わせた場合に、ハイブリッドと呼称する場合がしばしば見られる。

このほか、船舶、飛行機などにおいて、実験段階ではあるが複数動力併用の可能性が模索されている。

二輪車では人力とのハイブリッドとして電動アシスト自転車モペッドが利用されている。

システム工学、環境、エネルギー

ハイブリッド発電の例。風車とソーラーパネルがセットになっている。

2007年マサチューセッツ工科大学(MIT)が発表した人間の視覚的錯覚をもとにした一つの画像が見る距離によって違った2通りに見える画像。全く違う2つの画像を、一つは輪郭のはっきりした画像とし、もう1つはぼかした画像とし、その2つの異なった画像を重ね合わせた画像をハイブリッドイメージと呼ぶ。これを見た場合に近距離では前者が、遠距離では後者が見えるもの[8]
火力発電と蒸気発電(余剰蒸気の利用)を組み合わせたもの。火力発電の余熱でタービンを回し熱効率エネルギー効率が極めて高いので資源を無駄なく使える。
天然芝人工芝や人工繊維を混入させ、天然芝の補強を行ったもの。
  • ハイブリッド・ボディ
プロレスラー、総合格闘家、俳優の船木誠勝が提唱した、ナチュラルな肉体鍛錬方法による肉体改造で作られたボディのこと。船木が90年代に格闘家のケン・シャムロックより影響を受け、食生活とトレーニング方法に重点を置いた、脂肪の少ないしなやかで筋肉質な体に仕上げるのが特徴。後に書籍やビデオにまとめられ、女性やトレーニング初心者に向けにも、無理をせず脂肪を落とし、しなやかで健康的で美しい体を作る方法も開発された。

  1. ^ Oxford Dictionaries [1]
  2. ^ 広辞苑 第6版 「ハイブリッド」
  3. ^ テレビ朝日開局50年周年記念2008年1月4日放送、番組「地球の危機2008」から。ガラパゴス諸島のSouth Plaza島の状況
  4. ^ ブリタニカ百科事典
  5. ^ ハイブリッド計算機1971年昭和46年)、計算機の歴史、統計数理研究所統計数理研究所
  6. ^ JIS C 5610:1996「集積回路用語」 4節「集積回路用語」,(2)デバイス関連用語,番号2037
  7. ^ a b 電子材料編集部編『最新ハイブリッドIC技術』、工業調査会、1984年
  8. ^ ハイブリッドイメージを解説する英文サイトとその静的なハイブリッドイメージを動画で表すサイト
  9. ^ 元日立製作所副社長、三浦武雄はハイブリ ッド計算機を提案し,1958年研究に着手,1959年HIPAC101との連動システムを完成日本情報学会、コンピュータ博物館、日本のコンピュータパイオニア > 三浦武雄
  10. ^ 日立R&D(研究開発) トップ> 社外表彰> 1970年から1979年:1977 紫綬褒章(Medal with Purple Ribbon)ハイブリッド計算機の開発(Development of hybrid computer)
  11. ^ [2] - 国立科学博物館産業技術の歴史に掲げられる厚膜ハイブリッドIC(厚膜混成集積回路


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