ドーベン・ウルフ リーベン・ヴォルフ

ドーベン・ウルフ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/04 01:23 UTC 版)

リーベン・ヴォルフ

REBEN-WOLF

デザイン・名称
漫画『A.O.Z Re-Boot ガンダム・インレ-くろうさぎのみた夢-』に登場(型式番号:AMX-014R)。メカニックデザインは藤岡建機[44](バリエーション機を含む)。名称は、ドーベン・ウルフの「リファイン」 (refine) と、ドイツ語で「生存」を意味する「リーベン」 (leben) を掛け合わせ、「ドーベン・ウルフはまだ生きている」という意味が込められている[44]
設定解説
アクシズ(のちのネオ・ジオン)と協力関係にある火星のジオン残党軍「ジオンマーズ」が、支援の一環としてドーベン・ウルフに発展量産型とも言える独自の改良をほどこして生産し、地球に送り届けるために開発された機体。1機でも多くの機体をアクシズに引き渡すため、コストダウンによる生産性の向上を目標とする。それゆえ、ジオンマーズで制式採用されているザクIII-R型と外装の一部や内蔵部品など数割のパーツを共通化しており、外観は原型機より丸みを帯びてジオン的意匠が濃くなっている(ジオンマーズの技術者が連邦系ともいえる原型機の角張った意匠を嫌ったためともいわれる)。さらに、アクシズで設計が完了していた新型機(のちのドーガ系MSに連なる)の機構が組み込まれている[44]
原型機に装備された大量の火器や準サイコミュ兵装は一般兵にとっては使いこなすことが困難であるうえ、過剰ともいえる大推力も操作性の低下に繋がる可能性があるため、余剰と思われる内蔵兵器や推進系の一部をオプション化し、必要に応じて追加装備する形式を採っている。胸部メガ粒子砲はオプション化して搭載数を選択可能としており、複数を搭載しない場合はメガ・ランチャーに替わってビーム・マシンガン(のちのヤクト・ドーガのビーム・アサルトライフルと同形状)や対艦ライフルなどを携行する。腕部は射出・遠隔操作機能を除外した通常型の腕部(外観はザクIIIのものに近い)に変更可能である。バックパックは腹部に搭載されたドラムフレームを介して接続されたマルチ・コネクター・ポッドへの選択装備式となっており、原型機のバックパックと同様の各装備に加え、ミサイル・ポッドやビーム・ランチャー[44]、グレネード・ランチャーの装備も可能となっている[45]。そのほか、前腕部甲にアーム・ミサイル、臀部にビームサーベル2基を収納するマウント・ラッチ、股間部側面に対艦ライフルの予備弾倉を2個ずつ、バックパックにプロペラントタンクを装備可能[45]。なお、頭部には原型機同様バルカン砲を2門装備する。
機体色はのちのギラ・ドーガに近い濃淡グリーンを基調とする。また、ネオ・ジオン軍のスペース・ウルフ隊専用機(ドーベン・ウルフと同様の塗装)も公開されている。なお、隊長機は頭頂部にブレード・アンテナを装備する[44]
作中での活躍
2桁を超える機体が生産され、チェスターJr.率いる地球派遣艦隊(チェスター宇宙艦隊)に搭載されて運搬される[44]が、地球圏到着時にはネオ・ジオンで内紛が発生していた。これに巻き込まれることを嫌い、離脱していたムンスキー率いる強化人間部隊と合流して火星へ帰還したため、本機はネオ・ジオンに引き渡されていない。しかし、到着した火星は敵対していたもう1つのジオン残党組織である「レジオン」に支配されていたため、艦隊は火星降下作戦を強行し、フォボス宇宙港攻略戦の主力として本機が運用されている。

リーベン・ヴォルフ・カスタム

REBEN-WOLF CUSTOM

デザイン
漫画『A.O.Z Re-Boot ガンダム・インレ-くろうさぎのみた夢-』に登場(型式番号:AMX-014Rs)。メカニックデザインは藤岡建機。
設定解説
ビグ・ザムの後継機であるビグ・ザムールの随伴機として、リーベン・ヴォルフを改修した機体。Iフィールドを搭載しているビグ・ザムールはビーム兵器に対しては高い防御力を発揮するが、実体弾兵器に対しては無力である。そのため、本機はその防御用兵装として大型のダブル・ガトリングガンを装備しており、弾幕の展開による敵機の接近阻止や、ミサイルの迎撃をおこなう。バックパックには大量の弾薬を装填した弾倉を2個装備しており、これらによる重量増加に対応するため、両肩にドーベン・ウルフと同型のスラスター(外観はやや異なる)、腰部側面にはザクIII用のエクステンション・ブースターを各1基ずつ、計2基装備している。なお、胸部メガ粒子砲はIフィールドの影響下では使用不能となるため、デッドウェイト化への懸念から装備されていない[46]
ムンスキーの専用機であるため、指揮官機として大型のブレード・アンテナ(リーベン・ヴォルフ隊長機のものより大型)を装備しており[46]、頭頂部の形状も一般機と異なっているうえにバルカン砲が4門に増設されている。機体色はライト・グレーを基調とする[46]
作中での活躍
フォボス宇宙港攻略戦においてビグ・ザムールとともに出撃し、想定通りに運用される。

フェンリス・ヴォルフ

FENRIS-WOLF

デザイン・名称
漫画『A.O.Z Re-Boot ガンダム・インレ-くろうさぎのみた夢-』に登場。「サイコ・リーベン・ヴォルフ」とも呼ばれる[47]。型式番号は不明。メカニックデザインは藤岡建機。
設定解説
リーベン・ヴォルフをベースとして、強化人間による運用に特化したオプションを装備した仕様。これは、ドーベン・ウルフの発展型としてゲーマルクの長所を融合させた仕様でもある。サイコミュ高機動試験用ザクジオングの機体コンセプトを継承し、高い耐G能力をもつ強化人間による高速機動での遠隔攻撃を実現するための装備が各所に散見される。脚部はジェットとロケットの切り替え式の大型のブースター・ユニットに換装され、サブ・フライト・システム (SFS) との連動によって大気圏内でも短時間の飛行を可能とした。40m級大型MS向けの巨大な前腕部はクィン・マンサのものと同等の機能を有するうえ、「サイコ・アーム」としての射出を経て掌部のビーム砲によるオールレンジ攻撃が可能であるほか、巨大ビームサーベルの発振や拳そのものによる近接攻撃も可能である。また、サイコ・アーム射出後はドーベン・ウルフ(指揮官機)同様に前腕部内の隠し腕が露出する。胸部にはゲーマルクと同型のハイパー・メガ粒子砲を搭載しており、股間部に収納されているバレルを展開・接続することによって長距離砲としても運用できる。腰背部にもゲーマルクと同型のマザー・ファンネル・システムを2基装備しており、このシステムを遠隔操作するために頭部に長大なサイコミュ・アンテナを装備する。背部バインダーはシュツルム・ディアスからの技術系譜に属し、ドーベン・ウルフのそれをさらに高出力・大型化したもので、先端にメガ粒子砲を装備する[47]。機体色は、ゲーマルクを想起させるオレンジ色を基調とする[47]
作中での活躍
ストンリィをリーダーとするPG部隊の強化人間3名が搭乗し、フォボス宇宙港攻略戦でレジオンのグロリア・ザビが搭乗するガンダムTR-6[クインリィ]1機の強大な力の前に苦戦するチェスター艦隊を支援するために出撃する。連携攻撃によってクインリィの破壊に成功するが、コアであるガンダムTR-6[ウーンドウォート]は無事であり、新たな装備に換装しての反撃に遭った結果、3機とも撃破される。

注釈

  1. ^ a b ジ・アニメ』1986年11月号掲載の「新装開店第1回 ガンダムΖΖ読本-これは買いだ!」より。
  2. ^ ただし、型式番号のORXの "O" はオークランド研究所の略であるとされる[22]
  3. ^ 当初は量産型νガンダムを登場させる予定だったが、そちらには固定ファンがいるという理由からカトキが反対し、提案された[28]
  4. ^ 型式番号のARXはネオ・ジオンから鹵獲した機体の改造機を意味し、AはAMX機と同様、アクシズの意であるとされている[29][要ページ番号]
  5. ^ なお、原作小説版でのガエルの乗機はアイザックであった。
  6. ^ 小説版では4基のファンネル・ビットを撃破[43]

出典

  1. ^ a b c d モデルグラフィックス8705 1987, p. 61.
  2. ^ MISSIONΖΖ 1987, p. 157.
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad 1/144ドーベンウルフ 1986.
  4. ^ a b EBグリプス戦争編 1989, p. 52-53.
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v センチネル 1989, p. 114-115.
  6. ^ a b c d e f g EBグリプス戦争編 1989, p. 76-77.
  7. ^ MSバイブル40 2020, p. 7.
  8. ^ a b c UCプリズマティックモビルズ1 2013, p. 66-67.
  9. ^ DCΖΖ 2001, p. 58-59.
  10. ^ a b c d e f g h i j k l m MISSIONΖΖ 1987, p. 20.
  11. ^ センチネル 1989, p. 292.
  12. ^ DCΖΖ 2001, p. 70-71.
  13. ^ a b ジ・アニメ8611 1986.
  14. ^ a b MS大全集 1988, p. 74.
  15. ^ a b MISSIONΖΖ 1987, p. 36.
  16. ^ a b c d e f g NT100%ΖΖ 1987, p. 52-53.
  17. ^ HGUCドーベンウルフ 2014.
  18. ^ a b c d HGUCドーベンウルフUC 2013.
  19. ^ イボルブマテリアル 2007, p. 64.
  20. ^ a b c d e f g MSバイブル40 2020, p. 15.
  21. ^ センチネル 1989, p. 75.
  22. ^ NT100%Ζメカ1 1985, p. 66.
  23. ^ a b センチネル 1989, p. 12-17.
  24. ^ a b センチネル 1989, p. 202-203.
  25. ^ センチネル 1989, p. 34-37.
  26. ^ センチネル 1989, p. 216-217.
  27. ^ MISSIONΖΖ 1987, p. 17.
  28. ^ 電撃ホビーマガジン1408 2014, p. 43.
  29. ^ パーフェクトファイル79 2013.
  30. ^ a b c d e f g h i j k l m n HGUCシルヴァバレト 2014.
  31. ^ a b c d e f g h UCプリズマティックモビルズ2 2016, p. 76-77.
  32. ^ UCプリズマティックモビルズ2 2016, p. 113.
  33. ^ a b UCメカ&ワールドep7 2014, p. 42-43.
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  35. ^ a b c グレートメカニックG18冬 2018, p. 10.
  36. ^ GUNDAM.INFO 2019.
  37. ^ グレートメカニックG19春 2019, p. 6.
  38. ^ HGUCナラティブC付属冊子 2019.
  39. ^ a b 小説ガンダムNT 2019, p. 224.
  40. ^ a b c d e f g h i ガンダムエース1906 2019, p. 36-37.
  41. ^ NT公式サイトメカ 2019.
  42. ^ a b HGUCシルヴァバレトSウェブ 2019.
  43. ^ 小説ガンダムNT 2018, p. 318.
  44. ^ a b c d e f AOZ ReBoot58 2018.
  45. ^ a b くろうさぎのみた夢1 2018, p. 154-155.
  46. ^ a b c AOZ ReBoot59 2018.
  47. ^ a b c AOZ ReBoot67 2020.


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