ハイザック アイザック

ハイザック

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/29 14:58 UTC 版)

アイザック

諸元
アイザック
EWAC-ZACK / EYEZACK[35]
型式番号 RMS-119
所属 地球連邦軍
青の部隊
ネオ・ジオン
建造 地球連邦軍ルナツー基地
全高 19.2m[36]
頭頂高 18.0m[37] / 18.3m[36]
本体重量 41.6t[36]
全備重量 73.5t[36]
装甲材質 チタン・セラミック複合材[36]
出力 1,430kW[36]
推力 16,200kg×4[36]
総推力:64,800kg[38]
センサー
有効半径
26,000m[36]
武装 ハイザックと共通[36]
搭乗者 ガエル・チャン(『UC』小説版)
カサーケ
その他 姿勢制御用バーニア×10[36]

アニメ『機動戦士ガンダムΖΖ』および『機動戦士ガンダムUC』に登場。

偵察用[36]および早期警戒機として[39]、ハイザックをベースに電子戦に特化させた機体[40]ミノフスキー粒子散布下ではレーダーが使用不能となるが、粒子が拡散すると効果が激減するため[36]、ミノフスキー粒子濃度が低い区域でのレーダーによる警戒・索敵は十分有効となる[39][注 6]。型式番号のRMS-119は、ルナツー製であることを示す。

偵察用のMSは、旧ジオン軍ではザク強行偵察型が開発されているが、連邦軍ではデッシュフラットマウスといった、従来型の航空・航宙機の偵察機を多数保有していた。そのため、一年戦争期には連邦軍で偵察型MSは開発されていないが、戦後はMSのみで編成される部隊が一般的となり、保守整備の観点や防御力の優位性から、連邦軍でも偵察・早期警戒を目的としたMSの開発が計画される[41]。当初はジム改をベースとしたEWACジムが開発されるものの、ミノフスキー粒子散布下での性能に難があり少数生産に終わるが、同機のバックパックは拡張性が高いハイザックのものを流用している[42]

本機のバックパック、および後頭部に位置する大型のロート・ドーム(レドーム)は、上記EWACジムのものと外観的に変わりはない。ただし、着脱可能であったロート・ドームは頭部と一体化されている。ロート・ドームはデッシュを参考にした[43]従来の航空機のものと同様の構造で[注 7]、毎分約6回転する[39]。レーダーの走査域は上面194度であるため、全天を監視する際には2機が必要となる[39]。ロート・ドーム下面には高高度からの光学撮影が可能な[40]後方・対地監視用のモノアイ・レールが縦横に走っている。頭頂部にはオプティカル・センサーとともにアクティブ・レーザー・センサーが装備されており、ミノフスキー粒子散布下において原型機の倍以上の有効半径を誇る[40]。股間部のグラウンド・センサー・アンテナは、地上では文字通り対地センサーとして機能するが[36]、宇宙では頭部ブレード・アンテナの予備および複数の周波数帯を補完するリンケージ・システムとなる[40]。収集したデータは、バックパックの指向性の[36]ディスク・アンテナより[40]、母艦のCIC(戦闘指揮所)にリアルタイムで送信される[39]。ミノフスキー粒子濃度が高い場合は、ロート・ドーム下部に4基装備されているデータ・ポッドに記録し、プロテクトを施して放出する[36]

単機での長距離移動任務が多いことから[40]、バックパックに容量1,200ガロン[39]のプロペラント・タンクを2基装備。両肩にはスパイクのない球状アーマーが装備されている。ほかにバリエーション機としてロート・ドームを大型化し、索敵能力を向上させた新型の頭部(モノアイ・レールが正面からロート・ドームの外周を走り、頭部が前方に張り出している)を装備したタイプや[36]、左手を換装して装備する有線式の「山越えカメラ」と呼ばれる探査ユニット[36]、「ドロイド・シーカー」と呼ばれる自律AI搭載の探査ポッド[36]といったオプションも計画されていたという[40]

ネオ・ジオン軍のダカール侵攻の際、ティターンズ残党の手によってほかの機体とともにネオ・ジオンに譲渡されている[36]。偵察用であることから、固定武装もなく戦闘には向いていないが、ハイザックの武装を使用可能である[36]

劇中での活躍
『ΖΖ』第30話では、部隊名通り青で塗装されたアフリカ解放戦線 (FLN) の「青の部隊」所属機が登場。FLN経由でネオ・ジオンから受領した機体で[44]、同隊のエロ・メロエは本機を見て「スペースノイドは地球を何も分かっていない。このデカイ頭に何ができるんだ!」と憤慨したという[44]。哨戒中にガルダーヤの町に向かうΖガンダムらを捕捉するが、直後の戦闘でベースジャバーに乗っているところをガンダムMk-IIに撃破される。第37話では、ネオ・ジオン軍のマシュマー・セロが指揮を執るエンドラIIの偵察部隊でブルー・グレーと濃紺に塗装された機体が複数運用されている。
小説・アニメ『機動戦士ガンダムUC』では、ライト・グレーに塗装された数機(アニメ版で確認できるのは1機)がザク・マシンガン改を携行し、「袖付き」の本拠地パラオの宙域を哨戒している。また、アニメ版では非武装の1機がネェル・アーガマのハイパー・メガ粒子砲の砲撃に巻き込まれ溶解する。なお、アニメ版では「袖」の装飾があるが、小説版の設定画ではそれがない[45]
小説版『UC』ではビスト財団当主の側近ガエル・チャンが搭乗する機体も登場(アニメ版と展開が異なる)。機体色はグレーで、ブースター・ベッドに乗り「袖付き」のガランシェールと合流する。その後、ラプラス残骸の宙域で高濃度のミノフスキー粒子を隠れ蓑にネェル・アーガマに接近するが、その動きをいち早く察知したバナージ・リンクスユニコーンガンダムと交戦、直後にネェル・アーガマの対空砲火を浴びて撃破されるもガエルは直前に脱出し、ネェル・アーガマ内部に潜入している。同機はザク・マシンガン改のほかにビーム・サーベルも装備している。
漫画『機動戦士ガンダムUC MSV 楔』では、パラオでカサーケという名のパイロットが本機に搭乗している。
漫画『機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』では、新生ネオ・ジオン軍所属機が登場。複座型になっており、コックピット・ブロックが大型化され、パイロットのほかにデータ収集担当が搭乗する。「茨の園」から発進するFSSの艦隊を観測し、味方の艦隊へ向けてデータ・ポッドを射出するが、直後に発見されMS隊に取り囲まれる。投降を促されるが、ザク・マシンガン改を発砲したため撃破される。なおシールドも装備しているが、十字のレリーフは外されている。
漫画『機動戦士ガンダムF91プリクエル』では、サナリィ所属の機体が登場。0120年代にフロンティア・サイド宙域でF91ヴァイタルのテストを記録する。しかしF91の機動性に付いていけず、のちのテストでは2機に増え、いずれも脚部はプロペラントタンクとスラスターが一体化されたシュツルム・ブースターに換装されている。また頭頂部のブレード・アンテナは廃され、両手にカメラ・ガンを携行する。頭部カメラはモノアイではなくゴーグル状に変更されている。
デザイン
かときすなを(現・カトキハジメ)による[46]、ガンダムシリーズの映像作品で採用された最初のデザイン。新型頭部およびオプションのデザインは明貴美加[47]

注釈

  1. ^ 一年戦争終結からグリプス戦役までに開発された機体群は既存機体の改修や応用が多く、本格的な量産がなされたものはなかった[7]
  2. ^ 実際には不可能ではないが、ライフル側のエネルギー再充填の際にサーベルを使った場合、武器側のブレーカーが作動し兵装の使用が行えなくなる危険性を持っている[7]
  3. ^ ジェネレーター関連の騒動については、当初からタキム社製ジェネレーターを搭載予定だったが、AE社の働きかけにより急遽AE製に変更したことがトラブルの原因になり、連邦軍内で連邦系技術を推す技術者が不信感を募らせて純連邦系技術のMS開発を後押しさせ、のちのガンダムMk-IIの開発およびジムIIの新規増産につながった[9]。最終的にハイザックのメインジェネレーターには、量産段階でタキム社製のものが用いられている[10]
  4. ^ 作中設定において先行量産機にもその問題があるかは言及されていない。また、電撃ホビーマガジン2005年10月号付録設定資料集12Pの英字武装一覧では非ビーム兵器が記載されていない。先行量産型にも同様の問題があることについて言及しているのは『総解説ガンダム事典Ver.1.5』のみである。
  5. ^ ガンダムウォーネグザ』でカード化されたものではRMS-106Eになっている。ムック『エゥーゴの蒼翼ビジュアルブックコンプリートファイル』8頁ではRX-106EとRMS-106(106Eではない)の2つの型番が同一ページに混在している。
  6. ^ ミノフスキー粒子散布下でも存分にその機能を発揮するという資料もある[35]
  7. ^ レーダー・アンテナと目標識別アンテナが背中合わせに内蔵されているとされる[39]早期警戒管制機#機上レーダーも参照。
  8. ^ 一部ゲーム作品では、トリモチとダミーバルーンを装備している。
  9. ^ 型式番号の法則は『総解説 ガンダム事典 Ver.1.5』355頁などの資料による。

出典

  1. ^ 『サイドストーリー・オブ・ガンダム・ゼータ』メディアワークス、1999年9月。(ISBN 978-4840205771)
  2. ^ 『ENTERTAINMENT BIBLE .2 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.2 グリプス戦争編】』バンダイ、1988年3月、50-51頁。
  3. ^ a b c 『ジ・アニメ特別編集 機動戦士Ζガンダム PART3』近代映画社、1986年4月、82頁。
  4. ^ a b c d e f g h i 『機動戦士Ζガンダムを10倍楽しむ本』講談社、1985年5月、94頁。
  5. ^ a b c d e f g h i j HGUC No.12 ハイザック』バンダイ、2000年7月、取扱説明書。
  6. ^ 『データコレクション 機動戦士ガンダム一年戦争外伝』メディアワークス、1997年4月15日初版発行、36頁。(ISBN 978-4840205849)
  7. ^ a b c d e f g h i j 『マスターグレード RMS-106 ハイザック』バンダイ、2004年8月、組立説明書。
  8. ^ a b c 『ENTERTAINMENT BIBLE 機動戦士ガンダムMS大図鑑 PART.2 グリプス戦争編』バンダイ、1989年3月、36-37頁・42頁。(ISBN 978-4891890186)
  9. ^ a b c d e 『マスターアーカイブ モビルスーツ RGM-79 ジム (GA Graphic VOLUME 1) 』ソフトバンククリエイティブ、2010年9月、76-80頁。(ISBN 978-4797359046)
  10. ^ a b 『マスターアーカイブ モビルスーツ MSZ-006 Ζガンダム』ソフトバンククリエイティブ、2012年12月、17頁。 (ISBN 978-4797370959)
  11. ^ a b 『1/100 ハイザック』バンダイ、1985年6月、組立説明書。
  12. ^ 「A.O.Z Re-Boot Vol.07」『電撃ホビーマガジン』2014年7月号、KADOKAWA。
  13. ^ トレーディングカードゲームガンダムウォー エクステンションブースター2』など。
  14. ^ 「ジ・オフィシャルアート・オブ・Ζガンダム」『月刊ニュータイプ』創刊号、角川書店、1985年3月。
  15. ^ [1]A.O.Z Re-Boot 42
  16. ^ 『GUNDAM ΖΖ&Ζ保存版設定資料集』バンダイ、1986年6月。(ISBN 978-4891893736)
  17. ^ 『ZGUNDAM A (ゼータガンダムエース)』角川書店、2005年7月、82-85頁。
  18. ^ 『機動戦士Zガンダムヒストリカ 第09巻 OFFICIAL FILE MAGAZINE』講談社、2005年11月。ISBN 9784063671919
  19. ^ 『アニメック』1985年10月号、ラポート。
  20. ^ 『語れ!機動戦士ガンダム』ベストセラーズ、2012年5月。(ISBN 978-4584204528)
  21. ^ 『機動戦士Ζガンダム Define』第1巻、角川書店、2011年11月、179頁。(ISBN 978-4041200674)
  22. ^ 『A.O.Z Re-Boot』Vol.42
  23. ^ 『A.O.Z Re-Boot』Vol.42
  24. ^ 『A.O.Z Re-Boot』Vol.38左上。
  25. ^ 『A.O.Z Re-Boot』Vol.42
  26. ^ 『A.O.Z Re-Boot』Vol.42
  27. ^ 『A.O.Z Re-Boot』Vol.39下段解説。
  28. ^ 『A.O.Z Re-Boot』Vol.43
  29. ^ a b c d e f g 『機動戦士ガンダム MS大全集』バンダイ、1988年2月、56頁。
  30. ^ a b 『プロジェクトファイル Ζガンダム』ソフトバンククリエイティブ、2016年9月、45頁。(ISBN 978-4797386998)
  31. ^ 『ジ・アニメ特別編集 機動戦士Ζガンダム PART2』近代映画社、1986年1月、105頁。
  32. ^ 角川書店「ニュータイプ100%コレクション 機動戦士Ζガンダムメカニカル編2」69p。
  33. ^ 『ガンダムメカニクス3』ホビージャパン、1999年3月。
  34. ^ 角川書店「ニュータイプ100%コレクション 機動戦士Ζガンダムメカニカル編」69p。
  35. ^ a b 昼MSアイザック 2021.
  36. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t プラモデル『1/144 RMS-119 アイザック』説明書、バンダイ、1986年9月。
  37. ^ 『別冊アニメディア 機動戦士ガンダムΖΖ PART.2』学習研究社、1987年3月、84頁。
  38. ^ 『ENTERTAINMENT BIBLE .2 機動戦士ガンダム MS大図鑑【グリプス戦争編】』バンダイ、1989年3月、52-53頁。
  39. ^ a b c d e f g 『モデルグラフィックス別冊 GUNDAM WARS II MISSION ΖΖ』大日本絵画、1987年2月、74-75頁。
  40. ^ a b c d e f g プラモデル『HGUC RMS-119 アイザック』説明書、バンダイ、2009年6月。
  41. ^ 『電撃ホビーマガジンスペシャル ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに Vol.2』メディアワークス、2004年1月、19頁。
  42. ^ 『電撃ホビーマガジンスペシャル ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに Vol.2』メディアワークス、2004年1月、57-58頁。
  43. ^ 「A.O.Z Re-Boot Vol.44」『電撃ホビーウェブ』KADOKAWA
  44. ^ a b 「第2回「ガンダムΖΖ」ここまで書いていいのかな?」『ジ・アニメ』1986年10月号、近代映画社。
  45. ^ 『機動戦士ガンダムUC カトキハジメ メカニカルアーカイブス』角川書店、2010年8月、73頁。
  46. ^ 『モデルグラフィックス別冊 GUNDAM WARS II MISSION ΖΖ』大日本絵画、1987年2月、85頁。
  47. ^ 『モデルグラフィックス別冊 GUNDAM WARS II MISSION ΖΖ』大日本絵画、1987年2月、87頁。
  48. ^ 『モビルスーツ全集3 ザクBOOK』双葉社、2011年5月、111頁。(ISBN 978-4575464580)
  49. ^ 出渕裕『出渕裕メカニカルデザインワークス (1)』ムービック、2000年8月、19頁。ISBN 978-4896014907
  50. ^ a b c d e 『電撃ホビーマガジン』2015年4月号、メディアワークス、11-14頁。






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