ナス
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文化
- 初夢の縁起物:「一富士、二鷹、三茄子」
- 『盂蘭盆会』には、ナスで馬をかたどって祖先の霊に供える風習がある[10]。お盆の期間中には、故人の霊魂がこの世とあの世を行き来するための乗り物として、「精霊馬」と呼ばれるキュウリやナスで作る動物を用意する。4本の麻幹あるいはマッチ棒、折った割り箸などを足に見立てて差し込み、馬、牛とする。キュウリは足の速い馬に見立てられ、あの世から早く家に戻ってくるように。ナスは歩みの遅い牛に見立てられ、この世からあの世に帰るのが少しでも遅くなるように、また、供物を牛に乗せてあの世へ持ち帰ってもらうとの願いが込められている。
- 七夕の「七夕馬」に真菰や藁などの材料のかわりに、キュウリやナスを使う地域もある。
- 子供の嫌いな野菜として挙げられることが多い。
- 二宮尊徳は夏前にナスを食べたところ秋茄子の味がしたため冷夏になることを予測した。
- 「毒キノコでも、ナスと一緒に調理すれば中毒しない」とする言い伝えがあるが、全くの迷信であり、ナスにそのような効用は存在しない[62]。
- 中国では、日本人が写真を撮るときに言う「はい、チーズ」の掛け声のように、「一〜、二〜、三〜、茄〜子」と言う文化がある。茄子の「子」を発音した際に、口が横に広がり笑顔が作りやすいためである。
- 茄子紺:茄子の実のような紫みの濃い紺色のこと。江戸時代から使われる色名。
言い習わし
- 「秋茄子は嫁に食わすな」
- この言葉は「秋茄子わささの糟に漬けまぜて 嫁には呉れじ棚に置くとも」という歌が元になっており、嫁を憎む姑の心境を示しているという説がある。また、「茄子は性寒利、多食すれば必ず腹痛下痢す。女人はよく子宮を傷ふ(養生訓)」などから、嫁の体を案じた言葉だという説もある[36]。さらに、そもそも「嫁には呉れじ」の「嫁」とは「嫁が君(ネズミのこと)」の略であり、それを嫁・姑の「嫁」と解するのは後世に生じた誤解であるとする説がある(『広辞苑』第三版、「あきなすび」の項)。しかし「嫁が君」は正月三が日に出てくるネズミを忌んでいう言葉であり、「秋茄子わささの〜」の解としては(季節が合わず)やや疑問ではある。ナスは熱帯の植物であり8月上旬までに開花・結実した実でなければ発芽力のある種子を得ることが難しい。そこから秋ナスは子孫が絶えると連想したという説もある。
- 「親の小言と茄子の花は 千に一つの無駄もない」
- ナスの花が結実する割合が高いことに、親の小言を喩えた諺。
- 「瓜の蔓に
茄子 はならぬ」 - 非凡な子供を茄子に例えて、平凡な親からは非凡な子は生まれない、という意味。似た諺として「蛙の子は蛙」がある。
注釈
- ^ 卵型の白い果実が一般的だった地域の英語名が“eggplant”となっている。
出典
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