ネフローゼ症候群 ネフローゼ症候群の概要

ネフローゼ症候群

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/14 00:03 UTC 版)

ネフローゼ症候群
ネフローゼ症候群による糖尿病性腎硬化症の病理写真
分類および外部参照情報
診療科・
学術分野
腎臓学
ICD-10 N04
ICD-9-CM 581.9
DiseasesDB 8905
eMedicine med/1612 ped/1564
MeSH D009404
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概要

低蛋白血症、高度な蛋白尿、浮腫眼瞼下肢)を主な症状とし、病理学的には糸球体基底膜の透過の亢進を一次的異常として認める。時に脂質異常症も合併する。ネフローゼ症候群は元来病理学的な概念であり、腎炎=nephritisと異なり、炎症性の変化(炎症細胞浸潤など)がみられないものの総称として提唱された。若年層(特に幼少期では男子)に多く発症するが、30代の男女の発症例も多数報告されている。

  • 日本腎臓学会のレジストリー調査によると、腎生検例ではIgA腎症 32%, 膜性腎症 8%, 膜性増殖性糸球体腎炎2%(成人のネフローゼ症候群の37%),巣状分節性糸球体硬化症 4%(成人のネフローゼ症候群の12%, 基底膜菲薄化症候群 1%(成人のネフローゼ症候群の5%)の頻度であった。

ネフローゼ症候群は、原発性糸球体疾患に起因する一次性ネフローゼ症候群と続発性糸球体疾患による二次性ネフローゼ症候群に分類される。

一次性ネフローゼ症候群
成人の占める割合は、70〜80%と多数を占めるが中高年では半数以上が慢性腎症であり、加齢に伴って割合は増加する。最初の発症から5年以内に2回以上の再発率は80〜90%と高い。
二次性ネフローゼ症候群
発症は年齢によって異なるが、小児では紫斑病性腎炎が多く、糖尿病性腎症やループス腎炎は成人の発症が多い。

種類

症状

上記の主症状以外にも、強度の全身倦怠感皮膚の蒼白化や無気力、食欲不振、腹水胸水血尿等をみる。タンパクを尿中に排泄してしまう濾過障害の原因は、主に、腎臓の糸球体にあり、この部位に何らかの原因で、透過性が亢進することによって、本症を惹起すると考えられている。主に、アルブミンなどの血中タンパクが排泄されるため、血中タンパクが減少し、血漿膠質浸透圧が低下する。このため、全身に浮腫を形成する傾向が現れる。また、尿中タンパクが増大するため、尿の浸透圧が増大し、尿細管における水の再吸収が抑制され、一過性に利尿傾向となる。なお、この遺失タンパク分を肝臓が補完しようとするため、肝臓が、アルブミンの合成を開始するが、同時にLDLのようなコレステロール運搬タンパクも合成してしまうため、本症のような腎臓疾患の罹患者では、高頻度に脂質異常症の状態をみることがある。長期の利尿期間を経て、腎臓の病態が改善されず、高度に腎不全の状態を呈し始める時期には、乏尿となる。

検査




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