ドラゴンクエストIII そして伝説へ…
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/08 07:52 UTC 版)
ジャンル | ロールプレイングゲーム |
---|---|
対応機種 |
ファミリーコンピュータ (FC) 対応機種一覧
|
開発元 | チュンソフト |
発売元 | エニックス |
プロデューサー | 千田幸信 |
ディレクター | 中村光一 |
シナリオ | 堀井雄二 |
プログラマー | 内藤寬 |
音楽 | すぎやまこういち |
美術 | 鳥山明 |
シリーズ | ドラゴンクエストシリーズ |
人数 | 1人 |
メディア |
2メガビット+64キロRAM ロムカセット[1] (バッテリーバックアップ搭載) |
発売日 |
1988年2月10日 1992年3月 |
対象年齢 | CERO:A(全年齢対象) |
売上本数 |
390万本[2] 380万本[3] |
ドラゴンクエストシリーズの第3作目。堀井雄二の脚本・ゲームデザイン、鳥山明のキャラクターデザイン、すぎやまこういちのヒロイックな音楽などにより爆発的な人気を博し、発売日には量販店の前に数キロメートルの行列ができるなどの社会現象を巻き起こした。TVCMのキャッチコピーは「触れたら最後、日本全土がハルマゲドン」。
物語は、ロトシリーズ3部作の完結篇と位置づけられており、前2作『ドラゴンクエスト』『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』の物語中に名が登場した伝説の勇者「ロト」、および舞台となった世界「アレフガルド」の秘密が本作で判明する[注 1]。
パッケージなどに記載されているタイトルロゴはロゴ全体が剣の鍔と持ち手を模したものであるため、ナンバリングタイトルで唯一「DRAGON QUEST」の「T」が剣の形になっていない[注 2]。また、『ドラゴンクエストVI 幻の大地』までの作品の中では唯一数字と重なっていない作品でもある。
発売後には、ゲームブック化や小説化、ドラマCD(CDシアター)化も行われた。
その後、リメイクとして1996年に『スーパーファミコン ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』、2000年に『ゲームボーイ ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』(ゲームボーイカラー専用)が発売されているほか、2009年より携帯アプリ版も配信されている。2011年9月15日発売のWii用ゲームソフト『ドラゴンクエスト25周年記念 ファミコン&スーパーファミコン ドラゴンクエストI・II・III』にFC版およびSFC版が第1作『ドラゴンクエスト』や『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』と共に収録された。2017年8月24日からはPlayStation 4、ニンテンドー3DS版[5]が、2019年9月27日からはNintendo Switch版がダウンロードで配信されている。
北米では、『Dragon Warrior III』としてNES版とGBC版が発売されている。
ファミリーコンピュータ版とスーパーファミコン版はゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」にてプラチナ殿堂入りを獲得、またゲームボーイカラー版はシルバー殿堂入りを獲得した。その他、ファミリーコンピュータ版はゲーム誌『ファミリーコンピュータMagazine』の「ゲーム通信簿」にてキャラクタ4位、音楽2位、熱中度2位、操作性4位、お買い得度3位、総合評価2位を獲得した。
注釈
- ^ ただし、堀井雄二は『I』製作時は『III』まで想定しておらず、後付ながらストーリーがうまく繋がったのはよかったと述べている[4]
- ^ シリーズ全体としては他にWii用ソフト『ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔』やアニメ版『ドラゴンクエスト』でも見られる。
- ^ ただし、ゲームクリアのためにはストーリー進行上、必ず一度は商人をパーティーに入れなければならない。「#職業一覧」の商人を参照。
- ^ 戦士・僧侶・魔法使いの3名で全員男性。
- ^ ただし、武器・防具・道具を所持している状態では抹消できない。なお商人を渡すイベントによりその商人がリストから抹消となり(持ち物は預かり所に送られる)、新たにキャラクターを作ることができる。
- ^ ただし、パーティーに遊び人1人しかいない場合に混乱状態になることで100パーセントコマンド通りに戦うことが可能となる。
- ^ 1人でしか入ることのできない「地球のへそ」の周辺は除く。
- ^ ただし、敵の種類によっては、後列のキャラクターを狙う敵もいる。
- ^ 「○○に△△ポイントのダメージをあたえた!」」→「○○に△△のダメージ!!」、「○○は××のじゅもんをとなえた!」→「○○は××をとなえた!」など。
- ^ 制作発表が行われた当時の各ゲーム雑誌では「もしも今作をパスワード方式にした場合、その長さは800文字ぐらいになる」とのコメントが載せられた(第1作は20文字、『II』は最大52文字)。
- ^ マップはメルカトール図法に基づいた四角形で、上端と下端、左端と右端がそれぞれ繋がっている(北極より北へ進むと、南極へ出るなど)。ゲーム中の「ルザミ」の町人の台詞によれば世界は丸いとのことだが、上述の性質を満たす世界の形状は実際には球ではなくトーラスである。
- ^ 王政、高価な黒胡椒、ポルトガの航海技術、北アメリカ大陸の開拓地、ルザミに流刑中の地動説論者など。しかし日本にあたるジパングでは弥生時代の生活をしている。
- ^ 一度行けばルーラやキメラの翼で行くことは可能。
- ^ 中村光一は『知られざる伝説』のインタビューで、ジパングからきた日本人の職人の手で作られた日本刀がゲームの中で最強の剣という、堀井のシナリオのこの演出を「日本人としてジーンときた」と語っている[15]。
- ^ 名前は自由に付けられる。男性主人公の名前は小説版およびCDシアター版では「アレル」、SFC版・GBC版のオープニングや公式ガイドブックおよび『スマブラSP』では「アルス」となっている。女性主人公の名前は公式ガイドブックでは「アイリン」となっている。
- ^ エルフの女王によって村全体が眠りにつかされる前日まで滞在しており、魔法の鍵を求めてアッサラーム方面に旅立ったことが村人の証言で明らかになる。
- ^ 小説版およびCDシアター版では「ルシア」、ゲームブックでは「エルア」という名前が付けられている。
- ^ 小説版では「ガゼル」という名前が付けられている。
- ^ 「ゲームブックドラゴンクエストIII」下巻でのエンディングシーンなどから。
- ^ 鳥山明のイラストでは「ボスその1 年とった大トカゲ」と書かれている[18]。
- ^ FC版ではごくまれにオルテガが勝つこともあるが、勇者一行に願いを託し直後に力尽きる。
- ^ 『VI』ではデスタムーアのみ効果音付きだった。
- ^ FC版ではデータ内に存在したが没案となっていた。
- ^ 母親から「男の子のように育てた」、アリアハン王から「いや、娘だったか」というメッセージ。
- ^ ドラゴンクエストVIに登場するクラウド城の主・ゼニスとの関係は不明。
- ^ グラフィックはやまたのおろち、キングヒドラの色違いである。
- ^ 「#音楽」の項で述べるスイスの村など。
- ^ 数種類のモンスターが登場していない。これらは発売前の宣伝広告のイラストで確認できる。
- ^ ローマ字表記で本作のエンディングクレジットに表示されており、当時リバーヒルソフトのゲームシナリオライターであった鈴木理香と同じ発音だが鈴木のプロフィールとしてドラゴンクエストに関する情報源は明らかでなく、別人の可能性がある
- ^ この時に窃盗・恐喝され被害届を出した少年に対し、エニックスは連絡先がわかる場合に限り、同ソフトを無償提供した。
- ^ 前作『II』でも同様の事件が起きている。
- ^ 空飛ぶ鯨ケトスが覚醒して以降。
- ^ なお鴻上は、アッサラームの劇場にいる座長キャラクターのモデルでもある。
- ^ リメイク版の公式ガイドブックでは、アレフガルドに関する情報は非掲載だが、FC版とは違いアイテム全種、ボス・中ボス以外のモンスターは全て掲載されている。
- ^ a b ドラゴンクエストI、II、IIIの3作品を取り扱っている。奥付にも、その3作品の表記がある。
出典
- ^ a b c d 「5月10日号特別付録 ファミコンロムカセット オールカタログ」『ファミリーコンピュータMagazine』第7巻第9号、徳間書店、1991年5月10日、116 - 117頁。
- ^ 『2023 CESAゲーム白書』コンピュータエンターテインメント協会、2023年7月、196頁。ISBN 978-4-902346-47-3。
- ^ “『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』35周年。多くのポップカルチャーに影響を与えたRPGの金字塔。前作よりもバランスが改善され、クリアーしやすくなったのも魅力【今日は何の日?】”. ファミ通.com. KADOKAWA (2023年2月10日). 2023年11月13日閲覧。
- ^ a b スタジオベントスタッフ『ドラゴンクエスト25thアニバーサリー 冒険の歴史書』スクウェア・エニックス、2011年、91頁。
- ^ “ドラゴンクエスト“ロト伝説”シリーズ 公式プロモーションサイト”. スクウェア・エニックス (2017年8月10日). 2017年8月11日閲覧。
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- ^ 「ドラゴンクエスト25周年記念 堀井雄二×中村光一 特別対談 後編」『ゲーマガ』2012年2月号、SBクリエイティブ、78頁。
- ^ FC版公式ガイドブック p.14
- ^ 「カタカナは20文字だけ」「没アイテムで宝箱がカラッポに」ファミコンハードの限界に挑んだ制作者たち - ねとらぼ・2018年1月7日
- ^ 『ドラゴンクエストIII マスターズ・クラブ』(JICC出版局 刊) ISBN 4880634875
- ^ FC版公式ガイドブック p.143
- ^ FC版公式ガイドブック p.151
- ^ 『ドラゴンクエスト3マスターズクラブ』(ファミコン必勝本)JICC出版局(1988/11)P45
- ^ 『ドラゴンクエストIII そして伝説へ… 知られざる伝説』エニックス、1988年12月1日、95頁。ISBN 978-4900527003。
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- ^ 『ドラゴンクエスト3 そして伝説へ 知られざる伝説』エニックス、1988年12月1日、24-27頁。
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- ^ 魔法の迷宮ボスモンスター「伝説の三悪魔」登場! (2014/10/3)|目覚めし冒険者の広場
- ^ 【5周年記念】 大魔王ゾーマへの挑戦 (2018/2/2 更新)|目覚めし冒険者の広場
- ^ 【イベント】DQIII 30周年記念! ゾーマの城 最後の決戦 (2018/2/27 更新)|目覚めし冒険者の広場
- ^ ドラゴンクエスト誕生35周年記念 大魔王ゾーマへの挑戦 (2021/5/25 更新)|目覚めし冒険者の広場
- ^ 『鳥山明の世界 AKIRA TORIYAMA EXHIBITION』146頁。
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- ^ SFC版公式ガイドブック pp.30-31
- ^ SFC版公式ガイドブック pp.16-33,122
- ^ SFC版公式ガイドブック p.36
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- ^ SFC版公式ガイドブック pp.12-15
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- ^ SFC版公式ガイドブック pp.14,221
- ^ SFC版公式ガイドブック p.223-225
- ^ SFC版公式ガイドブック p.9
- ^ a b M.B.MOOK『懐かしゲームボーイパーフェクトガイド』 (ISBN 9784866400259)、85ページ
- ^ “『ドラクエ12 選ばれし運命の炎』『ドラクエ3』HD-2Dリメイクなど新作6タイトルが発表!【DQ35周年生放送まとめ】”. ファミ通.com (2021年5月27日). 2022年2月22日閲覧。
- ^ 内藤寛 (2024年2月26日). FC版DQ3残容量の真実!. 内藤かんチャン (YouTube). 2024年3月3日閲覧。
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- ^ a b 「6月16日増刊号特別付録 クロスレビュー優良ソフトパーフェクトカタログ 上巻」『ファミ通』、エンターブレイン、2005年6月16日、10頁。
- ^ a b 「6月16日増刊号特別付録 クロスレビュー優良ソフトパーフェクトカタログ 上巻」『ファミ通』、エンターブレイン、2005年6月16日、49頁。
- ^ “スクウェア・エニックス 田口浩司氏インタビュー(3)”. アニメ!アニメ! (2009年). 2011年6月17日閲覧。
- ^ “ファミリーコンピュータ版 「ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」動画・生配信・画像投稿に関するガイドライン”. スクウェア・エニックス 2021年7月26日閲覧。
- ^ “スーパーファミコン版 「ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」動画・生配信・画像投稿に関するガイドライン”. スクウェア・エニックス 2021年7月26日閲覧。
- ^ “ゲームボーイ版 「ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」動画・生配信・画像投稿に関するガイドライン”. スクウェア・エニックス 2021年7月26日閲覧。
- ^ “スマートフォン版 「ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」動画・生配信・画像投稿に関するガイドライン”. スクウェア・エニックス 2021年7月26日閲覧。
- ^ “「ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」動画・生配信・画像投稿に関するガイドライン”. スクウェア・エニックス 2021年7月26日閲覧。
- 1 ドラゴンクエストIII そして伝説へ…とは
- 2 ドラゴンクエストIII そして伝説へ…の概要
- 3 ゲーム内容
- 4 設定
- 5 登場人物
- 6 移植版
- 7 開発
- 8 反響
- 9 関連商品
- 10 動画・生配信・画像投稿に関するガイドライン
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