ニホンイタチ ニホンイタチの概要

ニホンイタチ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/03 05:05 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
ニホンイタチ
ニホンイタチ (Mustela itatsi)
(2009年4月)
保全状況評価[1]
NEAR THREATENED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: ネコ目(食肉目) Carnivora
: イタチ科 Mustelidae
亜科 : イタチ亜科 Mustelinae
: イタチ属 Mustela
: ニホンイタチ M. itatsi
学名
Mustela itatsi
(Temminck, 1844)[2][3]
和名
ニホンイタチ
英名
Japanese Weasel[2]
  自然分布域
  移入域

分布

自然分布地域は本州四国九州など。またネズミ駆除を目的として伊豆諸島などの島嶼部には人為的に移入された。北海道の場合は、北海道本島では偶然の移入、本島周辺島嶼部では人為的な移入である。

形態

成獣の大きさはオスメスで異なり、オスはメスより大きい。体長は、オスが27-37 cm、メスが16-25 cm。尾長は、オスが12-16 cm、メスが7-9 cm[2]体重は、オスが290-650 g、メスが115-175 g[4]。 毛色は個体により様々だが、躯体は茶褐色から黄褐色である。鼻筋周辺は暗褐色。の色は躯体とほぼ同色[2]数は、切歯が上6本下6本、犬歯が上2本下2本、前臼歯が上6本下6本、後臼歯が上2本下4本、合計34本。乳頭数は、胸部は無し、腹部2対、鼠径部2対、合計8個。指趾数(の数)は、前肢が5本、後肢が5本、合計20本[5]

新生子の大きさは、体重が約8-12 g[6]

生態

本種は冬眠はしないで1年中活動し、その活動時間帯は特に定まっておらず、昼夜活動する。繁殖期以外は基本的に単独で行動する。本種の手足の指の間には蹼(みずかき)があり、泳ぎが得意である。厳冬期にもに入り、潜ることもある。主な活動地域は湖沼湿地などの水辺であるが、水辺から離れた森林地帯にも生息しており、樹木に登ることもある[6]。本種は用心深く[7]後肢で2本足立ちして周囲を見回すことがある。この行動を目蔭(まかげ)という[6]

は、既存のや隙間を使用する[6]メスの活動領域はオスの活動領域よりも狭く、オスの活動領域は複数のメスの活動領域にまたがる[2]

食性は主に動物食で、ネズミ両生類カニザリガニ昆虫類ミミズ、動物の死体など。また、ヤマグワサクラヤマブドウマタタビ、コクワ(サルナシ)のなどの植物質のものも食べる[2][6]

繁殖と子イタチの独立

繁殖期は、九州では年に2回あり、1回の出産の産仔数は1 - 8匹で、平均は3 - 5匹[2]北海道での繁殖は年に1回で、発情期は4月中旬から6月上旬。妊娠期間は、1937年の記録によると、養殖されていた個体では37日間という記録がある。子育てメスだけで行う。新生子の体毛は薄く、視力はない。生後約5週目で視力を得て、離乳期は生後8 - 10週目、10週目頃から幼獣自身でを捕獲するようになり、に親離れする。翌年には繁殖できる個体が多い[6]

北海道への移入

本種の本州から北海道本島への移入[8]は偶然の産物であった。犬飼哲夫[9](Inukai, 1932; 犬飼、1934年)によると、明治初期に本州以南から出港した船舶に侵入していた個体が函館港から上陸し、野生化した[10]。なお、昭和初期までの北海道の文献にエゾイタチと書かれているのは、ほとんどの場合エゾオコジョのことである。

本種の北海道本島での拡散状況は次の通り。

  • 明治初期 - 函館に上陸。
  • 1914年(大正3年)- 花畔(ばんなぐろ、現石狩市)で確認。
  • 1934年(昭和9年)- 根室地方以外の北海道に拡散。
  • その後 - 根室地方で確認され、北海道本島全域で野生化。

北海道本島への移入は偶然の出来事であったが、本島周辺の島嶼部ではノネズミ駆除目的で人為的に移入された。


  1. ^ a b Mustela itatsi in IUCN Red List of Threatened Species. Version 2016.2.” (英語). 国際自然保護連合(IUCN). 2016年10月13日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h 日本の哺乳類 改訂2版』(p82)より。
  3. ^ Mustela itatsi (Temminck, 1844)” (英語). ITIS. 2012年5月13日閲覧。
  4. ^ a b ニホンイタチ」(国立環境研究所)より。
  5. ^ 野生動物調査痕跡学図鑑』(p380)より。
  6. ^ a b c d e f g 野生動物調査痕跡学図鑑』(p381)より。
  7. ^ #岡山市 (2005)[要検証]
  8. ^ 移入種(外来種)リスト(哺乳類) (PDF)”. 環境省. pp. 1 (2011年7月1日). 2013年3月18日閲覧。
  9. ^ ナキウサギの生態」より。
  10. ^ 本節は特記以外、『野生動物調査痕跡学図鑑』(p381, p382)を参考文献とする。
  11. ^ a b 日本の哺乳類 改訂2版』(p83)より。
  12. ^ a b c チョウセンイタチ侵出地域におけるニホンイタチの生息分布とその保全に関する研究」(日本自然保護協会)より。
  13. ^ a b レッドデータブックとっとり (動物) (PDF)”. 鳥取県. pp. 33 (2002年). 2013年3月18日閲覧。
  14. ^ a b しまねレッドデータブック・ニホンニタチ”. 島根県 (2002年3月). 2013年4月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年3月18日閲覧。
  15. ^ a b レッドデータブックやまぐち・ニホンイタチ”. 山口県 (2002年). 2013年3月18日閲覧。
  16. ^ a b 香川県レッドデータブック・ニホンイタチ”. 香川県 (2004年3月). 2013年3月18日閲覧。
  17. ^ a b 福岡県の希少野生生物 RED DATA BOOK 2011 FUKUOKA・イタチ”. 福岡県 (2011年). 2013年3月18日閲覧。 - 2001年版では絶滅危惧II類。
  18. ^ a b 改訂・熊本県の保護上重要な野生動植物-レッドデータブックくまもと2009- (PDF)”. 熊本県. pp. 248 (2009年). 2013年3月18日閲覧。[リンク切れ]
  19. ^ a b レッドデータブックおおいた (PDF)”. 大分県. pp. 316 (2000年). 2013年3月18日閲覧。
  20. ^ 特定外来生物等一覧”. 環境省 (2011年7月1日). 2009年11月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年3月18日閲覧。
  21. ^ 日本のレッドデータ検索システム「ホンドイタチ」”. (エンビジョン環境保全事務局). 2013年3月18日閲覧。 - 「都道府県指定状況を一覧表で表示」をクリックすると、出典元の各都道府県のレッドデータブックのカテゴリー名が一覧表示される。
  22. ^ 佐賀県レッドデータブック(レッドリスト) (PDF)”. 佐賀県. pp. 40 (2003年). 2013年3月18日閲覧。[リンク切れ]
  23. ^ 大阪府/大阪府レッドリスト・大阪の生物多様性ホットスポット”. 大阪府. 2019年1月16日閲覧。
  24. ^ 各分類群および分野のレッドリスト 哺乳類 (PDF)”. 大阪府. 2015年1月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年1月16日閲覧。
  25. ^ 群馬県の絶滅のおそれのある野生生物 動物編(2012年改訂版)動物レッドリスト(2012年改訂版) (PDF)”. 群馬県. pp. 1 (2012年). 2013年3月18日閲覧。
  26. ^ 岡山県版レッドデータブック2009 (PDF)”. 岡山県. pp. 38 (2009年). 2013年3月18日閲覧。
  27. ^ 埼玉県レッドデータブック2008動物編 (PDF)”. 埼玉県. pp. 103 (2008年). 2010年1月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年3月18日閲覧。


「ニホンイタチ」の続きの解説一覧




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ニホンイタチ」の関連用語

ニホンイタチのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ニホンイタチのページの著作権
Weblio 辞書情報提供元は参加元一覧にて確認できます。

  
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのニホンイタチ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2021 GRAS Group, Inc.RSS