ナダレ定石 実戦譜

ナダレ定石

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/28 15:02 UTC 版)

実戦譜

初期外マガリ定石

第4期本因坊戦挑戦手合五番勝負第3局 1947年11月25-27日 本因坊薫和-木谷實(先番)

当時は大ナダレに白1(16手目)の外マガリ形しか無かった。黒18ではその左下に打つのが当時の定型だったが、先番木谷は黒18, 20と激しい戦いを挑んだ。しばらく後には白7で16にハネ上げる安永一創案と言われる手が多く打たれる。碁は右上の戦いで黒有利に進むが、中盤から白が追い上げて、209手完、白2目半勝ち。途中木谷が貧血で倒れるというアクシデントもあった。岩本は最終第5局も勝って本因坊2連覇。

新手内マガリ

第1期日本最強決定戦 1957年2月21-22日 本因坊秀格-呉清源(先番)

左上の大ナダレでの黒1(37手目)が初めて打たれた内マガリ形で、それまではこの手で3に打つ外マガリが定石だった。その後、白2では白4, 黒5を先に打つのが手順、白10は保留するなど改良されて定石型となっている。本局の配石では黒有利だが、先番の呉が難しい局面を逃げ切って151手まで中押し勝ち。呉はリーグ戦8勝2敗で第1期最強位に就いた。

世界戦でハメる

第10期世界囲碁選手権富士通杯2回戦 1997年4月14日 王立誠-劉小光(先番)

黒1(23手目)はこの頃研究されていた外マガリ形の新形。黒15が緩手で、白16とカケられて黒3子が動けないのではハマリ形。282手完、白17目半勝ち。ナダレ定石の指折りの研究家でもあった王はこの大会で準優勝。

参考文献

  • 結城聡『決定版 大斜・村正・大ナダレ 』誠実文堂新光社 2009年

  1. ^ 三堀将『楽しい囲碁心理学』(日本棋院)P.41
  2. ^ 藤沢秀行『ナダレ定石』(日本棋院)P.6
  3. ^ 藤沢秀行『ナダレ定石』(日本棋院)P.11
  4. ^ 1939年に加藤信の著書のために、当時読売新聞囲碁欄担当記者だった三堀が「かりにこれを雪崩型と云わうか」と記した(三堀将『黒白縦横』東京書籍 1979年)


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