ナス 栽培

ナス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/05 00:38 UTC 版)

栽培

夏に収穫する野菜で、日当たりの良い場所で、春の気温が十分暖かくなってきたらを植えて育てる[20][21]。苗は、一般の種から育てただけのものと、接ぎ木苗があるが、耐病性に優れるのは接ぎ木苗の方である[20]。栽培時期は晩春から秋まで(5 - 10月)で、夏の暑さによく耐える[20][22]。果菜の中では高温を好む性質で、栽培適温は昼温28 - 30、夜温15 - 28度とされ、10度以下では成長が悪くなる[22]。早いものは初夏(6月ころ)から収穫が始まり、夏に剪定して切り戻せば秋まで実がなる[20][21]。よい実を収穫するには、伸び始めのわき芽摘みと、夏場の水やりと追肥が重要になってくる[20][21]。実の着色は光線に敏感であり、光線不足は発色不良の原因となるので、混みいった葉を除いて実に光線を当てるようにする[22]。大型サイズのプランター(コンテナ)を使っても栽培することができる[21]

連作障害が出やすいので、接ぎ木苗を使わない場合は3 - 5年はナス科の野菜を作っていないで育てる[20][23][22]。根は深く張るほうであるため、畑の元肥は深い位置に入れて根張りをよくするとよい[22]。苗をつくる場合は、育苗箱などに種を4 - 5 cm間隔で蒔き、地温28 - 30度になるように保温養生すると発芽するので間引きを行い、葉が1枚になったら育苗ポットに鉢上げする[24]。ただし、ナスが生育期に入ったころ急に萎れて枯れてしまう青枯病、半枯病などの萎縮性障害が出ることが多いため、対策として台木専用種の「赤ナス」などの台木に次ぐのが一般的で、市場にも苗が広く出回っている[25]

最低気温が15度を下回らなくなってから、地域の気候に適した品種の苗を植え付ける[20]。乾燥を嫌うため、やビニールなどでマルチングをするとよい[20]。苗が伸びてきたら、主枝とすぐ下の勢いがある枝を残して、「二本仕立て」あるいは「三本仕立て」で育てるのが基本である[26][21]。1株に1本支柱を立てて、主枝と支柱を紐で結んで支えても良い[21]。はじめの枝が伸びて枝が充実してくると、開花して実がつき始めるが、栄養分を奪われないように1番果は小さなうちに摘み取って、株を充実させる[26]。気温が上がると、次々と実がなるようになるので、へたの上を切ってまめに収穫する[26]。実を長く株につけておくと、実が固くなってくる[21]。ナスは栄養をたくさん必要とする野菜で、栄養不足にならないようにこまめに追肥することが肝要になる[26]。雨が降らないときには実がかたくなってしまうため、十分な水やりも必要になる[26][27]。栄養状態がよいと枝先から少し離れて花がつき、雌しべが長い「長花柱花」がつくが、肥料が不足してくると、枝先に花が咲くようになり、雌しべが短い「短花柱花」が多くつくようになる[26]

真夏になると、枝が混み合い生長が鈍り、さらに枝の老化によって実付きが悪くなってくる[28][29]。そこで、葉を2 - 3枚残して、地面から高さの約2分の1から3分の1くらいのところで枝を切り詰める切返し剪定(更新剪定)を行う[28][21]。さらに剪定した株のまわりの根を切って肥料と水を十分与えておくと、新しい枝や葉が伸びて約1か月後に再び実がつき、10月ごろまで「秋なす」を収穫できるようになる[28][21][29]

病虫害

ナスの代表的な病気に、葉が緑色のうちに急激にしおれてしまう青枯れ病があり、梅雨明けから夏に発生しやすい[30]。害虫はアブラムシ、オオニジュウヤホシテントウ、ダニ類がつきやすい[31]。連作障害が出やすい植物なので、同じナス科のトマトジャガイモピーマンを植えた場所では、4 - 5年ほど空けないと土壌伝染する病気になりやすい。害虫がつき始めたら、葉の色に注意して、葉の表裏に薬剤を散布して防除する[31]。ネギやニラなどネギ属植物を混植しておくことで、これら病気を防いだり害虫よけの効果が期待できる[30]。同様にコンパニオンプランツとして、マリーゴールドは土中のセンチュウ駆除や他の害虫よけ、バジルナスタチウムアブラムシをつきにくくする効果が期待できる[30]


注釈

  1. ^ 卵型の白い果実が一般的だった地域の英語名が“eggplant”となっている。

出典

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